選考結果の連絡(お見送り・不採用の通知)をAIで効率化するには?——失礼にならない文面の下書きと、送り間違い・送り忘れを防ぐ確認
結論
選考結果の連絡は、選考状況の一覧をAIに渡して「結果が決まったのに連絡していない人」を洗い出させ、段階と結果に合わせた文面の下書きと送付予定の一覧を作らせると、少人数の採用担当でも遅れずに送れるようになります。合否を決めるのは人で、AIは決まった結果を伝える文面と、送り忘れ・送り間違いを防ぐ確認を手伝う役割です。送信前には、宛先・名前・結果の3点を一覧と照らし合わせる確認を必ず人が行ってください。
株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、書類選考や面接のあとの選考結果の連絡(お見送り・不採用の通知、次の選考の案内)を、AIで文面の下書きと送り忘れの確認まで効率化し、送り間違いを防ぐ方法について解説します。面接が終わって合否は決まっているのに、お見送りの連絡が後回しになり、気づけば1週間たっていた。次の選考の案内は急いで送るけれど、不採用の通知はどう書けば失礼にならないか悩んで手が止まる。採用担当が1人か2人しかいない会社の方から、こうしたお悩みをよく伺います。この記事では、選考結果の連絡、とくにお見送り・不採用の通知と次の選考の案内を、AIで効率化する方法を説明します。AIに任せる部分と人が決める部分、場面別の文面の型、お見送り理由の書き方の注意、送り間違いを防ぐ確認手順をお伝えします。応募直後の返信や面接の日程調整、内定後の手続きではなく、選考結果の連絡に絞ってお伝えします。
選考結果の連絡が遅れると、候補者の印象と会社の評判に響く
採用担当が少ない会社では、選考結果の連絡が後回しになりがちです。とくにお見送りの連絡は、次の選考につながらないため、急ぎの仕事に押されて送るのが遅れます。よく伺う理由は次のようなものです。
- 面接官から合否の結果が届くのが遅く、届いたあとも記録が散らばっている
- 誰に連絡が済んでいて、誰がまだなのかが一覧になっていない
- お見送りの文面を毎回考えるのに時間がかかり、つい後回しにする
- 求人媒体の管理画面、メール、表計算ソフトのどこから送ったかが人によって違う
しかし、連絡が遅いことは候補者から見ると「待たされている」ことです。候補者はほかの会社の選考も並行して受けていることが多く、結果が来ないまま待つ時間は負担になります。次の選考に進んでほしい人への案内が遅れれば、その間にほかの会社に決まってしまうこともあります。
お見送りの連絡も同じです。結果が来ないまま放っておかれた、あるいは素っ気ない文面が届いたという体験は、候補者の会社への印象を下げます。候補者はその会社の取引先や、将来のお客様である場合もあります。口コミのサイトや知り合いへの話を通じて、会社の評判に響くこともあり得ます。
つまり、選考結果の連絡は「早く、丁寧に、間違いなく」送ることが大切です。この3つのうち、「早く」と「丁寧に」の下準備と、「間違いなく」の確認の手伝いを、AIに任せることができます。
AIに任せるのは洗い出し・下書き・一覧化・通知、合否と最終確認は人が決める
選考結果の連絡をAIで効率化するとき、最初に決めておくべきなのは、AIに任せる部分と人が決める部分の線引きです。合否をAIが決めることはしません。AIは、人が決めた結果をもとに、連絡の準備と確認を手伝います。
| 作業 | 担当 | 中身 |
|---|---|---|
| 合否の判断 | 人 | 書類や面接の結果をもとに、採用担当や面接官、責任者が決める |
| 連絡が必要な人の洗い出し | AI | 選考状況の一覧から「結果が決まったのに未連絡の人」「結果待ちが長い人」を抜き出す |
| 文面の下書き | AI | 選考の段階(書類・面接など)と結果に合わせて、決めておいた型から下書きを作る |
| 送付予定の一覧化 | AI | 宛先、名前、段階、結果、使う文面の型、送る予定日を1つの表にまとめる |
| 送り忘れの通知 | AI | 結果の決定から決めた日数がたっても送っていない人を、採用担当に知らせる |
| 文面の見直し | 人 | 下書きの内容が候補者の状況に合っているか、言い回しに問題がないかを確かめる |
| 送信前の最終確認と送信 | 人 | 宛先・名前・結果を一覧と照らし合わせてから送る |
この線引きにしておくと、採用担当がやることは「結果を一覧に記録する」「下書きを見直す」「照らし合わせて送る」の3つに絞られます。文面を一から考える時間と、誰に送ったかを思い出す時間が減るのが大きな効果です。
洗い出しの元になるのは、応募者ごとに1行の選考状況の一覧です。名前、連絡先、応募した職種、今の選考の段階、結果(通過・お見送り・保留)、結果が決まった日、連絡した日、の列があれば始められます。面接官から結果が届いたら、この一覧の「結果」と「結果が決まった日」を埋めることを社内の決まりにしておくと、AIが正しく洗い出せるようになります。
文面の型:場面ごとに短い型を用意し、AIに差し込ませる
選考結果の文面は、場面ごとに型を決めておくと、AIの下書きが安定します。型は長くする必要はありません。候補者が知りたいのは「結果」と「次に何をすればよいか」なので、それが早めに伝わる短い文面のほうが親切です。主な場面と、型に入れる要素は次のとおりです。
| 場面 | 型に入れる要素 | 短い例文(一部) |
|---|---|---|
| 書類選考の通過 | お礼、通過の結果、次の選考の内容、日程の決め方 | 「書類選考の結果、ぜひ面接にお越しいただきたくご連絡いたしました。」 |
| 書類選考のお見送り | 応募へのお礼、お見送りの結果、今後へのことば | 「慎重に検討いたしました結果、誠に残念ながら今回はご希望に沿いかねる結果となりました。」 |
| 面接後の次の選考の案内 | 面接へのお礼、通過の結果、次の選考の内容と日程 | 「先日はお忙しい中、面接にお越しいただきありがとうございました。」 |
| 面接後のお見送り | 面接へのお礼、お見送りの結果、時間を割いてもらったことへのお礼 | 「貴重なお時間をいただきましたことに、改めてお礼申し上げます。」 |
| 結果の連絡が遅れる場合 | お詫び、今の状況、結果を伝える目安の時期 | 「選考に時間を要しており、結果のご連絡は〇日ごろとなる見込みです。」 |
| 選考辞退・内定辞退への返信 | 連絡へのお礼、辞退を受け付けたこと、今後へのことば | 「ご丁寧にご連絡いただきありがとうございました。辞退の件、承知いたしました。」 |
AIには、型と一緒に「候補者の名前」「応募した職種」「選考の段階」「面接の日付」などを渡し、型に差し込ませます。指示文には、次のような条件を入れておくと、文面がぶれにくくなります。
- 決めた型の言い回しを大きく変えない
- 型にない約束(次の募集で優先する、など)を書き足さない
- 候補者の名前と職種は、渡した一覧の表記のとおりに書く
- 分からない情報は空欄のままにして、印を付ける
面接で候補者が話した内容に触れて一言添えたい場合もありますが、その一言はAIに作らせず、面接に立ち会った人が書き足すほうが安心です。事実と違うことが書かれると、かえって印象を損ねるからです。
お見送りの理由はどこまで書くか:具体的な評価は書かないのが基本
お見送りの通知でよく迷うのが、理由をどこまで書くかです。候補者の立場では理由を知りたいと思うのは自然ですが、一般的には、お見送りの通知に具体的な評価や理由は書かない会社が多いです。理由を書くことには、次のような心配があるからです。
- 書いた理由をめぐって、候補者との行き違いや問い合わせにつながることがある
- 評価の書き方によっては、候補者を傷つけたり、誤解を生んだりすることがある
- 年齢や性別、出身地、家族のことなど、採用の判断に使うべきでない事柄に触れていると受け取られるおそれがある
そのため、文面は「総合的に検討した結果」「今回はご希望に沿いかねる結果となりました」といった表現にとどめるのが基本です。AIに下書きさせるときも、「お見送りの理由は書かない」「評価の内容に触れない」と指示文に明記しておきます。面接の評価メモをAIに一緒に渡してしまうと、その内容が文面に混ざるおそれがあるので、連絡用の作業には評価メモを渡さないようにします。
候補者から理由を問い合わせられた場合の答え方も、あらかじめ社内で決めておくと安心です。どう答えるかは会社の方針によって違いますが、答え方を決めたら、その返信の型もAIに下書きさせることができます。
ポイント
採用の選考では、応募者の適性と能力に関係のない事柄で判断しないことが求められています。どのような点に注意すべきかは、厚生労働省の公正な採用選考に関する公式の情報で確認してください。
送り間違い・送り忘れを防ぐ確認手順と、個人情報の扱い
選考結果の連絡でいちばん避けたいのは、別の人の名前で送ってしまう、通過の人にお見送りを送ってしまうといった送り間違いです。AIで下書きをまとめて作ると作業は速くなりますが、そのぶん確認の手順をはっきり決めておく必要があります。次の手順で進めると、間違いを防ぎやすくなります。
- 結果を一覧に記録する:面接官や責任者が決めた合否を、選考状況の一覧の「結果」の列に記録する。口頭やチャットだけで済ませない
- AIに送付予定の一覧を作らせる:連絡が必要な人について、宛先・名前・段階・結果・使う型・送る予定日を1行ずつ並べた表を出させる
- 一覧と元の記録を照らし合わせる:送付予定の一覧の「結果」が、選考状況の一覧の結果と合っているかを人が確かめる
- 下書きを1通ずつ見直す:本文の名前・職種・結果が、送付予定の一覧のその行と合っているかを確かめる
- 宛先を最後に確かめてから送る:メールアドレスや媒体のメッセージ先が、その名前の人のものかを確かめて送る
- 送った日を一覧に記録する:送信が終わったら「連絡した日」を埋め、AIが次回の洗い出しで二重に送らないようにする
お見送りの連絡は、通過の連絡と分けて、別の時間にまとめて送るのも1つの方法です。同じ時間に両方を扱うと、取り違えが起きやすくなります。
送り忘れを防ぐには、AIに定期的に一覧を確かめさせ、「結果が決まってから決めた日数を過ぎても連絡した日が空欄の人」を採用担当に知らせる仕組みにします。何日を目安にするかは、会社の選考の進め方に合わせて決めてください。
選考状況の一覧には、名前や連絡先などの個人情報が含まれます。AIを使うときは、入力した内容が学習に使われない設定や契約のサービスを選び、社内で扱える人を決めておくことが大切です。文面の下書きだけであれば、名前を記号に置き換えて作らせ、送る直前に差し込む方法もあります。応募者の個人情報の扱いについては、職業安定法や個人情報保護法などで守るべきことが定められている場合がありますので、最新の情報は厚生労働省や個人情報保護委員会の公式サイトで確認してください。
始める前のチェックリストと、選考結果の連絡を仕組みにする方法
選考結果の連絡をAIで効率化する前に、次のことを確認しておくと、速さと丁寧さを両立しやすくなります。
選考結果の連絡をAIで効率化する前に確認すること
- 合否は人が決め、AIには決まった結果の連絡だけを手伝わせる線引きになっているか
- 応募者ごとに、段階・結果・結果が決まった日・連絡した日がわかる一覧があるか
- 面接官から結果が届いたら、一覧に記録する決まりがあるか
- 書類選考・面接後・連絡の遅れ・辞退への返信など、場面ごとの文面の型があるか
- お見送りの理由や評価の内容を、文面に書かない指示になっているか
- 送信前に、宛先・名前・結果を一覧と照らし合わせる手順を決めているか
- 送り忘れを知らせる目安の日数を決めているか
- 個人情報を入力するAIのサービスが、入力内容を学習に使わない設定・契約になっているか
はじめは、直近の選考で結果が決まっている人の一覧を使い、AIに「未連絡の人の洗い出し」と「送付予定の一覧」だけを作らせてみるのがおすすめです。それだけでも、連絡が漏れている人に気づけることがあります。慣れてきたら、文面の下書き、送り忘れの通知へと任せる範囲を広げていきます。
当社が提供する「AI社員」では、選考状況の一覧の確認から、連絡が必要な人の洗い出し、場面ごとの文面の下書き、送付予定の一覧づくり、送り忘れの通知までを、毎日決まった時間に回す形で組み立てられます。合否の判断と送信前の最終確認は採用担当が行う前提で設計します。採用担当を増やせないあいだ、候補者を待たせずに連絡を回したい会社に向いています。料金は初期費用+月5万円で、初期費用はヒアリング後にお見積もりします。
よくある質問
不採用・お見送りの通知をAIに書かせても失礼になりませんか?
場面ごとに丁寧な型を決め、AIにはその型に名前や職種を差し込ませる形にすれば、失礼な文面にはなりにくいです。送る前に必ず人が読み、候補者の状況に合っているかを確かめてください。
合否の判断もAIに任せられますか?
当社では合否の判断をAIに任せることはおすすめしていません。合否は採用担当や面接官、責任者が決め、AIは決まった結果を伝える文面の下書きと、送り忘れ・送り間違いを防ぐ確認を手伝う役割にとどめます。
お見送りの理由は通知に書いたほうがよいですか?
一般的には、具体的な評価や理由は書かず、総合的に検討した結果として伝える会社が多いです。理由の書き方によっては誤解や行き違いにつながるため、AIへの指示にも「理由は書かない」と明記しておくと安心です。
別の人の名前や違う結果で送ってしまうのを防ぐにはどうすればよいですか?
AIに送付予定の一覧を作らせ、送信前に宛先・名前・結果の3点を元の選考状況の一覧と照らし合わせます。お見送りと通過の連絡を別の時間に分けて送ると、取り違えをさらに防げます。