介護事業所のシフト作成をAIで効率化する方法——管理者の負担を減らす進め方
結論
介護事業所のシフト作成は、AIに「希望休・資格・勤務条件を集めて整理する」「人員配置の基準を満たすシフト案を作る」「欠員時に代わりの候補を出す」までを任せ、最終判断を管理者が行う形にすると効率化できます。当社の介護(職員50名規模)の導入事例では、毎月のシフト作成が2日から半日になりました。
株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、介護事業所のシフト作成をAIで効率化する方法について解説します。介護事業所のシフト作成は、考える条件が多く、急な欠勤への対応も求められるため、管理者の時間を大きく取られる業務です。この記事では、AIで何をどこまで任せられるか、導入の手順、運用で気をつけることを説明します。
介護のシフト作成が難しい理由
介護事業所のシフトは、一般的な店舗やオフィスのシフトより考える条件が多くなります。
- 条件の多さ:職員ごとの希望休、保有資格、夜勤の回数、連続勤務の上限、相性など、同時に満たすべき条件が多い
- 人員配置の基準:事業所の種類ごとに定められた人員配置の基準を、時間帯ごとに満たしているかを確認する必要がある
- 急な欠員:体調不良などで欠員が出るたびに、代わりに入れる職員を探して組み直す必要がある
これらを管理者が手作業で行うと、毎月まとまった時間がかかるうえ、確認漏れが起きやすくなります。
AIに任せられる3つの仕事
シフト作成でAIに任せられる仕事は、次の3つです。
- 条件の収集・整理:職員の希望休・資格・勤務条件を、フォームで集めて一覧に整理する
- シフト案の作成:人員配置の基準を満たすシフト案を、自動で作成する
- 欠員時の候補提示:欠員が出たときに、代わりに入れる職員の候補を条件に合わせて提示する
最終的なシフトの決定は管理者が行います。職員の事情や体調、チームの状況など、データに表れない判断は人が担うほうが安全だからです。
ポイント
希望休を紙やチャットで集めている場合は、まずフォームで集める形に変えるだけでも、整理の手間が大きく減ります。AIが条件を正しく読み取れる形にすることが、自動化の第一歩です。
導入事例:介護(職員50名規模)でシフト作成が2日から半日に
当社が支援した介護事業所(職員50名規模)では、毎月のシフト作成に管理者が丸2日かかりきりになっていました。職員の希望休・資格・夜勤の回数など考える条件が多いこと、人員配置の基準を毎回手作業で確認していたこと、急な欠勤のたびに組み直しが必要なことが課題でした。
AI社員(事務担当)を導入し、上の3つの仕事を任せた結果、毎月のシフト作成が2日から半日になりました。管理者はAIが作ったシフト案を確認・調整して確定するだけになり、空いた時間を現場や職員との面談に充てられるようになっています。
導入前に整理しておくこと
導入前のチェックリスト
- シフトのルール(夜勤の回数上限、連続勤務の上限、休憩の取り方など)を書き出す
- 時間帯ごとに必要な人数と資格の条件を整理する
- 希望休の締め切りと集め方を決める
- 例外的な配慮(特定の職員の勤務制限など)を誰が管理するか決める
ルールが管理者の頭の中にしかない状態では、AIは正しいシフト案を作れません。導入の過程でルールを書き出すこと自体が、属人化の解消にもつながります。
運用で気をつけること
人員配置の基準は人の目でも確認する
AIは条件に沿ってシフト案を作りますが、基準の解釈や制度の変更に対応しきれない場合があります。最終確認は管理者が行い、制度の変更があったときは条件を見直します。
職員への説明を丁寧に行う
シフトの作り方が変わることを職員に説明し、希望の出し方や締め切りを共有しておくと、導入後の混乱を防げます。
個人情報の扱いを決める
勤務条件や事情には個人的な情報が含まれます。入力したデータがAIの学習に使われないサービスや設定を選び、閲覧できる人を限定しておきます。
よくある質問
今使っている勤怠管理やシフトのソフトはそのまま使えますか?
多くの場合、今のソフトやシートを使ったまま、条件の整理とシフト案の作成部分をAIに任せる形にできます。連携の方法はソフトによって変わるため、ヒアリングで確認します。
AIが作ったシフトをそのまま使っても大丈夫ですか?
最終確認は管理者が行うことをおすすめします。職員の体調や事情など、データに表れない判断は人が担うほうが安全です。
急な欠勤にもすぐ対応できますか?
欠員が出たときに、条件を満たす代わりの職員の候補をAIが提示する仕組みにできます。最終的に誰に依頼するかは管理者が判断します。
小規模な事業所でも効果はありますか?
職員数が少なくても、条件が多く毎月の作成に時間がかかっている場合は効果が出やすい業務です。まずは今の作成時間と条件を伺い、任せられるかどうかを判断します。