業務マニュアルのテンプレート(Word)を無料ダウンロード——わかりやすい手順書の作り方6ステップと書き方のコツ
結論
このページから、業務マニュアル(手順書)のテンプレート(Word形式・記入例つき)を無料でダウンロードできます。わかりやすいマニュアルを作るコツは、「業務の目的」「1行に1つの動作で書いた手順」「よくあるミスと対処」「困ったときの連絡先」の4つをそろえ、その業務をしたことがない人に試してもらって直すことです。
株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、業務マニュアルのテンプレートの使い方と、わかりやすいマニュアルの作り方について解説します。「担当者が休むと仕事が止まる」「新しい人に毎回同じことを口で教えている」「マニュアルを作ったのに誰も見ていない」。業務の効率化のご相談では、こうしたマニュアルの悩みをよく伺います。この記事では、そのまま書き換えて使える業務マニュアルのテンプレートを配布し、読んだ人がその日から作業できるマニュアルの作り方と書き方のコツを、順番に説明します。最後に、下書きをAIに作らせるための指示文の使い方も紹介します。
業務マニュアルのテンプレート(Word)は、ここから無料でダウンロードできます
業務マニュアル(手順書)とは、ある仕事を「誰がやっても同じ結果になる」ように、目的・手順・注意点をまとめた社内の文書です。ベテランの頭の中にしかないやり方を書き出しておくことで、休みや退職で仕事が止まるのを防ぎ、新しい人に教える時間も減らせます。
このテンプレートは、中小企業の事務作業のマニュアルを、ふだんWordを使っている担当者が作ることを想定して作りました。会員登録やメールアドレスの入力は必要ありません。
業務マニュアルのテンプレート(Word形式・5ページ)
「受注書の入力」業務を例にした記入例入り。1ページ目に「このテンプレートの使い方」、最後のページに、録画やメモからAIに下書きを作らせる指示文が付いています。
Wordファイルをダウンロードテンプレートの中身は次のとおりです。
| ページ | 入っている内容 |
|---|---|
| 1ページ目 | このテンプレートの使い方(書く順番、画像の貼り方、作ったあとの直し方) |
| 表紙・改訂履歴 | 業務名、部署、作成者、承認者、版、最終更新日、保管場所と、いつ・何を直したかの記録 |
| 1. 業務の概要 | 目的、担当、頻度・タイミング、所要時間の目安、使う道具、始める前の条件、この手順書の範囲 |
| 2. 手順 | 番号・作業・ポイント/注意・画面や写真の貼り付け欄の表 |
| 3. よくあるミスと対処 | ミス、起きること、防ぎ方・起きたときの対処 |
| 4. 困ったときの連絡先 | こんなとき、誰に、どうやって連絡するか |
| 付録 | 作業の録画やメモから、AIにマニュアルの下書きを作らせる指示文(コピーして使える) |
わかりやすいマニュアルは「目的・手順・ミス・連絡先」の4つがそろっている
マニュアルを作ったのに使われない理由の多くは、「手順しか書いていない」ことにあります。読む人は、手順の途中で「これは何のためにやるのか」「まちがえたらどうするのか」「わからないときは誰に聞くのか」で止まってしまいます。そこで止まると、結局ベテランに聞きに行くことになり、マニュアルは見られなくなります。
テンプレートでは、読む人が止まらないように、次の4つを必ず書く構成にしています。
- 業務の目的:何のための仕事かがわかると、手順に書いていない場面でも正しく判断しやすくなります
- 1行に1つの動作で書いた手順:上から順に読めば、その日から作業できる状態にします
- よくあるミスと対処:ベテランが経験で知っている「まちがえやすい所」を、先に教えておきます
- 困ったときの連絡先:迷ったときに作業を止めて相談できる先を決めておきます
| 使われないマニュアル | 使われるマニュアル |
|---|---|
| 手順だけが長い文章で書かれている | 目的・手順・ミス・連絡先が分かれていて、必要な所をすぐ探せる |
| 「いつもの画面で入力する」など、知っている人にしかわからない | 画面の名前やボタン名が書かれ、画面の写真が貼ってある |
| 作った日から一度も直していない | 改訂履歴があり、手順が変わったらその日に直している |
| どこに保存したか誰も知らない | 表紙に保管場所が書かれ、決まった場所に置いてある |
ポイント
マニュアルは「きれいに作ること」より「読んだ人が迷わず作業できること」が大事です。見た目は簡単でかまいません。テンプレートの型を使えば、書く内容だけに集中できます。
業務マニュアルの作り方は6ステップ。書く順番は「手順」から
マニュアル作りが途中で止まってしまう会社では、多くの場合「全部の業務を一度に作ろう」としています。まずは1つの業務で、次の6つのステップを1回やり切るのが近道です。
- マニュアルにする業務を1つ選ぶ:担当者が1人しかいない業務、毎日・毎週くり返す業務、ミスが起きると困る業務から選びます
- 範囲を決める:「どこから始めて、どこで終わるか」を決め、テンプレートの「この手順書の範囲」に書きます。たとえば受注書の入力なら「注文書の受け取りから、システムへの登録まで」です
- 実際の作業を見ながら書き出す:担当者に作業してもらい、横で見ながら、やっていることを全部メモします。作業を録画しておくと、あとで見直せます
- 手順を1行1動作に整える:メモを「〜を開く」「〜を入力する」「〜を押す」という短い文に分けて、手順の表に書きます。理由や注意は右の「ポイント/注意」の列へ移します
- 画面や写真を貼り、概要・ミス・連絡先を埋める:画面の写真を貼り、最後に「業務の概要」「よくあるミスと対処」「困ったときの連絡先」を書きます
- その業務をしたことがない人に試してもらう:マニュアルだけを見て作業してもらい、止まった所・聞かれた所を書き足します
書く順番を「手順」からにしているのは、概要や目的から書き始めると、考え込んで手が止まりやすいからです。実際の作業を書き出してしまえば、目的やよくあるミスは担当者に聞きながら埋められます。
ポイント
6つ目の「試してもらう」は省かないでください。書いた本人は、手順を知っているので抜けに気づけません。初めての人が止まった所こそ、マニュアルに足りない所です。
読みやすい手順書にする書き方のコツ:1行1動作・ボタン名は[ ]・理由は別の列
同じ内容でも、書き方しだいで読みやすさは大きく変わります。テンプレートの記入例にも使っている、書き方のコツを表にまとめました。
| コツ | わかりにくい書き方 | わかりやすい書き方 |
|---|---|---|
| 1行に1つの動作 | システムを開いて得意先を選び、品番と数量を入れて確認する | 1. システムを開く/2. 得意先コードを入れる/3. 品番と数量を入れる |
| 文の終わりを動作にする | 得意先コードについて | 得意先コードを、得意先一覧表で確認する |
| 画面の言葉は[ ]で囲む | 入力の画面で登録する | [受注入力]画面で[登録]を押す |
| 理由と注意は別の列へ | 二重入力を防ぐために、終わったら件名に【済】を付ける | 作業:件名に【済】を付ける/注意:二重に入力しないための大事な作業 |
| あいまいな言葉を数字にする | なるべく早めに入力する | 午前10時と午後3時の2回、まとめて入力する |
| 判断の分かれ目を書く | 問題があれば確認する | 納期が空欄なら、入力前にお客様に確認する |
もう1つ大事なのが、「迷ったら止めて相談する」と書いておくことです。マニュアルにすべての場面を書くことはできません。書かれていない場面で、読む人が自分の判断で進めてしまうと、ミスが大きくなります。テンプレートの「困ったときの連絡先」は、そのための欄です。
画面や写真の貼り方
手順の表の右の欄に、その手順の画面の写真を貼ります。パソコンの画面は、Windowsなら[Windowsキー]+[Shift]+[S]で一部分を切り取れます。Wordに貼ったら、欄の幅に合わせて小さくし、押す場所を赤い四角で囲むと、ひと目でわかるようになります。写真は1手順に1枚までにすると、ページが長くなりすぎません。
下書きはAIに任せられる:テンプレート最後の指示文の使い方
マニュアル作りでいちばん時間がかかるのは、ステップ3〜4の「書き出して、1行1動作に整える」作業です。この部分は、AIに下書きを作らせることができます。テンプレートの最後のページには、そのための指示文(プロンプト=AIへのお願いの文章)を、コピーして使える形で載せています。
- 担当者に作業をしてもらい、話しながら作業する様子を録画・録音する(または、ベテランにやり方をメモで書いてもらう)
- 録画・録音を文字にする(文字起こしのツールを使う)
- テンプレートの指示文の【材料】の所に、その文字を貼り、社内で使ってよいと決めた生成AIに渡す
- AIが出した下書きを、担当者が読み、実際に作業して確かめてから、テンプレートの「2. 手順」に写す
指示文には、「材料に書かれていないことは想像で補わない」「わからない所は【要確認】と書いて残す」というルールを入れています。AIはもっともらしく手順を作ってしまうことがあるため、わからない所を目に見える形で残させるのが安全です。最後に「担当者へ聞きたい質問」も出させるので、確認の聞き取りもスムーズになります。
ポイント
お客様の氏名や連絡先が映っている録画は、そのままAIに渡さず、会社で決めたルールに沿って扱ってください。AIの下書きは、必ず人が確認してから使います。
録画から下書きを作るところから、手順が変わったときの更新まで、AIを使ってマニュアル作りを効率化する方法は、別の記事でくわしく説明しています。
マニュアルがそろってきたら、次は「マニュアルに書いてあることを、何度も人に聞かれる」問題を減らせます。マニュアルや社内の規程をAIに読み込ませて、社員の質問に答えさせる仕組みです。
マニュアルを配る前のチェックリストと、ご相談について
マニュアルを配る前のチェックリスト
- 表紙に、業務名・作成者・最終更新日・保管場所が書かれている
- 「業務の概要」に、目的と、この手順書の範囲(どこからどこまでか)が書かれている
- 手順が1行に1つの動作で書かれ、画面の名前やボタン名が[ ]で書かれている
- 理由や注意が「ポイント/注意」の列に分けて書かれている
- 判断が分かれる場面(空欄・不一致・エラーなど)で、どうするかが書かれている
- 「よくあるミスと対処」に、ベテランが知っているまちがえやすい所が入っている
- 「困ったときの連絡先」に、名前と連絡方法が書かれている
- その業務をしたことがない人が、マニュアルだけで作業できた
- 1ページ目の「このテンプレートの使い方」を削除した
マニュアルを作ってみると、「この手順は毎回同じなので、そもそも人がやらなくてよいのでは」と気づくことがよくあります。手順がはっきり書けた業務は、AIに任せやすい業務でもあります。当社の導入事例でも、製造業(従業員30名規模)の受注書の入力が、1日2時間から15分になりました。
当社は、中小企業の業務にAIを組み込む「AI社員」を、月5万円(初期費用はヒアリング後にお見積もり)で提供しています。マニュアルの下書きをAIで作る仕組みづくりや、マニュアルにした業務そのものをAIに任せる進め方のご相談も承っています。「どの業務からマニュアルにすればよいかわからない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
よくある質問
この業務マニュアルのテンプレートは無料で使えますか?
はい、無料でダウンロードして、自社のマニュアルとして書き換えてお使いいただけます。会員登録やメールアドレスの入力も必要ありません。
マニュアルはWordとExcelのどちらで作るのがよいですか?
文章と画面の写真を組み合わせて読ませるならWordが向いています。手順が短く、一覧で管理したい場合はExcelでもかまいません。大事なのは形式より、目的・手順・ミス・連絡先がそろっていることです。
マニュアルは誰が作るのがよいですか?
その業務をいちばんよく知っている担当者に作業してもらい、別の人が聞き取りながら書くのがおすすめです。担当者1人で書くと、本人には当たり前の手順が抜けやすくなります。
動画のマニュアルと文書のマニュアルは、どちらがよいですか?
動画は動きが伝わりやすい一方、必要な所を探しにくく、手順が変わると撮り直しが必要です。まずは文書で作り、わかりにくい手順だけ短い動画を添えると、作りやすく直しやすいマニュアルになります。