今日のご相談公開日

【今日のご相談】介護・行政向けサービスのスタートアップ(少人数):自動化ずみの営業メールの返信を増やしたい

結論

自動で送っている営業メールの返信を増やすには、送る数を増やすよりも、相手の業種や事業内容を踏まえて1社ごとに文面を書き分けることが近道で、これはAIで実現できます。見込みのある企業を公開情報から毎日集めて点数を付ける仕組みも、当社が自社の営業で実際に使っている内容です。ただし今回の会社はすでにAIの活用がかなり進んでおり、研修で上乗せできる余地は限られる、という点も先方と一致した見方でした。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、介護・行政向けサービスのスタートアップからいただいた「自動化ずみの営業メールの返信を増やしたい」というご相談について解説します。今回ご相談いただいたのは、介護施設や行政向けにサービスを営業している、少人数のスタートアップです。当社からのご案内をきっかけに、ほかの会社の事例や、AIでさらに活用できる点を知りたいと話を聞いてくださいました。この会社はすでに、AIを使った営業リストの収集や、メール・問い合わせフォームからの自動送信を自分たちで進めていました。それでも返信が少ないという悩みがあります。この記事では、「すでにAIを使っている会社が、次に何をすればよいのか」というご相談の内容と、当社の回答を正直にお伝えします。

ご相談の内容:自動で送れているのに、返信が返ってこない

ご相談いただいたのは、介護施設や行政向けのサービスを営業している、少人数のスタートアップです。営業の担当者を何人も置ける体制ではないため、早い段階からAIや自動化の仕組みを取り入れていました。

すでにできていたのは、次のようなことです。

  • 営業リストの収集:AIを使って、営業先の候補となる企業や施設の情報を集めている
  • メール・問い合わせフォームからの自動送信:集めたリストに向けて、毎日まとまった数の営業メッセージを自動で送っている

一方で、悩みになっていたのが返信の少なさです。送り先の多くは会社の代表アドレスや問い合わせフォームといった「窓口」で、決める立場の人に届く前に読まれずに終わってしまうことが少なくありません。数は送れているのに、商談につながる返信がなかなか増えない、という状態でした。

情報収集としてのご相談

今回は、具体的な仕組みの発注を前提にしたご相談ではなく、AI研修を検討するうえでの情報収集として話を聞いてくださいました。ほかの会社でAIがどう使われているのか、自分たちがまだ使えていない部分はどこか、を知りたいというのが出発点です。

AIでやりたいこと:営業メールの返信を増やすことと、アプリ開発への活用

ご相談の中で挙がった「AIでやりたいこと」は次の2つです。

  1. メール・問い合わせフォームからの営業の改善:すでに自動で送れている営業メッセージの返信を増やしたい
  2. アプリ開発へのAIの活用:関心はあるものの、まだ具体的な接点がない

1つめは、自動化そのものはできていて、その先の「中身」をどうするかという悩みです。2つめは、関心の段階で、どんなアプリを作りたいかという具体的な題材はまだ出ていませんでした。

当社の回答:できること・工夫が要ること・判断できなかったこと

当社の判断は次のとおりです。

やりたいこと判定理由・条件
営業メールの文面を相手ごとに書き分ける〇できる業種ごと、さらに1社ごとの事業内容を踏まえて文面を作り分けることは、当社が自社の営業で実際に運用している内容です
見込みのある企業の自動収集と点数付け〇できるホームページ・新着のお知らせ・求人などの公開情報から見込み企業を毎日集め、点数を付けて優先順位をつける仕組みも、当社で実際に動かしています
研修でAIの活用をさらに上乗せする△工夫すればできる先方はすでにAIでのリスト収集や自動送信をかなり進めており、研修で上乗せできる余地は限られる、と先方ご自身も感じていました
アプリ開発へのAIの活用今回は判断できずどんなアプリを作りたいかという具体的な題材が出ていないため、できる・できないを判断する材料がありませんでした

ポイント

「すでにAIを使っている会社」にとって、研修の価値は一律ではありません。自分たちで進められている部分が多いほど、研修で新しく得られることは少なくなります。今回は、その点を隠さずにお伝えしました。

進め方の提案:送る数より、1通ごとの中身を変える

当社からは、次のような考え方と事例をお伝えしました。

  1. 文面を業種別に分ける:まずは送り先の業種ごとに、相手の業界で起きている困りごとに合わせた文面を用意する。当社自身の営業でも、業種別の文面に切り替えたところで反応が大きく変わった経験をお話ししました
  2. さらに1社ごとに書き分ける:相手のホームページなどから事業内容を読み取り、「なぜ御社に連絡したのか」が伝わる一文を入れる。この「調べて書く」作業はAIが得意とするところです
  3. 送る先を選んでから送る:公開情報から見込みのある企業を毎日集め、点数を付けて、反応が見込める相手から優先して連絡する仕組みを事例として紹介しました

窓口に届く営業メッセージは、読む人にとって「自分に関係があるか」がひと目でわからなければ、すぐに閉じられてしまいます。数を増やすより、1通ごとに相手に関係のある中身にすることが、返信を増やす近道だというのが当社の考えです。

アプリ開発へのAIの活用については、作りたいものの具体的な題材が出てきた段階で、改めて検討することになりました。

同じ悩みを持つ会社へ:自動化の次は「中身」と「相手選び」を見直す

営業の自動化を自分たちで進めてきた会社ほど、「送れているのに返ってこない」という壁に当たりやすくなります。今回のご相談から言えることは次のとおりです。

  • 自動で送れること自体は出発点で、返信を左右するのは文面の中身
  • 業種別、さらに1社ごとに事業内容を踏まえた文面にすると、相手に「自分ごと」として読んでもらいやすい
  • 送る前に、見込みのある相手を選んで優先順位をつけることも大切
  • すでにAIを使えている会社は、研修よりも「足りない部分だけ」を補うほうが合う場合がある

自動化ずみの営業を見直すときのチェックリスト

  • すべての送り先に、同じ文面を送っていないか
  • 文面の中に、相手の会社について触れた一文があるか
  • 送り先を、反応が見込める順に並べているか
  • どの文面・どの業種で返信があったかを記録しているか
  • 自社でできている部分と、外の力を借りたい部分を分けているか

営業メールの送り方には、法令で定められたルールがある場合があります。送信前の同意や、配信停止の方法の表示などについては、最新の情報を公式サイトで確認してください。

よくある質問

営業メールを自動で送っているのに返信が来ないのはなぜですか?

送り先が会社の代表アドレスや問い合わせフォームなどの窓口だと、決める立場の人に届く前に読まれずに終わることが多いためです。相手に関係のある中身だとひと目でわかる文面にすることが大切です。

営業メールの文面をAIで1社ごとに変えることはできますか?

できます。相手のホームページなどから事業内容を読み取り、業種や会社に合わせた文面の下書きをAIに作らせる方法があり、当社も自社の営業で実際に使っています。

すでにAIを使っている会社でも、AI研修を受ける意味はありますか?

自分たちで進められている部分が多いほど、研修で新しく得られることは少なくなります。できている部分と足りない部分を分けて、足りない部分だけを補う形を検討するのがおすすめです。

アプリ開発にもAIは使えますか?

使える場面はありますが、どんなアプリを作りたいかによって判断が変わります。作りたいものの具体的な題材が決まってからご相談いただくと、できる・できないを正確にお伝えできます。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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