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休眠顧客の掘り起こし・定期フォローをAIで効率化するには?——販売履歴から対象を抜き出し、案内文を下書きして人が送る方法

結論

休眠顧客の掘り起こしは、販売履歴から「最後の注文・来店から一定の期間がたったお客様」をAIに抜き出させ、過去に買った商品や時期に合わせた案内文をお客様ごとに下書きさせ、担当者が確かめてから送る形にすると、少ない人数でも毎月続けられます。AIに任せるのは対象探しと下書きと記録までで、誰に送るか・何を書くかの最終判断は人が行います。配信を断ったお客様やトラブル中のお客様を必ず外す決まりを先に作っておくことが、信頼を損なわないための前提です。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、しばらく注文・来店がない既存のお客様(休眠顧客)を販売履歴からAIで抜き出し、お客様ごとの案内文を下書きして、人が確かめて送る掘り起こし・定期フォローの方法について解説します。新しいお客様を増やすのは大変なのに、以前買ってくれたお客様がいつの間にか来なくなっている。販売管理の画面を見れば、しばらく注文のないお客様がたくさんいるのはわかっていても、一人ひとりに合わせて連絡する時間はなかなか取れません。年に一度、全員に同じ案内を一斉に送って終わり、という会社も多いのではないでしょうか。休眠顧客(しばらく注文や来店がない既存のお客様)は、すでに自社を知っているぶん、新しいお客様より声をかけやすい相手です。この記事では、休眠顧客の掘り起こしと定期フォローをAIで効率化する方法に絞って、続かない理由、販売履歴からの対象の抜き出し方、お客様ごとの案内文の下書き、送る前に人が確かめること、反応の記録と始める手順を説明します。見積を出したあとの追いかけ連絡は別の記事「見積を出したあとのフォロー連絡をAIで漏れなく行うには?」で扱っているため、ここでは「一度取引があり、その後止まっているお客様」への連絡に絞ってお伝えします。

休眠顧客の掘り起こしが続かないのは、対象探し・文面づくり・記録に手間がかかるから

休眠顧客への連絡が大切だとわかっていても続かないのは、やる気の問題ではなく、1回ごとに手間のかかる作業が3つ重なるからです。

作業人の手でやる場合の手間起こりがちなこと
対象を探す販売管理から履歴を書き出し、最後の注文日で並べ替え、送ってはいけないお客様を目で外す手間がかかるので、年に1回の一斉送信になる
文面を書くお客様ごとに過去の購入内容を見て、合う案内を考えて書く全員に同じ文面を送り、反応が少ない
記録を残す誰に、いつ、何を送り、どう反応があったかを一覧に書く同じお客様に短い間隔で何度も送る、反応があったのに誰も追わない

中でも負担が大きいのが「文面を書く」作業です。全員に同じ文面を送れば手間は少なくて済みますが、お客様にとっては自分に関係のない案内になりやすく、読まれずに終わることが多くなります。かといって一人ひとりに合わせて書けば、数十件でも半日以上かかります。

AIに任せたいのは「探す・下書きする・記録する」

AIは、決めた条件で履歴から対象を抜き出すこと、過去の購入内容を読んでお客様ごとに文面を書き分けること、送った結果を一覧に書き込むことが得意です。一方で、お客様との関係を踏まえて「今このお客様に連絡してよいか」を判断するのは、担当者のほうが向いています。この分担をはっきりさせると、少人数でも毎月の掘り起こしが続けられるようになります。

仕組みの全体像:販売履歴から抜き出し、AIが下書きし、人が確かめて送る

休眠顧客の掘り起こしをAIで効率化する仕組みは、次の流れで動きます。

  1. 販売履歴を読み込む:販売管理や予約の記録から、お客様ごとの最後の注文日・来店日、買った商品、回数を取り出す
  2. 休眠の条件で対象を抜き出す:「最後の注文から一定の期間がたった」など、決めた条件に当てはまるお客様を一覧にする
  3. 送ってはいけないお客様を外す:配信を断ったお客様、トラブル中のお客様などを、除外の決まりに沿って外す
  4. お客様ごとに案内文を下書きする:過去の購入内容や時期をもとに、AIが1人ずつ文面を書き分ける
  5. 担当者が確かめる:送る相手と文面を確認し、直すところは直し、送らないお客様は外す
  6. 送って記録する:送った日と内容を一覧に残し、返信や注文があれば反応として記録する

人とAIの分担

作業AIの役割人の役割
対象の抜き出し条件に当てはまるお客様を一覧にし、理由(最後の注文日など)を添える休眠の条件を決め、一覧を見て違和感のあるお客様を外す
除外配信停止や取引停止の印があるお客様を自動で外す印のつけ忘れがないかを確かめ、外す決まりを決める
文面の下書き購入内容・時期・お客様の種類に合わせて書き分ける事実と違う内容や、言い過ぎの表現がないかを確かめて直す
送信確認済みのものを、決めた方法で送る準備をする最終的に送るかどうかを決める
記録送った日・内容・反応を一覧に書き込む電話や来店での反応を書き足し、次の対応を決める

ポイント

最初から自動で送る形にはせず、「AIが下書きを用意し、担当者が確かめて送る」から始めます。お客様との関係は担当者のほうがよく知っています。下書きの質が安定し、除外の決まりが固まってから、確認の手間を減らす方法を考えれば十分です。

対象の抜き出し方:「休眠」の決め方と、外すべきお客様を先に決める

対象を正しく抜き出すには、「どのお客様を休眠とみなすか」と「どのお客様には送らないか」を先に決めておく必要があります。ここがあいまいだと、AIがどれだけ正確でも、送るべきでない相手に案内が届いてしまいます。

休眠の決め方の例

決め方考え方向いている業種の例
最後の注文から一定の期間最後の注文・来店から決めた月数がたったお客様を対象にする注文の間隔がおおよそそろっている卸・小売
そのお客様のいつもの間隔と比べるいつもの注文間隔の2倍ほど空いたお客様を対象にするお客様ごとに注文の頻度が違う会社
商品の使い終わる時期消耗品や定期点検など、買い替え・交換の目安の時期が来たお客様を対象にする消耗品の販売、設備の点検、車の整備など
季節・時期前の年の同じ時期に注文があり、今年はまだのお客様を対象にする季節商品、年に一度の行事に関わる商品

1つに決める必要はありません。たとえば「最後の注文から一定の期間」を基本にし、消耗品のお客様には「使い終わる時期」を使う、という組み合わせもできます。

案内を送らないお客様(除外の決まり)のチェックリスト

  • メールや案内の受け取りを断っている(配信停止の申し出がある)
  • クレームや支払いのトラブルが続いている
  • 取引を終えた、または会社として取引を止めている
  • 廃業・移転などで連絡先が使えないとわかっている
  • ほかの担当者がすでに個別に連絡している最中である
  • 前回の案内から決めた日数がたっていない
  • ご本人が亡くなった、施設に入ったなど、連絡を控えるべき事情を把握している

除外の情報は、販売管理の備考欄や担当者の頭の中にしかないことがよくあります。仕組みを作る前に、こうした情報を「配信停止」「連絡を控える」などの印として一覧に入れておくと、AIが確実に外せるようになります。

お客様ごとの案内文の下書き:過去の購入内容と時期から書き分ける

案内文の下書きをAIに任せるときは、お客様ごとに次のような情報を渡し、決めた型に沿って書かせます。

AIに渡す情報文面での使い方
お客様の名前と、会社名または呼び方宛名と書き出し
過去に買った商品・頼んだ作業「以前ご注文いただいた〇〇は、その後いかがでしょうか」と触れる
最後の注文・来店の時期「前回から少し時間がたちましたので」と自然に連絡の理由を書く
今案内したい内容関係のある新商品、交換の時期、季節の案内、点検の案内など
担当者の名前と連絡先返信や問い合わせの窓口として最後に書く

下書きの型を決めておく

  1. あいさつと連絡の理由:以前の取引へのお礼と、なぜ今連絡したのかを1〜2文で書く
  2. お客様に関係のある案内:過去の購入内容に合う案内を1つだけ書く(いくつも並べない)
  3. 次にしてほしいこと:返信・電話・予約など、反応のしかたを1つ示す
  4. 担当者の名前と連絡先:誰に連絡すればよいかをはっきり書く

例として、消耗品を扱う会社であれば、AIは「以前ご注文いただいた〇〇は、ご使用の状況によっては交換の時期が近づいているかもしれません。在庫やお届けの日数のご確認だけでもお気軽にご連絡ください」のような文面を、お客様ごとの商品名に置き換えて書けます。

AIに書かせないこと

  • 決まっていない値引きや特典、在庫や納期の約束
  • 「最近ご注文がないので」など、お客様を責めているように読める言い回し
  • お客様が知らないはずの情報(社内のメモにある評価など)
  • 事実と確かめていない商品の効果や性能

こうした決まりはAIへの指示に書き込んでおきます。それでも、AIが事実と違う内容を書くことはありうるため、次の章の確認は欠かせません。

送る前に人が確かめること——宛先・内容・送り方と、個人情報の扱い

AIが用意した下書きは、担当者が確かめてから送ります。確認は1件ずつじっくり読むより、決めた項目を順に見るほうが速く、漏れも防げます。

送信前の確認チェックリスト

  • 宛名と連絡先が、そのお客様のもので合っている
  • 文面に書かれた商品名や時期が、販売履歴と一致している
  • 除外すべきお客様(配信停止・トラブル中など)が混ざっていない
  • 値引きや納期など、決まっていない約束が書かれていない
  • 返信の窓口と担当者の名前が正しい
  • 同じお客様に、ほかの担当者からの連絡と重なっていない

送り方はお客様に合わせて選ぶ

送り方向いているお客様AIで減らせる手間
メールメールでやり取りしてきた法人・個人のお客様文面の下書き、送信の準備、送った記録
手紙・はがき高齢のお客様、メールアドレスがないお客様文面の下書き、宛名の一覧づくり
電話取引の大きかったお客様、関係の深いお客様話す内容のメモ(過去の購入内容と案内したいこと)の用意

メールで案内を送るときの注意

宣伝や案内のメールを送るときは、特定電子メール法などのルールが関係する場合があります。たとえば、受け取りに同意しているか、取引のある相手かといった条件や、配信を断る方法を示すことが求められる場合があります。自社の送り方が当てはまるかは、総務省・消費者庁などの公式情報で最新の内容を確認してください。

また、販売履歴には、お客様の名前・連絡先・買ったものといった個人情報が含まれます。AIを使うときは、業務用に契約し、入力した内容がAIの学習に使われない設定のサービスを使い、文面づくりに必要のない情報まで渡さないようにします。お客様の情報を案内に使うことを、利用目的として示しているかもあわせて確かめておくと安心です。

反応を記録して次に生かす——始める手順と、少人数の会社で続けるコツ

掘り起こしは1回送って終わりではありません。送った結果を記録し、次の対象や文面を見直すことで、少しずつ反応が得られやすくなります。

記録する項目次にどう生かすか
送った日・送り方・案内の内容同じお客様に短い間隔で送らないようにする
返信・電話・注文などの反応反応があったお客様を担当者に知らせ、すぐに対応する
配信停止の申し出除外の印をつけ、次から送らない
反応の多かった案内の種類次回の文面の型や、案内する内容を見直す

始める手順

  1. 販売履歴の置き場所を確かめる:最後の注文日・買った商品・連絡先がどこにあり、書き出せるかを確認する
  2. 休眠の条件と除外の決まりを決める:3章を目安に、自社の条件を書き出し、除外の印を一覧に入れる
  3. 少ない件数で試す:まず数十件のお客様でAIに下書きさせ、担当者が確かめて文面の型を直す
  4. 毎月の流れにする:月の決まった日に、AIが対象の一覧と下書きを用意し、担当者が確かめて送る
  5. 反応を見て見直す:数か月分の記録をもとに、休眠の条件や案内の内容を直していく

少人数の会社で続けるコツは、「担当者がやること」を確認と送信の判断だけにしておくことです。対象探しと下書きと記録をAIが毎月用意してくれれば、担当者は届いた一覧を見て送るかどうかを決めるだけで済みます。

当社のAI社員は、今お使いの販売管理や予約の記録の形に合わせて、休眠顧客の抜き出し、除外の決まりの反映、お客様ごとの案内文の下書き、送った結果の記録までを一続きの仕組みとして作ります。料金は初期費用+月5万円で、初期費用はヒアリング後にお見積もりします。最短2週間で稼働でき、休眠の条件や文面の型を変えたいときの調整にも回数の制限なく対応しています。「以前のお客様に声をかけたいが、手が回らない」という方は、まず販売履歴がどこにあるかを一緒に確かめるところからご相談ください。

よくある質問

休眠顧客の掘り起こしはAIで自動化できますか?

販売履歴から対象を抜き出す作業、お客様ごとの案内文の下書き、送った結果の記録はAIに任せられます。誰に送るかと文面の最終確認は担当者が行う形にすると、関係を損なわずに続けられます。

休眠顧客はどのくらい注文がないお客様を指しますか?

決まった期間はなく、業種や商品の買い替えの間隔によって会社ごとに決めます。最後の注文から一定の期間で決める方法のほか、そのお客様のいつもの注文間隔と比べる方法、商品の交換時期で決める方法があります。

休眠顧客への案内文をAIに書かせると、全員同じ文面になりませんか?

過去に買った商品・最後の注文の時期・案内したい内容をお客様ごとに渡せば、AIはそれに合わせて書き分けられます。決まっていない値引きや約束を書かないよう指示し、担当者が確かめてから送ってください。

休眠顧客の掘り起こしと見積後のフォローは何が違いますか?

見積後のフォローは返事を待っている見積を追いかける連絡で、休眠顧客の掘り起こしは一度取引があり、その後注文が止まっているお客様への連絡です。見積後のフォローは別の記事「見積を出したあとのフォロー連絡をAIで漏れなく行うには?」で説明しています。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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