今日のご相談公開日

【今日のご相談】スクール運営:保護者からの問い合わせ対応と、申し込みメールの見落としをAIで防ぎたい

結論

保護者からのメールの問い合わせは、AIが届いたメールを読み込んで回答案を作り、担当者が確認してから送る仕組みで返信の遅れを減らせます。申し込みの見落としは、申し込みメールが届いた瞬間に社内チャットへ通知する仕組みで防げ、ご相談先もこれが最も効果的だと評価されていました。受講生・保護者向けのチャットボットも作れますが、ホームページに組み込む場合はサーバーへの設置が必要になるため、条件付きでご提案しました。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、スクール運営の会社からいただいた「保護者からの問い合わせ対応と、申し込みメールの見落としをAIで防ぎたい」というご相談について解説します。今回ご相談いただいたのは、スクールを運営している会社です。新しく子ども向けの部門を立ち上げるにあたり、保護者からの問い合わせが増え、返信が追いつかなくなっていました。さらに、申し込みのメールに気づくのが遅れ、申し込みを取りこぼしてしまうことも課題になっていました。少人数で教室を回しているスクールや習い事の教室では、よく聞くお悩みです。この記事では、ご相談の内容と、当社がどこまでできると回答したかを、条件付きの点も含めて正直にお伝えします。

ご相談の内容:問い合わせも申し込みも同じメールに届き、返信と確認が追いつかない

ご相談いただいたのは、スクールを運営している会社です。これまでの事業に加えて、子ども向けの部門を新しく立ち上げている最中でした。会社の人数は伺っていません。

子ども向けの部門では、受講するのはお子さんでも、問い合わせや申し込みをするのは保護者です。保護者からは、授業の内容、日程、持ち物、料金、振替の可否など、さまざまな質問が届きます。現在は、こうした問い合わせがすべて会社のメールに直接届き、担当者が1通ずつ読んで返信しています。

お困りの点は、大きく次の2つでした。

  • 問い合わせへの返信が追いつかない:部門の立ち上げで問い合わせが増え、授業や準備の合間に返信を書く時間が足りない
  • 申し込みのメールに気づかない:問い合わせも申し込みも同じメールに届くため、申し込みが埋もれてしまい、気づくのが遅れる

特に2つ目は、売上に直接つながる問題です。申し込みをした保護者からすると、返事がないまま何日もたつと不安になり、ほかの教室を選んでしまうかもしれません。立ち上げ期のスクールにとって、1件の申し込みを取りこぼすことの重みは小さくありません。

ポイント

問い合わせと申し込みが同じ受信箱に混ざっていると、「急いで対応すべきメール」と「あとで返せばよいメール」の区別がつきにくくなります。返信を速くすることと、大事なメールを見落とさないことは、別の課題として考える必要があります。

AIでやりたいこと:返信の下書き、申し込みの見落とし防止、保護者向けチャットボット

ご相談の中で挙がった「AIでやりたいこと」は次の3つです。

  1. 保護者からの問い合わせ対応の自動化:メールで届く質問に、AIで返信できるようにしたい
  2. 申し込みの見落とし防止:申し込みのメールが届いたら、すぐに気づけるようにしたい
  3. 受講生・保護者向けのサポートチャットボット:よくある質問に、メールを待たずにその場で答えられるようにしたい

3つとも「保護者を待たせない」という同じ目的につながっています。ただし、仕組みとしては、届いたメールに返信する仕組み、届いたことを知らせる仕組み、保護者が自分で質問できる窓口という、それぞれ別のものです。当社では、3つを1つの大きな仕組みとして作るのではなく、やりたいことごとに分けて、できること・条件があることを整理してお伝えしました。

なお、当社はご相談の前に、ご相談先向けのチャットボットの試作(デモ)を用意してお見せしました。資料を読み込ませて質問に答え、答えられない質問は担当者に引き継ぐという動きを、実際の画面で確かめていただくためです。

当社の回答:メールの回答案と申し込み通知は〇、チャットボットの設置は条件付き

ご相談の内容に対する当社の判定は次のとおりです。

やりたいこと判定理由・条件
保護者からの問い合わせメールへの回答案づくり〇できる届いたメールをAIが読み込み、授業や料金などの資料をもとに回答案を作る。担当者が確認・承認してから送る流れにも、決まった質問だけ自動で送る流れにもできる
申し込みメールの見落とし防止〇できる申し込みのメールが届いた瞬間に、社内チャットへ通知する。ご相談先はこれが最も効果的だと評価された
社内チャットからAIに指示を出す〇できる社内チャットにAIを常駐させ、指示を書き込むと動く形にもできる
受講生・保護者向けのチャットボット△工夫すればできる資料をもとに答え、答えられない質問は担当者に引き継ぐ形で作れる。ただし、ホームページに小窓で表示する形にする場合は、サーバーへの設置が必要になる

回答案は「担当者が確認してから送る」を基本にする

保護者への返信は、内容を間違えると信頼を損ねやすいものです。たとえば、日程や料金、振替のルールを誤って伝えると、あとで訂正が必要になります。そのため当社では、最初はAIが作った回答案を担当者が確認し、問題がなければ承認して送る流れをご提案しました。返信の文章を一から書く時間がなくなるだけでも、返信までの時間は大きく縮まります。

運用に慣れて、「この種類の質問なら毎回同じ答えでよい」というものがはっきりしてきたら、その質問だけを自動で送る形に広げることもできます。

チャットボットは、答えられない質問を人に引き継ぐ

チャットボットは、授業の案内やよくある質問などの資料をもとに答えます。資料に書いていない質問には無理に答えず、管理画面を通じて担当者に引き継ぎます。保護者とのやり取りの記録は管理画面に残るため、どんな質問が多いのか、どこで答えられなかったのかを後から確かめられます。

進め方の提案:効果の大きい申し込み通知から始め、回答案、チャットボットの順に広げる

当社からは、次の順番で進めることをご提案しました。

  1. 申し込みメールの即時通知から始める:仕組みが比較的シンプルで、取りこぼしの防止という効果がすぐに出る。まずここで「見落とさない」状態を作る
  2. 問い合わせメールの回答案づくりを加える:授業の内容、日程、料金、持ち物、振替のルールなど、回答のもとになる資料を整理し、AIに読み込ませる。最初は担当者が確認してから送る
  3. チャットボットで、メールが来る前に答える:メールで多かった質問をもとにチャットボットを用意し、保護者が自分で答えを見つけられるようにする。設置する場所(ホームページに組み込むかどうか)は、サーバーの状況を見て決める
  4. 手順書を残し、ほかの業務にも使い回す:作り方の手順書をお渡しし、似た仕組みを社内で別の業務にも広げられるようにする

今回のご相談では、研修の形で一緒に仕組みを作り、手順書もお渡しする進め方をお話ししました。研修の時間内に仕上がらなかった部分は当社が裏側で補いますが、あくまで研修として一緒に作る進め方であることも、あらかじめお伝えしています。

ポイント

3つを一度に作ろうとすると、資料の準備や確認の手間が重なり、立ち上げ期の忙しい時期には負担になります。「見落とさない」→「速く返す」→「そもそも聞かれる前に答える」の順に積み上げると、無理なく進められます。

同じ悩みを持つスクール・教室へ:問い合わせと申し込みを取りこぼさないために

「問い合わせはメールで受けていて、気づいたら申し込みを見落としていた」というお悩みは、少人数で運営しているスクールや習い事の教室、塾などで広く見られます。授業をしながらメールを見張り続けるのは難しく、人の注意力だけに頼るには限界があります。

今回のご相談から見えたポイントは次のとおりです。

  • 返信を速くすることと、申し込みを見落とさないことは、別の仕組みで解決する
  • 申し込みは、届いた瞬間に担当者が気づける通知の仕組みを先に作る
  • 保護者への返信は、最初はAIの回答案を人が確認してから送る
  • チャットボットは、答えられない質問を人に引き継ぐ前提で作る

保護者対応にAIを使う前に確認すること

  • 問い合わせと申し込みが、同じ受信箱に混ざって届いていないか
  • 申し込みのメールは、件名や送り元などで見分けられるか
  • 授業の内容・日程・料金・持ち物・振替のルールが、資料にまとまっているか
  • 回答案を確認して送る担当者を決められるか
  • 社内の連絡に使っているチャットはあるか(通知の送り先にできるか)
  • チャットボットをホームページに置く場合、サーバーに設置できるか

当社では、メールの回答案づくりや申し込みの通知のように、すぐに効果の出るところから一緒に仕組みを作っています。保護者対応や申し込みの管理でお困りのスクール・教室の方は、お気軽にご相談ください。

よくある質問

保護者への返信をAIに任せて、間違った内容を送ってしまいませんか?

最初は、AIが作った回答案を担当者が確認してから送る流れにします。資料に書かれていない質問には無理に答えさせず、決まった答えでよい質問だけを、慣れてから自動で送る形に広げます。

申し込みのメールを見落とさないようにするには、どうすればよいですか?

申し込みのメールが届いた瞬間に、社内チャットへ通知する仕組みを作るのが効果的です。受信箱の中から申し込みを探す必要がなくなり、問い合わせに埋もれることも防げます。

スクールのホームページにAIチャットボットを置けますか?

置けます。ただし、ホームページに小窓で表示する形にする場合は、サーバーへの設置が必要になるため、ホームページの置き場所の状況を確かめてから進め方を決めます。

チャットボットが答えられない質問はどうなりますか?

無理に答えず、管理画面を通じて担当者に引き継ぎます。質問と回答の記録は管理画面に残るため、答えられなかった質問を資料に足していくことで、少しずつ答えられる範囲を広げられます。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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