業務棚卸しシート(Excel)を無料ダウンロード——6つの質問でAIに任せられる業務を見つける方法
結論
このページから、AIに任せられる業務を見つけるための業務棚卸しシート(Excel)を無料でダウンロードできます。くり返している業務を1行ずつ書き出し、頻度・時間と6つの「はい/いいえ」の質問に答えると、月の作業時間とAI向き度から、AIに任せたときの効果が大きい業務の順番が自動で出ます。
株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、業務棚卸しシートを使って、AIに任せられる業務を見つける方法について解説します。「AIを使ってみたいが、どの業務に使えばよいかわからない」。AI導入のご相談で、最初にいちばん多く聞かれる悩みです。思いついた業務から試すと、効果が小さかったり、AIに向いていなかったりして、「AIは使えない」という結論になりがちです。この記事では、業務を書き出して、AIに任せやすく効果も大きい業務を選ぶためのExcelシートを配布し、使い方と結果の読み方を説明します。
業務棚卸しシート(Excel)は、ここから無料でダウンロードできます
業務棚卸し(たなおろし)とは、ふだん行っている業務を一つずつ書き出し、誰が、どのくらいの頻度と時間をかけているかを見える形にすることです。お店の在庫を数える「棚卸し」と同じように、仕事の中身を数えるイメージです。
このシートは、棚卸しに加えて、それぞれの業務がAIに向いているかを6つの質問で診断できるようにしました。会員登録やメールアドレスの入力は必要ありません。
| シート | 内容 |
|---|---|
| 使い方 | 記入の手順と、色の見かた(黄色=入力、緑=自動計算) |
| 棚卸し | 業務の書き出しと診断。月の作業時間、AI向き度(0〜6点)、判定、優先度、優先順位が自動で出る |
| まとめ | 書き出した業務の数、月の作業時間の合計、AIに任せやすい業務の時間、減らせる作業時間の目安 |
AIに任せやすいかは、6つの「はい/いいえ」の質問で診断する
シートでは、それぞれの業務について次の6つの質問に答えます。「はい」の数がAI向き度(0〜6点)になります。
| 質問 | 「はい」だとAIに任せやすい理由 |
|---|---|
| 1. 決まった手順で、毎回同じようにやっている | 手順が決まっていれば、AIに同じ作業をくり返させやすい |
| 2. 入力・転記・集計が中心 | 書類から読み取って入力する、表にまとめる作業はAIが得意 |
| 3. 文章の作成・要約・返信がある | 下書きや要約は、生成AIがもっとも力を発揮する作業 |
| 4. 元の情報がデータになっている(PDF・Excel・メール) | 紙だけの情報より、データになっている方がAIに渡しやすい |
| 5. 判断の基準を言葉で説明できる | 「〇〇なら××」と説明できる判断は、AIに伝えられる |
| 6. AIが間違えても、人が確認して直せる | AIは間違えることがあるため、人が最後に確認できる業務が安全 |
点数に応じて、判定が自動で表示されます。
- 5〜6点:AIに任せやすい(業務の大部分をAIに下書きさせ、人が確認する形にできる)
- 3〜4点:一部を任せられる(業務の中の一部の作業だけをAIに任せる)
- 0〜2点:人が続ける(いまはAIより人がやる方がよい)
ポイント
質問4が「いいえ」(紙だけで回っている)でも、あきらめる必要はありません。紙の書類はスキャンしてPDFにすれば、AIで読み取れる場合が多くあります。まずは「データにできるか」を考えてみてください。
効果が大きい業務は「月の作業時間 × AI向き度」で選ぶ
AIに向いていても、月に1時間しかかからない業務を任せても効果は小さくなります。そこでシートでは、優先度=月の作業時間 × AI向き度を計算し、数字が大きい順に優先順位を付けています。
記入例の4つの業務で計算すると、次のようになります。
| 業務 | 月の作業時間 | AI向き度 | 判定 | 優先順位 |
|---|---|---|---|---|
| 受注書の内容を基幹システムに入力(毎日2時間) | 40時間 | 5 | AIに任せやすい | 1位 |
| 問い合わせメールへの一次返信(毎日30分) | 10時間 | 5 | AIに任せやすい | 2位 |
| 月次の勤怠の集計と確認(毎月8時間) | 8時間 | 5 | AIに任せやすい | 3位 |
| 新規のお客様への提案内容の検討(毎週3時間) | 12時間 | 3 | 一部を任せられる | 4位 |
提案内容の検討は月の作業時間が長いものの、AI向き度が低いため、優先度(12時間×3=36)は勤怠の集計(8時間×5=40)より下になります。この例では、毎日2時間かかっている受注書の入力が、最初にAIを試す業務の第一候補になります。実際に、当社がお手伝いした製造業(従業員30名規模)の事務担当の方の例では、受注書の入力が1日2時間から15分になりました。
「まとめ」シートでは、AIに任せやすい業務の時間の合計に、想定の削減割合(初期値は60%。黄色のセルで変えられます)をかけて、月に減らせる作業時間の目安も出します。
業務を書き出すときの4つのコツ
棚卸しで大切なのは、もれなく、細かすぎず書き出すことです。次の4つを意識すると、30分〜1時間ほどで主な業務が書き出せます。
- 1週間の予定とメールを見返す:記憶だけで書くと、細かいくり返しの作業が抜けます。カレンダーや送ったメールを見ながら書き出します
- 「〇〇を△△する」の形で書く:「経理」ではなく「請求書の金額を会計ソフトに入力する」のように、作業が想像できる単位にします
- 担当者本人に書いてもらう:管理職が想像で書くより、実際に作業している人の方が、時間や手間を正確に書けます
- 時間はざっくりでよい:1回の時間は「だいたい30分」で十分です。正確に測るのは、試行を始めてからで間に合います
書き出しもれが多い業務
- メールや電話の問い合わせへの返信
- 書類(受注書、請求書、申込書)の確認と入力
- 日報・週報・会議の議事録の作成
- 月末・月初の集計やレポートの作成
- 社内の資料やマニュアルを探す・作る時間
候補が決まったら、費用対効果を計算して稟議書にまとめる
シートで優先順位の高い業務が決まったら、次は「AIに任せるといくら浮くのか」を金額にします。同じコラムで配布している2つのファイルを順に使うと、社内で提案するところまで進められます。
- 業務棚卸しシート(このページ):AIに任せる業務の候補を選ぶ
- 費用対効果の計算シート:候補の業務の作業時間を入れて、月の効果や初期費用を回収できる時期を計算する
- 稟議書テンプレート:計算した数字を写して、社内の承認をもらう
診断結果を使うときの注意点と、ご相談について
このシートの判定は、あくまで目安です。次の点に注意して使ってください。
- 判定が「AIに任せやすい」でも、すべてを任せない:AIは間違えることがあるため、最初は人が全件確認する形で始めます
- お客様の情報を扱う業務は、社内ルールを先に決める:どの情報をAIに入力してよいかを決めておきます
- 判定が低い業務も、作業を分ければ任せられることがある:「提案内容の検討」全体は人がやるべきでも、「過去の提案書から似た事例を探す」部分はAIに任せられる、という場合があります
当社は、中小企業の業務にAIを組み込む「AI社員」を、月5万円(初期費用はヒアリング後にお見積もり)で提供しています。これまでに約90社からご相談をいただき、業務の書き出しからAIに任せる範囲の決定まで、一緒に整理してきました。記入したシートをお持ちいただければ、どの業務から始めるとよいかを具体的にご提案できます。
よくある質問
このシートは無料で使えますか?
はい、無料でダウンロードしてお使いいただけます。会員登録やメールアドレスの入力も必要ありません。
何件くらいの業務を書き出せばよいですか?
最初は1人あたり10〜20件程度で十分です。毎日・毎週くり返している業務を中心に書き出し、年に数回しかない業務は後回しにしてかまいません。
Excelを持っていなくても使えますか?
Googleスプレッドシートなど、Excel形式のファイルを開けるソフトでも使えます。ただし、入力の候補(はい/いいえ)の表示などが、ソフトによって異なる場合があります。
AI向き度が高い業務がひとつもない場合は、どうすればよいですか?
業務をもう少し細かい作業に分けて書き出してみてください。業務全体では向いていなくても、「書類を探す」「下書きを作る」といった一部の作業はAIに任せられることがよくあります。