安全性・社内ルール公開日

生成AI利用規程のひな形(Word)を無料ダウンロード——中小企業がそのまま使える13条と別表の書き換え方

結論

このページから、中小企業がそのまま使える生成AI利用規程のひな形(Word形式・全13条+別表2つ)を無料でダウンロードできます。【会社名】などの【 】を書き換え、別表1「使ってよいサービス」と別表2「入力してはいけない情報」を自社に合わせて埋めれば、社内ルールのたたき台になります。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、生成AI利用規程のひな形(Word)の使い方と書き換え方について解説します。「社員がChatGPTなどの生成AIを使い始めたが、ルールがない」「規程を作れと言われたが、何から書けばよいかわからない」という声を、AI導入のご相談の中でよく伺います。ゼロから条文を考えるのは大変なので、当社がご相談の現場で使っている考え方をもとに、Wordで編集できるひな形を用意しました。この記事では、ひな形の中身、書き換える場所、別表の決め方、社内への広め方を説明します。

生成AI利用規程のひな形(Word)は、ここから無料でダウンロードできます

生成AI利用規程とは、社員が仕事で生成AI(文章や画像などを自動で作るAI)を使うときに、守ること・してはいけないこと・困ったときの対応をまとめた社内の決まりです。

このページで配っているひな形は、従業員数十名までの会社が最初の1本として使うことを想定して作りました。会員登録やメールアドレスの入力は必要ありません。

生成AI利用規程のひな形(Word形式・5ページ)

全13条+別表1「利用を認める生成AIサービス」+別表2「入力してよい情報・いけない情報」。1ページ目に「このひな形の使い方」が付いています。

Wordファイルをダウンロード

ファイルの構成は次のとおりです。

ページ内容
1ページ目このひな形の使い方(社内で使うときは削除します)
2〜4ページ目規程の本文(第1条 目的 〜 第13条 見直し、附則)
5ページ目別表1:利用を認める生成AIサービス/別表2:入力してよい情報・いけない情報

ひな形の13条は「使ってよい範囲」「入れてはいけない情報」「確認の仕方」「困ったとき」の4つでできている

13条と聞くと多く感じますが、中身は大きく4つのまとまりに分かれます。それぞれが、社員がよく迷う場面に答える形になっています。

まとまり条文社員の迷いへの答え
前提第1条 目的/第2条 適用範囲/第3条 定義/第4条 管理責任者このルールは誰に、何のためにあるのか。困ったら誰に聞けばよいのか
使ってよい範囲第5条 利用できるサービスどのAIを、どのアカウントで、どんな設定で使えばよいのか
入れてはいけない情報第6条 入力してはいけない情報(別表2)お客様の名前や見積金額を入れてよいのか
確認の仕方第7条 生成物の確認/第8条 権利への配慮/第9条 禁止事項AIが作った文章や画像を、そのまま社外に出してよいのか
困ったとき第10条 事故の報告/第11条 教育/第12条 違反した場合の措置/第13条 見直し間違えて入力してしまったら、どうすればよいのか

なかでも大切なのは、第5条と第6条です。「どのサービスを使ってよいか」と「何を入力してはいけないか」の2つが決まっていれば、社員の迷いの多くはなくなります。この2つは条文ではなく別表に書く形にしてあるので、サービスを入れ替えたときも、規程本文を直さずに別表だけ更新できます。

ポイント

第7条では「数字、日付、固有名詞、法令や制度に関する記述は、元の資料や公式の情報で確かめる」と具体的に書いています。AIはもっともらしい誤り(ハルシネーション)を出すことがあり、特に間違えやすいのがこの4つだからです。

書き換えるのは【 】の部分と別表だけ。所要時間は1〜2時間が目安

ひな形の中で、会社ごとに書き換えが必要な場所には【 】を付けています。次の手順で進めると、1〜2時間ほどでたたき台ができます。

  1. 【 】を検索する:Wordの検索で「【」を探すと、書き換える場所を順に確認できます
  2. 会社名と管理責任者を決める:第1条の【会社名】、第4条の【役職名】を入れます。管理責任者は、社長や総務の責任者など、判断ができる立場の人にします
  3. 別表1を埋める:会社として契約している、またはこれから契約する生成AIサービスを書きます(次の章で説明します)
  4. 別表2を自社の言葉にする:「入力禁止」「条件付き」の例を、自社でよく扱う書類の名前に置き換えます
  5. 確認者と見直しの間隔を決める:第7条の【上長/担当者】、第13条の【6か月】を決めます
  6. 1ページ目を削除する:「このひな形の使い方」のページを消して、制定日と施行日を入れます
場所書き換える内容決め方の目安
第1条【会社名】正式な社名
第4条【役職名】(管理責任者)社長、総務部長など、迷ったときに判断できる人
第7条【上長/担当者】(社外に出す前の確認者)直属の上長が基本。小さな会社なら社長でも可
第13条【6か月】(見直しの間隔)AIのサービスは変化が速いため、半年に1回がおすすめ
附則施行日社内に周知する日
別表1・2サービス名、設定、情報の例次の章を参照

なお、第12条(違反した場合の措置)は「就業規則に基づき対応することがある」とだけ書いています。就業規則の懲戒の規定とつながるため、必要に応じて社会保険労務士などの専門家に確認してください。

別表2「入力してよい情報・いけない情報」は、自社の書類の名前で書くと伝わる

別表2は、このひな形でいちばん社員に読まれる部分です。情報を「入力禁止」「条件付き」「入力してよい」の3つに分けています。

区分ひな形に書いてある例扱い
入力禁止パスワード、APIキー、マイナンバー、健康情報、秘密保持契約の対象の情報、公表前の決算・人事の情報どのサービスにも入力しない
条件付きお客様の氏名・連絡先、見積金額、原価、社外に出していない資料会社が認めたサービスを、学習に使わない設定で使う場合に限る。氏名は「A社」「Bさん」などに置き換える
入力してよい公開済みの情報、一般的な文章の下書き、個人や会社が特定されない形にした情報会社が認めたサービスで使える

ここで大切なのは、「機密情報」「個人情報」のような抽象的な言葉だけで終わらせないことです。たとえば建設業なら「見積書の金額」「施主様の住所」、介護なら「利用者様の介護記録」のように、社員が毎日触っている書類の名前で書くと、迷わず判断できるようになります。

別表1の「必須の設定」の欄には、入力した情報をAIの学習に使わない設定(オプトアウト)を有効にすることを書いておきます。法人向けのプランでは、最初から学習に使わない扱いになっているサービスも多くあります。設定の名前や内容はサービスごとに違い、変わることもあるため、最新の情報は各サービスの公式サイトで確認してください。

作った規程を社内に定着させる5つのコツ

規程は、作っただけでは読まれません。ご相談を受ける中でも、「作ったが誰も覚えていない」という声は少なくありません。次の5つを意識すると、守られるルールになりやすくなります。

  1. 別表2だけを1枚にして配る:本文より、「入れてよい・いけない」の表を手元に置いてもらう方が伝わります
  2. 説明会は15分で終える:全文を読み上げるより、よくある迷いの例を3つ紹介する方が記憶に残ります
  3. 「迷ったら聞く」の窓口をはっきりさせる:管理責任者の名前と連絡方法を、別表2の紙の下に書いておきます
  4. 間違えて入力したときに責めない:報告した人を責めると、次から隠されます。早く報告してくれたことを評価する姿勢を示します
  5. 半年後に見直す日をカレンダーに入れる:新しいサービスが増えたり、社員から質問が多かった点を反映したりして、別表を更新します

規程を配る前のチェックリスト

  • 【 】がすべて書き換わっている
  • 別表1に、実際に契約しているサービスが書かれている
  • 別表2の例が、自社の書類の名前になっている
  • 管理責任者と相談の窓口が決まっている
  • 1ページ目の「このひな形の使い方」を削除した
  • 就業規則との関係を確認した(必要に応じて専門家に相談した)

ひな形を使うときの注意点と、ルール作りから任せたい場合

このひな形は、多くの中小企業に共通する一般的な内容をまとめたたたき台です。法的な助言ではないため、次の点に注意して使ってください。

  • 業種のルールを確認する:医療・介護、金融、士業など、業界の指針や法令で情報の扱いが決まっている業種では、それに合わせて別表2を厳しめにします
  • 個人情報の扱いは慎重に:お客様の個人情報をAIで扱う場合の考え方は、個人情報保護委員会などが情報を出しています。最新の情報は公式サイトで確認し、迷う場合は専門家に相談してください
  • 就業規則とのつながりを確かめる:第12条の違反時の措置は、就業規則の懲戒の定めとつながります
  • 使いながら育てる:最初から完璧を目指さず、社員から出た質問を別表に足していく方が、実際に使えるルールになります

当社は、中小企業の業務にAIを組み込む「AI社員」を、月5万円(初期費用は別途。ヒアリング後にお見積もり)で提供しています。AIの仕組みを作る際には、この規程のような使い方のルール作りや、社員の方への説明もあわせてお手伝いしています。「規程は作ったが、実際の業務でどう使えばよいかわからない」という場合も、お気軽にご相談ください。

規程に入れる項目の考え方をさらに詳しく知りたい方は、同じカテゴリの「AIの社内ルール(利用規定・ガイドライン)の作り方」もあわせてご覧ください。

よくある質問

このひな形は無料で使えますか?会社の規程としてそのまま使ってもよいですか?

はい、無料でダウンロードして、自社の規程として書き換えてお使いいただけます。会員登録やメールアドレスの入力も必要ありません。

従業員が5名ほどの小さな会社でも、規程を作る必要がありますか?

人数が少なくても、お客様の情報を扱う会社であれば作っておくことをおすすめします。小さな会社では、本文は簡単にして、別表1と別表2だけを決めて共有するところから始めても効果があります。

規程とガイドラインは何が違いますか?

一般に、規程は会社の正式な決まりとして守る義務がある文書で、ガイドラインは使い方の目安や推奨をまとめた文書です。このひな形は規程の形にしていますが、社内の位置づけに合わせて「ガイドライン」として使うこともできます。

社員が個人のスマホで生成AIを使うのは禁止すべきですか?

ひな形では、業務で使う場合は会社が契約したアカウントを使うことにしています。私物の機器で使う場合も規程の対象になることを第2条で明記しているので、会社のアカウントで使える環境を用意したうえで周知するのがおすすめです。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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