はじめてのAI導入公開日

AI導入の稟議書テンプレート(Word)を無料ダウンロード——決裁が通る8つの項目と例文の書き方

結論

このページから、AI導入の稟議書テンプレート(Word形式・例文入り)を無料でダウンロードできます。決裁が通りやすい稟議書のポイントは、「いくらかかって、いくら浮くのか」を数字で示すことと、「1つの業務で1〜2か月試す」という小さな提案にすることの2つです。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、AI導入の稟議書テンプレートの使い方と、決裁が通る書き方について解説します。「AIを使えば楽になりそうだが、社長や上司にどう説明すればよいかわからない」「稟議書を出したが、効果があいまいだと差し戻された」。AI導入のご相談では、こうした社内の説得に悩む担当者の方からの声を多く伺います。この記事では、そのまま書き換えて使える稟議書のテンプレートを配布し、各項目の書き方と、決裁者が気にするポイントへの答え方を説明します。

AI導入の稟議書テンプレート(Word)は、ここから無料でダウンロードできます

稟議書(りんぎしょ)とは、会社でお金を使うことや新しい取り組みを始めることについて、決裁する人の承認をもらうための書類です。AIの導入は「効果が見えにくい」「よくわからなくて不安」と思われやすいため、ほかの稟議よりも書き方の工夫が必要です。

このテンプレートは、中小企業の担当者が、社長や部長にAIの試行を提案することを想定して作りました。会員登録やメールアドレスの入力は必要ありません。

AI導入の稟議書テンプレート(Word形式・3ページ)

8つの項目に、受注書の入力作業を例にした例文入り。1ページ目に「このテンプレートの使い方」が付いています。

Wordファイルをダウンロード

テンプレートに入っている項目は次のとおりです。

項目書くこと
1. 目的いま困っていること(作業時間、ミス、残業など)
2. 導入する内容対象業務、AIがすること、人がすること、使うサービス
3. 期待される効果削減できる作業時間と、その金額換算、数字以外の効果
4. 費用初期費用、月額費用、AIの利用料、社内の作業時間
5. 費用対効果月の差し引き効果、初期費用を回収できる時期、12か月の累計
6. リスクと対策情報漏えい、AIの間違い、定着しない、効果が出ないときの対応
7. 進め方とスケジュール準備、試行、効果の報告の時期
8. ご判断いただきたいこと何を、いつから、どれだけの期間認めてほしいのか

決裁者が知りたいのは「いくらかかり、いくら浮くか」と「失敗したらどうなるか」の2つ

AI導入の稟議が差し戻される理由の多くは、決裁する人の次の2つの疑問に答えられていないことです。

  1. お金の疑問:いくらかかって、それに見合う効果があるのか
  2. 不安の疑問:情報が漏れたり、AIが間違えたりしたときに、会社が困らないか

テンプレートでは、1つ目の疑問に3章〜5章、2つ目の疑問に6章で答える構成にしています。逆に言えば、「AIは今後の時代に欠かせない」「他社も導入している」といった一般論は、決裁の判断材料になりにくいので、短くてかまいません。

通りにくい書き方通りやすい書き方
業務を効率化できる受注書の入力が、毎日2時間から30分程度になる見込み
コストが削減できる月に約44時間、時給換算で月約8.8万円分の作業が減る
セキュリティは問題ない会社が契約したサービスを、入力した情報をAIの学習に使わない設定で使う
全社で導入したいまず業務部の1つの業務で2か月試し、効果を報告してから判断いただく

ポイント

数字は、細かく正確である必要はありません。「現在の作業時間」と「AIで減る割合」の見込みを示し、その前提を書いておけば、決裁者は判断できます。前提が違うと思えば、そこを議論すればよいからです。

3章〜5章の数字は「費用対効果の計算シート」で出して、そのまま写す

稟議書でいちばん手間がかかるのが、効果と費用の数字です。同じコラムで、数字を入れるだけで計算できる「AI導入の費用対効果の計算シート(Excel)」も配布しています。

計算シートに、いまの作業時間、AIで減る割合、時給、毎月の費用、初期費用を入れると、次の数字が自動で出ます。これを稟議書の3章〜5章に写します。

計算シートの結果写す場所
月に減る作業時間3章「削減できる作業時間」
月の効果(金額)3章「金額に換算した効果」
月の差し引き効果5章「月の差し引き効果」
初期費用を回収できる時期5章「初期費用を回収できる時期」
比べる期間の累計効果5章「12か月間の累計効果」

あわせて使う:AI導入の費用対効果の計算シート(Excel)

削減時間・月の効果・回収できる時期・12か月の累計を自動で計算します。

計算シートの説明とダウンロードへ

なお、4章の費用には、サービスの料金だけでなく「社内の作業時間」も書く欄を作っています。準備や社員への説明にかかる時間を正直に書いておくと、「思ったより手間がかかった」という後からの不満を防げます。

6章「リスクと対策」は、心配ごとを先回りして書く

決裁者の不安は、聞かれる前に書いておく方が、話が早く進みます。テンプレートには、AI導入でよく出る4つの心配ごとと対策の例を入れています。

心配されること対策の書き方の例
お客様の情報が外に漏れないか会社が契約したサービスを、入力した情報をAIの学習に使わない設定で使う。入力してよい情報は社内ルールで決める
AIが間違えないかAIの結果はそのまま使わず、必ず担当者が確認してから登録・送信する
使われずに終わらないか担当者を決め、最初の1か月は週1回、使い方と困りごとを確認する
効果が出なかったらどうするか試行期間の終わりに効果を測り、期待した効果が出なければ本格導入しない

1つ目の情報漏えいについては、社内ルール(生成AI利用規程)があると説得力が増します。まだルールがない場合は、同じコラムで配布している「生成AI利用規程のひな形(Word)」を添付資料にすると、「ルールを決めたうえで使う」ことを示せます。

添付資料に:生成AI利用規程のひな形(Word)

全13条+「使ってよいサービス」「入力してはいけない情報」の別表つき。

ひな形の説明とダウンロードへ

「全社導入」ではなく「1つの業務で1〜2か月の試行」にすると通りやすい

テンプレートの件名は「AI導入(試行)について」としています。いきなり全社への導入を提案するより、次のように小さく始める提案の方が、決裁する側の判断のハードルが下がります。

  1. 対象を1つの業務にしぼる:時間がかかっていて、手順が決まっている業務を選びます
  2. 期間を区切る:1〜2か月の試行にして、終わりに効果を報告する日を決めます
  3. やめる条件を書く:「期待した効果が出なければ本格導入しない」と書いておくと、決裁者は安心して承認できます
  4. 成功したら次の業務へ:1つ目の業務で効果が出れば、2つ目以降の稟議はぐっと通りやすくなります

どの業務から始めるかが決まっていない場合は、「業務棚卸しシート(Excel)」で、毎日・毎週の業務を書き出して、AIに任せやすい業務を探すところから始めてください。

最初の業務を選ぶ:業務棚卸しシート(Excel)

6つの質問に答えるだけで、AIに任せやすい業務と優先順位がわかります。

棚卸しシートの説明とダウンロードへ

稟議書を出す前のチェックリストと、ご相談について

稟議書を出す前のチェックリスト

  • 1章に、いま困っていることが具体的な数字(時間・件数)で書かれている
  • 2章で、AIがすることと人がすることが分かれている
  • 3章〜5章の数字の前提(作業時間、減る割合、時給)が書かれている
  • 4章に、サービスの料金だけでなく社内の作業時間も書かれている
  • 6章で、情報漏えいとAIの間違いへの対策が書かれている
  • 7章で、試行の期間と効果を報告する日が決まっている
  • 1ページ目の「このテンプレートの使い方」を削除した

当社は、中小企業の業務にAIを組み込む「AI社員」を、月5万円(初期費用はヒアリング後にお見積もり)で提供しています。ご相談の段階で、対象業務の作業時間をうかがいながら、稟議書に書く効果の見込みを一緒に整理することもできます。「数字の出し方がわからない」「社内でどう説明すればよいか迷っている」という段階でも、お気軽にご相談ください。

よくある質問

このテンプレートは無料で使えますか?

はい、無料でダウンロードして、自社の稟議書として書き換えてお使いいただけます。会員登録やメールアドレスの入力も必要ありません。

効果の数字がはっきりしない場合は、どう書けばよいですか?

「現在の作業時間」と「AIで減る割合の見込み」を前提として書き、その前提にもとづく数字を示します。試行期間で実際の数字を測り、報告することを7章に書いておけば、見込みの数字でも判断してもらいやすくなります。

稟議書には、どんな資料を添付すればよいですか?

費用対効果の計算シート、サービスの資料や見積書、社内のAI利用ルール(生成AI利用規程)の3つがあると、決裁者が判断しやすくなります。

社長に直接提案する小さな会社でも、稟議書は必要ですか?

正式な稟議の仕組みがない会社でも、このテンプレートの項目で1枚にまとめて話すと、費用と効果、リスクへの対策がもれなく伝わります。口頭で説明するときのメモとしても使えます。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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