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スライド作成をAIで効率化するには?——構成案・1枚ごとの文言・図表から社内テンプレートへの流し込みまでの分担と手順

結論

スライド作成をAIで効率化するには、「構成案→1枚ごとの文言→図表の案→社内テンプレートへの流し込み」をAIに任せ、人は「誰に何を決めてもらう資料か」という目的と、数字や事実の確認、最後の見せ方の調整を受け持つ分担にするのが近道です。スライド作成で時間がかかるのは中身を考えることより、文字を削る・図を作る・体裁をそろえる作業なので、ここをAIに任せると効果が大きくなります。毎月同じ形の報告資料は、元データ(Excelや議事録)から社内テンプレートに自動で流し込む仕組みにすると、作る作業そのものを「確認するだけ」に近づけられます。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、社内会議・営業・報告のスライド(プレゼン資料)作成をAIで効率化する方法と、AIと人の分担について解説します。週明けの会議資料、月末の報告スライド、来週の営業の説明資料。スライドは中身が決まっていても、1枚ずつ文字を削り、図を作り、フォントや色をそろえているうちに半日が過ぎてしまいます。部下に任せると体裁がばらばらになり、結局、管理職が直すことになる。そんな状況に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。最近は「スライド作成 AI」で調べると、文章を入れるだけでスライドができるという話も目にします。ただ、実際の業務で使うには、社内のテンプレートに合わせられるか、数字は正しいか、といった点が気になるはずです。この記事では、スライド作成AIに任せられる工程と人が決める工程の分け方、構成案から仕上げまでの手順、社内テンプレートへの流し込みと元データからの作成、会議・営業・報告ごとの使い分け、そして導入前の注意点を説明します。提案書や企画書の中身の作り方ではなく、「スライドという形にする作業」に絞ってお伝えします。

スライド作成に時間がかかるのは、中身を考えるより「形にする作業」が多いから

スライド作成の時間を工程ごとに分けてみると、言いたいことを考える時間よりも、それをスライドの形に直す時間のほうが長いことがほとんどです。文章で書けば数行で済む内容でも、スライドにするには「1枚に1つのメッセージに分ける」「箇条書きを短くする」「数字をグラフにする」「テンプレートの位置に収める」といった作業が必要になります。

工程やること時間がかかる理由
構成を決める何枚で、どの順番で話すかを決める白紙から考えると迷いやすい
1枚ごとの文言見出しと箇条書きを書く長い文章を短く削る作業が地味に重い
図表を作る数字をグラフや表にする、流れを図にする元データからの転記と、図の形を選ぶ手間
デザインを整えるフォント・色・位置をそろえる1枚ずつ手で直すことになりやすい
見直す数字・誤字・話の流れを確認する直すたびに体裁が崩れ、また整える

表のうち、AIが得意なのは「構成を決める」「1枚ごとの文言」「図表の案」「テンプレートに合わせる」の部分です。いずれも、材料と決まりごとがあれば、ある程度の型どおりに作れる作業だからです。反対に「誰に向けて、何を決めてもらう資料か」を決めることや、数字が正しいかを確かめることは、人にしかできません。この切り分けを最初にしておくと、AIに任せたのに結局作り直す、ということが減ります。

スライド作成AIに任せる工程と、人が決める工程を分ける

スライド作成にAIを使うときは、工程ごとに「AIが案を出す」「人が決める・確かめる」を分けておきます。次の表がその目安です。

工程AIに任せること人が決めること・確かめること
目的と聞き手聞き手が気にしそうな点の洗い出し誰に、何を決めてもらう資料か
構成案枚数と順番、各スライドの見出し案話の順番が目的に合っているか
1枚ごとの文言見出し1行+箇条書き3〜5行への要約言いすぎ・言い足りない表現がないか
図表グラフの種類の提案、表の形への整理、流れ図の下書き数字が元データと合っているか
デザイン調整社内テンプレートへの流し込み、文字量の調整強調したい1枚の見せ方
発表の準備話す内容のメモ、想定される質問の候補本番で何を言い、何を言わないか

ポイントは、AIに「完成品」を求めず、各工程の「たたき台」を出させることです。構成案の段階で人が一度確かめてから文言に進む、というように工程ごとに区切ると、後から大きく作り直すことがなくなります。

ポイント

AIは、渡されていない数字や事実をそれらしく補ってしまうことがあります(ハルシネーションと呼ばれる間違い)。スライドに載せる数字・固有名詞・日付は、必ず人が元の資料と照らし合わせてください。

AIでスライドを作る手順——目的の1行から構成案、1枚ごとの文言、図表まで

AIを使ったスライド作成は、次の6つの手順で進めると、手戻りが少なくなります。

  1. 目的を1行で書く:「部長会で、来期の採用人数を2名増やす承認をもらう」のように、聞き手と決めてほしいことを書く
  2. 材料を渡す:議事録、メモ、Excelの集計、過去の同じ種類の資料など、スライドの元になるものをAIに渡す
  3. 構成案を出させる:「全8枚以内で、結論を2枚目に置く構成案を、各スライドの見出しつきで」と頼み、人が順番を直す
  4. 1枚ごとの文言を作らせる:決めた構成にそって「見出しは結論を言い切る1行、本文は箇条書き3〜5行、1行30字以内」のように条件をつけて書かせる
  5. 図表の案を出させる:数字のあるスライドは「どのグラフが伝わりやすいか」と、グラフ用に整理した表を出させる
  6. テンプレートに流し込み、人が仕上げる:社内のテンプレートに当てはめ、数字の確認と、強調したいスライドの見せ方を人が整える

指示文(プロンプト)に入れておきたい条件

AIへの指示の文章(プロンプト)に、毎回同じ条件を入れておくと、出来上がりがそろいます。部署で共通の指示文を1つ作っておくのがおすすめです。

  • 聞き手(役員・現場・お客様など)と、資料の目的
  • 枚数の上限と、結論を何枚目に置くか
  • 見出しは「結論を言い切る1行」にすること
  • 1枚あたりの箇条書きの行数と、1行の文字数の上限
  • 社内でよく使う言葉・使わない言葉(略語や言い換えの決まり)
  • 渡した材料にない数字や事実は書かず、「要確認」と残すこと

最後の条件は特に大切です。材料が足りないときにAIが数字を作らず「要確認」と残すようにしておけば、人が確かめるべき箇所がひと目でわかります。

社内テンプレートへの流し込みと、元データ(Excel・議事録)からの自動作成

スライド作成の手間をさらに減らせるのが、毎回同じ形で作る資料です。月次の報告、週次の営業会議、定例の進捗会議などは、テンプレートも載せる項目もほぼ決まっています。こうした資料は、AIに毎回一から作らせるのではなく、「元データから社内テンプレートに流し込む」仕組みにすると効果が大きくなります。

元データからスライドができるまでの流れ

  1. Excelの集計表、売上や案件の一覧、会議の議事録などの元データを決まった場所に置く
  2. AIが元データを読み、数字を集計し、前回との違いや目立つ変化を拾い出す
  3. 拾い出した内容をもとに、各スライドの見出しとコメントの案を書く
  4. 社内テンプレートの決まった位置に、数字・グラフ・コメントを流し込む
  5. 担当者が数字とコメントを確かめ、必要なところだけ直して完成させる

この形にすると、担当者の仕事は「作る」から「確かめて直す」に変わります。数字は元データから直接入るため、手で写すときの転記ミスも減らせます。

テンプレートへの流し込みを始める前のチェックリスト

  • 社内テンプレートが1つに決まっていて、古い版が出回っていない
  • 表紙・目次・本文・まとめなど、スライドの種類(レイアウト)ごとの使い分けが決まっている
  • 文字の大きさ、色の意味(強調は青など)、グラフの色の決まりがある
  • 元データの置き場所と、列の並び・項目名が毎回同じになっている
  • 毎回載せる項目と、その月だけ載せる項目が分けられている
  • 完成した資料を誰が確かめて、いつまでに出すかが決まっている

元データの形が毎回ばらばらだと、AIが読み違える原因になります。流し込みを始める前に、まず元データの形をそろえることが、遠回りに見えていちばんの近道です。経営会議向けの月次報告の中身(売上・粗利・資金繰りのコメント)の作り方は、「月次の経営会議資料をAIで作るには?」の記事でくわしく説明しています。

社内会議・営業・報告——資料の種類ごとにAIの使い方を変える

同じスライドでも、資料の種類によってAIに任せやすい部分は変わります。次の表を目安に、使い方を変えてみてください。

資料の種類AIに任せやすいこと人が特に確かめること
社内会議の資料議事録やメモからの論点整理、選択肢の比較表決めてほしいことが1枚目か2枚目にあるか
営業の説明資料お客様の業種に合わせた言い換え、事例スライドの文言の整理価格・納期・効果の約束にあたる表現
月次・週次の報告元データからの集計、前回比のコメント案、テンプレートへの流し込み数字が元データと合っているか、原因の書き方
研修・説明会の資料マニュアルからの要点抜き出し、図解の下書き、確認問題手順や決まりが最新か

営業資料は「中身」と「スライドにする作業」を分けて考える

営業の提案では、お客様ごとの課題や提案内容、価格をどう決めるかといった「中身」が大切です。中身の考え方は「営業の提案書・企画書をAIで作るには?」の記事で説明しています。この記事で扱うのは、決まった中身を、見やすいスライドに直す作業です。たとえば、提案書の文章をもとに「10枚以内のスライドに分け、各スライドの見出しを結論の1行にする」とAIに頼めば、文章の提案書とスライドの説明資料を別々に作る手間が減ります。

社内会議の資料は「短く」が効く

社内会議の資料は、枚数が多いほど議論がぼやけます。AIに「5枚以内で」「決めてほしいことを1枚目に」と条件をつけると、作る側の時間も、読む側の時間も短くなります。管理職が部下の資料を見るときも、AIに「この資料の結論と、足りない情報を3つ挙げて」と聞けば、確認の時間を減らせます。

スライド作成AIを業務で使う前に確認したいことと、始め方

スライド作成にAIを使うときは、次の点を先に決めておくと安心です。

導入前に確認したいこと

  • お客様の情報や社外秘の数字を、どのAIサービスに入れてよいかが社内で決まっている
  • 入力した内容がAIの学習に使われない設定・契約になっているかを確かめている
  • AIが作った図や画像を社外向け資料に使うときの確認の手順がある
  • スライドに載せる数字・日付・固有名詞は、必ず人が元資料と照らし合わせる決まりがある
  • 社内テンプレートと、部署で使う共通の指示文が用意されている

画像を生成するAIで作った図やイラストを社外向けの資料に使う場合は、既存の作品に似ていないかなど、権利の面にも注意が必要です。社内の取り扱いが決まっていない場合は、まず社内向けの資料から使い始めるとよいでしょう。

始める順番

  1. 毎月・毎週作っている資料を1つ選ぶ:形が決まっていて、作る回数が多いものほど効果が出やすい
  2. 今かかっている時間を測る:構成・文言・図表・体裁のどこに時間がかかっているかを書き出す
  3. 指示文とテンプレートをそろえる:部署で共通の指示文を1つ作り、テンプレートを決める
  4. 2〜3回試して直す:AIの出した案と、人が直した箇所を見比べ、指示文に反映する
  5. 元データからの流し込みに広げる:形が安定したら、元データからテンプレートへ自動で流し込む仕組みにする

汎用のスライド作成AIでも、構成案や文言づくりは十分に速くなります。一方で、社内テンプレートにきっちり合わせたい、Excelや社内のシステムから数字を直接取り込みたい、という段階になると、自社の業務に合わせた仕組みが必要になります。当社のAI社員は、お使いのテンプレートや元データの形に合わせて、毎月の報告資料を自動で下書きする仕組みづくりから、運用しながらの調整までをお引き受けしています。料金は初期費用+月5万円で、初期費用はヒアリング後にお見積もりします。「毎月の資料づくりに半日かかっている」という管理職の方は、まずどの資料から始めるかを一緒に整理するところからご相談ください。

よくある質問

スライド作成AIを使えば、資料は全部自動でできますか?

構成案・1枚ごとの文言・図表の案・テンプレートへの流し込みまではAIに任せられますが、資料の目的を決めることと、数字や事実の確認は人が行う必要があります。完成品ではなく、たたき台をAIに作らせる使い方が実務では失敗しにくいです。

スライド作成AIで、社内のテンプレートに合わせた資料は作れますか?

作れます。テンプレートのレイアウトごとの使い分けや文字の大きさ・色の決まりをはっきりさせておくと、AIがその位置に文言や図表を流し込めるようになります。テンプレートが複数出回っている場合は、先に1つにそろえておくことが大切です。

ExcelのデータからAIでスライドを作ることはできますか?

できます。元データの置き場所と列の並びを毎回同じにしておけば、AIが集計し、前回との違いをコメントにして、グラフと一緒にスライドへ流し込めます。数字が元データと合っているかは、担当者が最後に確かめてください。

スライド作成にAIを使うとき、気をつけることは何ですか?

AIは渡されていない数字や事実をそれらしく補うことがあるため、材料にないことは「要確認」と残すよう指示し、数字・日付・固有名詞は人が元資料と照らし合わせます。また、お客様の情報や社外秘の数字を入れてよいAIサービスかどうかを、社内で先に決めておきましょう。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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