今日のご相談公開日

【今日のご相談】飲食業(店舗とネット通販):通販の注文受付・お客様への返信・発送連絡をAIで自動化したい

結論

ネット通販の注文データを、通販サービスが用意している連携の仕組み(API)で取り出し、注文の一覧や確認画面をつくる方法なら、注文受付・返信・発送連絡の手間を減らす道筋はあります。ただし、通販の仕組みづくりは難易度が高く、AIの知識があるエンジニア寄りの人が担うのが望ましいため、当社の判定は「△工夫すればできる」です。また、実際に通販を運用している方が社外の業務委託の方だったため、社員向けの研修ではなく、継続して相談できる形の支援を代わりにご提案しました。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、店舗運営とネット通販を行う飲食業の会社からいただいた「通販の注文受付・お客様への返信・発送連絡をAIで自動化したい」というご相談について解説します。今回ご相談いただいたのは、飲食店の運営とネット通販を行っている会社です。企画書の作成やセミナーの録音のまとめといった事務の仕事では、すでにAIを使っています。一方で、飲食店の現場の仕事にはAIを当てはめにくいと感じており、これから伸ばしたいネット通販の業務でAIを活用できないか、というのがご相談のきっかけでした。この記事では、ご相談の内容と当社の回答を、条件が付く点や難しい点も含めて正直にお伝えします。

ご相談の内容:通販を強化したいが、注文まわりの対応は手作業のまま

ご相談いただいたのは、飲食店の運営を中心に、ネット通販も手がけている会社です。現場(店舗)が中心の会社で、通販の運用は、社外の業務委託の方が担当し始めたばかりという段階でした。

状況を整理すると、次のとおりです。

  • 企画書の作成や、セミナーの録音のまとめなど、事務の仕事ではすでにAIを使っている
  • 飲食店の現場の仕事にAIを当てはめるのは難しいと感じている
  • 通販を強化するため、通販サイトの仕組み(カートの仕組み)を別のものに移している最中
  • 注文の受け付け、お客様への返信、発送のお知らせといった注文まわりの対応を、自動にしたい

通販を伸ばしていくと、注文が増えるほど、確認・返信・発送連絡の手間も比例して増えていきます。仕組みを移すこのタイミングで、注文まわりの対応をどこまで自動にできるかを知りたい、というのがご相談の中心でした。

AIでやりたいこと:通販の注文受付・お客様への返信・発送連絡の自動化

ご相談の中で挙がった「AIでやりたいこと」は、通販と受発注まわりの業務の自動化です。具体的には次の3つです。

  1. 注文の受け付け:入ってきた注文を確認し、処理を進める作業
  2. お客様への返信:注文や問い合わせに対する返信
  3. 発送のお知らせ:商品を発送したことをお客様にメールで知らせる作業

いずれも、1件ずつは短い作業ですが、注文が増えると担当者の時間を大きく取られます。とくに通販を任せている方が社外の業務委託の方の場合、作業量が増えるほど、依頼の範囲や費用の見直しにもつながります。

当社の回答:できること・工夫が要ること・難しいこと

当社からは、2つの方向性をご提案しました。1つは、通販サービスが外部とデータをやり取りするために用意している連携の仕組み(API)を使って注文データを取り出し、注文の状況を一覧で確認できる画面(ダッシュボード)のアプリをつくる方法です。もう1つは、AIを使って通販のカートの仕組みそのものを自社でつくる方法です。判断は次のとおりです。

やりたいこと判定理由・条件
注文データを取り出し、一覧で確認できる画面をつくる△工夫すればできる通販サービスの連携の仕組みを使って注文データを取り出す方法をご提案しました。仕組みづくりには一定の技術的な知識が必要です
注文受付・返信・発送連絡の自動化△工夫すればできる通販まわりの仕組みづくりは難易度が高く、AIの知識があるエンジニア寄りの人が担うのが望ましいとお伝えしました
カートの仕組みそのものをAIで自社構築する△工夫すればできる方法としてはご提案しましたが、つくった後の運用も含めて、技術的な知識のある担い手が必要です
飲食店の現場の仕事へのAIの活用×難しい(ご相談者の認識)ご相談者からは、現場の仕事にAIを当てはめるのは難しいというお考えを伺いました。今回の打ち合わせでは、現場の業務について深くは検討していません

ポイント

今回は「〇できる」と言い切れる項目はありませんでした。技術的な道筋はあっても、つくる人と、つくった後に運用し直す人がいなければ、仕組みは定着しません。誰が担うかが、実現できるかどうかを左右するご相談でした。

「誰が担うか」が大きな論点になった

もともとのご相談は、通販の担当の方にAIの使い方を身につけていただく研修の形でした。しかし、社員向けの研修では、実際に通販を運用している社外の業務委託の方が受講の対象に入りません。学んだ人と、実際に仕事をする人が別になってしまうと、研修の効果は業務に届きにくくなります。

そこで当社からは、研修の代わりに、困ったときに継続して相談できる顧問のような形で支援する案をお伝えしました。

進め方の提案:担い手を決め、通販の仕組みの移行に合わせて進める

ご相談の内容を踏まえて、次のような順番で考えることをご提案しました。

  1. 担い手を決める:通販の仕組みづくりと、その後の運用を誰が担うかを先に決める。社外の業務委託の方が担う場合は、その方が相談できる体制を用意する
  2. 仕組みの移行が落ち着くのを待つ:通販サイトの仕組みを移している最中のため、移行先の仕組みでどんなデータが取り出せるかを確かめてから進める
  3. 注文データの見える化から始める:連携の仕組みで注文データを取り出し、注文の状況を一覧で見られる画面をつくる
  4. 返信・発送連絡の自動化に広げる:一覧の仕組みが安定したら、お客様への返信や発送のお知らせの自動化に進む
  5. 継続して相談できる形で支える:研修の代わりに、運用しながら相談できる顧問のような支援で、つまずいたところをその都度解決する

仕組みを移している途中で自動化を先に作り込むと、移行先の仕様に合わせて作り直しになるおそれがあります。データの取り出し方が決まってから進めるほうが、無駄が少なくなります。

同じ悩みを持つ会社へ:通販の自動化は「仕組み」と「担い手」をセットで考える

店舗とネット通販の両方を運営している会社は、事務の仕事ではAIを使えても、現場と通販の仕事にはなかなか広げられないことがあります。今回のご相談から言えることは次のとおりです。

  • 通販の注文まわりの自動化は、通販サービスの連携の仕組みでデータを取り出せるかが出発点になる
  • 仕組みづくりの難易度は高めで、技術的な知識のある担い手が要る
  • 実際に運用している人が社外の方の場合、研修よりも継続して相談できる形の支援のほうが合うことがある
  • 通販の仕組みを移す時期は、移行先で何ができるかを確かめてから自動化を進める

通販の注文まわりの自動化を相談する前に確認すること

  • 使っている(または移行先の)通販サービスで、注文データを外に取り出す方法があるか
  • 注文の受付・返信・発送連絡のうち、いちばん時間がかかっているのはどれか
  • 通販の運用を担っているのは社員か、社外の方か
  • 仕組みをつくった後、誰が運用し、困ったときに誰に相談するか
  • お客様への返信のうち、自動で送ってよいものと、人が確認してから送るものの区別

当社の「AI社員」は、会社ごとの業務に合わせてAIの仕組みを作り、運用まで支える月額のサービスです。料金は初期費用+月5万円で、保守・相談・メンテナンスは回数の制限なくご利用いただけます。初期費用はヒアリング後にお見積もりします。通販の注文対応でお困りでしたら、今の業務の流れをお聞きしたうえで、どこから手をつけるのが現実的かを一緒に整理します。

よくある質問

ネット通販の注文受付や発送のお知らせは、AIで自動化できますか?

通販サービスの連携の仕組み(API)で注文データを取り出せれば、自動化の道筋はあります。ただし仕組みづくりの難易度は高めで、技術的な知識のある担い手が必要です。

通販サイトの仕組みを移している途中でも、相談できますか?

相談はできます。ただ、移行先の仕組みでどんなデータが取り出せるかで作るものが変わるため、自動化の作り込みは移行が落ち着いてから進めるのがおすすめです。

通販の運用を社外の業務委託の方に任せています。研修を受けるべきですか?

社員向けの研修だと、実際に運用している社外の方が対象に入らないことがあります。その場合は、運用しながら継続して相談できる形の支援のほうが合うことがあります。

飲食店の現場の仕事にもAIは使えますか?

今回のご相談では、現場の仕事への活用は難しいというご相談者のお考えを伺い、深くは検討していません。今回は、すでにAIを使っている事務の仕事に続いて、通販の業務への活用を中心にご相談いただきました。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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