今日のご相談公開日

【今日のご相談】運送業:LINEで届く配送依頼の手入力と配車連絡を自動化したい

結論

配送依頼の自動入力、ドライバーへの自動通知、完了報告からの料金計算は、業務用のLINEサービスに切り替え、依頼や報告を決まった形のフォームで受け付けることを前提に実現できます。個人のLINEは外部の仕組みとつなげられないため、荷主やドライバーにも切り替えてもらうことが条件です。ドライバーの位置を把握して自動で選ぶ仕組みは、今回は見送りとお伝えしました。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、運送業の会社からいただいた「LINEで届く配送依頼の手入力と配車連絡を自動化したい」というご相談について解説します。今回ご相談いただいたのは、配送と配車を行う運送会社です。配車を担当しているのは1人で、荷主からの依頼の受け付けからドライバーの手配、料金の計算までをすべてこなしており、運転中にスマホで作業せざるを得ない状態でした。この記事では、当社がどう回答したかを、難しい点も含めて正直にお伝えします。

ご相談の内容:配車担当1人が依頼の受付から計算まで抱えている

ご相談いただいたのは、荷主から依頼を受けて配送を行う運送会社です。案件は1日数十件、繁忙期にはさらに増えます。その配車管理を、担当者1人が担っています。

現在の流れは次のとおりです。

  1. 荷主から配送の依頼が届く(大半は担当者の個人LINE)
  2. 担当者が依頼内容を読み取り、スプレッドシートに手で入力する
  3. ドライバーを決めて、個別に連絡する
  4. ドライバーから走行距離や完了写真、伝票の写真が届く
  5. 距離に応じて単価が上がる料金表をもとに、料金を計算する
  6. 月末に、荷主ごとの請求とドライバーごとの支払いを集計する

課題は次のとおりです。

  • 依頼の読み取りと入力がすべて手作業で、件数が増えると追いつかない
  • 担当者自身も運転しており、運転の合間にスマホで作業している
  • 1人のドライバーが複数の荷主の案件をまとめて回ることがあり、請求と支払いの計算が複雑になる

なお、スプレッドシートは荷主とのデータ共有にも使っているため、形式は変えたくないというご要望もありました。

AIでやりたいこと:入力・連絡・料金計算の自動化

ご相談の中で挙がった「AIでやりたいこと」は次の4つです。

  1. 配送依頼の自動入力:LINEで届く荷主からの依頼を、スプレッドシートに自動で入力したい
  2. ドライバーへの自動通知:スプレッドシートでドライバーを選ぶと、そのドライバーにLINEで自動連絡が届くようにしたい
  3. 完了報告の受け取りと料金の自動計算:走行距離・完了写真・伝票写真を受け取り、距離に応じた単価で料金を自動計算したい
  4. 複数荷主の案件をまとめた場合の計算:1人のドライバーが複数の荷主の案件を回ったときの、荷主別の請求とドライバーへの支払いを計算したい

ご相談の入口は「AIの研修」でしたが、伺ってみると内容は業務の仕組みづくりそのものでした。こうしたケースは珍しくありません。

当社の回答:できること・工夫が要ること・難しいこと

ご相談の内容に対する当社の判定は次のとおりです。

やりたいこと判定理由・条件
配送依頼の自動入力△工夫すればできる個人のLINEは外部の仕組みとつなげる窓口(API)が公開されていないため、そのままでは連携できない。業務用のLINEサービスへの切り替えと、荷主側の協力が前提
ドライバーへの自動通知〇できる業務用のLINEサービスに切り替えれば、スプレッドシートのチェック欄に印を付けるだけで通知できる
完了報告と料金の自動計算〇できる完了報告をフォームにすれば、距離に応じた料金はスプレッドシートの関数で自動計算できる
複数荷主をまとめた請求・支払い計算△工夫すればできる計算のルールをすべてパターンとして整理できれば対応可能。スプレッドシートで難しければ、見た目が近い専用の画面を作ることも検討する
ドライバー選びの自動化×難しい誰がどこにいるかを把握する仕組みがないため、今回は見送り。位置情報(GPS)との連携は将来の課題

ポイント

自由な文章で届く依頼をAIに読み取らせると、読み違いが起きることがあります。LINEの中に決まった形の入力フォームを用意して依頼を受け付けると、AIの解釈ミスを減らしながら自動入力できます。

進め方の提案:LINEの切り替えとフォーム化から始める

当社からは、次の順番で進めることをご提案しました。

  1. 業務用のLINEサービスに切り替える:外部の仕組みとつなげられる業務用のLINEに切り替え、荷主とドライバーにも移ってもらう
  2. 依頼を決まった形のフォームで受け付ける:LINEのメニューから開ける入力フォームを用意し、届いた依頼をスプレッドシートに自動で書き込む
  3. ドライバーへの通知を自動にする:スプレッドシートのチェック欄で担当ドライバーを選ぶと、そのドライバーに自動で連絡が届くようにする
  4. 完了報告もフォームにする:走行距離や写真をフォームで受け取り、料金は関数で自動計算する
  5. 月末の集計は今の形を残す:荷主との共有に使っているスプレッドシートの形式と、請求・支払いの集計の流れは変えない

今の仕組みを大きく変えず、手入力と連絡の部分だけを置き換えることで、担当者と荷主・ドライバーの負担を抑えながら移行できます。

同じ悩みを持つ会社へ:LINEで受けている業務を自動化するには

LINEで依頼や報告を受けている会社は、運送業に限らず、工事・清掃・訪問サービスなど幅広い業種にあります。手軽で取引先も使い慣れている一方、個人のLINEのままでは外部の仕組みとつなげられないという落とし穴があります。

自動化を考えるときは、AIの性能よりも先に、「どこで受け付けるか」「どんな形で受け付けるか」を整えることが近道です。

LINEで受けている業務を自動化する前に確認すること

  • 依頼や報告を受けているのは、個人のLINEか業務用のLINEか
  • 取引先や現場スタッフに、受付窓口の切り替えをお願いできるか
  • 依頼に必ず入れてほしい項目(日時・場所・荷物など)を決められるか
  • 料金や支払いの計算ルールを、例外も含めて書き出せるか
  • 取引先と共有している表など、変えられない形式はあるか
  • 位置情報の把握など、今は見送ってよいものを分けられているか

当社では、今の業務の流れを伺ったうえで、変えるところと残すところを一緒に整理しています。手入力や連絡に追われている会社は、お気軽にご相談ください。

よくある質問

個人のLINEに届いたメッセージをAIで自動入力できますか?

個人のLINEは外部の仕組みとつなげる窓口が公開されていないため、自動入力はできません。業務用のLINEサービスに切り替えることが前提になります。

取引先に新しいアプリを入れてもらう必要がありますか?

受付窓口が業務用のLINEサービスに変わるため、取引先やドライバーへの切り替えのお願いは必要です。どの案内をいつ出すかまで含めて計画しておくと、移行がスムーズになります。

距離によって単価が変わる料金も自動で計算できますか?

料金表のルールが決まっていれば、スプレッドシートの関数で自動計算できます。例外のルールも含めて書き出しておくことが大切です。

ドライバーの割り当てもAIに任せられますか?

誰がどこにいるかを把握する仕組みがないと、自動で選ぶのは難しくなります。まずは人が選び、通知を自動にする形から始めるのが現実的です。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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