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採用面接の質問と評価の基準をAIで作るには?——求める人物像から質問案をつくり、面接官ごとのばらつきを減らす

結論

採用面接の質問と評価の基準は、求める人物像と仕事の中身をAIに渡し、評価項目ごとの質問案・深掘りの質問・「よい答え」と「気になる答え」の目安を下書きさせ、採用担当と現場の責任者が直して決める形にすると、短い時間でそろえられます。質問と基準が決まっていれば、面接に慣れていない社員が面接官を務めても見るところがそろい、面接官ごとの評価のばらつきを減らせます。ただし、合否はAIではなく人が決め、聞いてはいけない質問が入っていないかを必ず人が確かめてください。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、採用面接の質問と評価の基準を、求める人物像からAIで作り、面接官ごとのばらつきを減らす方法について解説します。応募は来ているのに、面接できる人が足りない。現場の責任者に面接をお願いすると、ある人は人柄ばかり、ある人は経験ばかりを見ていて、同じ応募者でも評価が正反対になる。面接のたびに「何を聞けばいいの?」と聞かれ、採用担当が質問を考えるだけで手いっぱいになっている。採用を担当している方から、こうしたご相談をよくいただきます。この記事では、面接の前に用意する「質問」と「評価の基準」をAIで作る方法、面接官ごとのばらつきを減らす使い方、聞いてはいけない質問への注意、始める手順を説明します。面接後のメモ整理や書類選考ではなく、面接の前の準備に絞ってお伝えします。

面接の評価がばらつくのは、面接官ではなく「質問と基準」が決まっていないから

同じ応募者なのに面接官によって評価が分かれるのは、面接官の見る目がないからではありません。多くの場合、何を確かめるための面接なのか、どんな答えならよいのかが決まっていないことが原因です。

質問と基準が決まっていないと、次のようなことが起こります。

  • 面接官がそれぞれ自分の経験から質問を考え、聞く内容がばらばらになる
  • 話が盛り上がった応募者の評価が高くなり、確かめるべき点が抜ける
  • 評価の理由が「なんとなく合いそう」になり、面接官どうしで比べられない
  • 採用担当が毎回、面接官のために質問を考えて渡している

人手が足りない会社ほど、面接に慣れていない社員にも面接官をお願いすることになります。だからこそ、誰が面接しても同じ点を確かめられる「質問と基準の型」が必要です。この型を作る作業は時間がかかりますが、AIは仕事の中身から必要な力を書き出し、それを確かめる質問に置き換える下書きが得意です。

AIに渡すもの:求める人物像と、仕事の「中身」

質問の質は、AIに渡す情報で決まります。「営業職の面接の質問を作って」だけでは、どの会社でも使えるありきたりな質問しか出てきません。次の情報をそろえて渡すと、自社の仕事に合った質問になります。

渡す情報例質問への生かし方
仕事の中身1日の流れ、担当するお客様、使う道具、忙しい時期実際の場面に近い質問を作れる
求める人物像必須の経験・能力、あると望ましいこと評価項目の土台になる
活躍している社員の特徴「段取りを先に組む」「報告が早い」など自社ならではの評価項目を足せる
早く辞めた人の理由「想像より外回りが多かった」など入社後のずれを防ぐ確認の質問を作れる
求人票今出している求人原稿求人で約束した内容と質問を合わせられる

個人が特定できる情報(実在の社員の名前や応募者の情報)は入れる必要はありません。「活躍している社員の特徴」も、特徴だけを書けば十分です。

AIに作らせる3つのもの:評価項目、質問と深掘り、評価の目安

AIには、次の3つをセットで下書きさせます。

  1. 評価項目:求める人物像を、面接で確かめられる4〜6個の項目に分ける(例:お客様との関係づくり、段取り、学ぶ姿勢、働く条件の合致)
  2. 質問と深掘りの質問:項目ごとに、過去の行動を聞く質問を1〜2問と、答えをもう一段深く聞く質問を用意する(例:「これまでで一番難しかったお客様の対応を教えてください」→「そのとき最初に何をしましたか」「結果はどうなりましたか」)
  3. 評価の目安:項目ごとに「よい答えの例」「気になる答えの例」と、3段階などの評価のつけ方を書く

ポイント

「あなたならどうしますか」という仮定の質問より、「実際にどうしましたか」という過去の行動を聞く質問のほうが、答えの中身を比べやすくなります。AIに質問を作らせるときも、「過去の行動を聞く形で」と指示すると効果的です。

下書きができたら、採用担当と、配属先の責任者が一緒に読み、自社の言葉に直します。現場の責任者が直したものは、面接官を務める本人の納得感も高くなります。AIの下書きがあることで、ゼロから考えるより打ち合わせの時間はずっと短くなります。

面接官ごとのばらつきを減らす使い方:面接シートと事前の1枚

質問と基準ができたら、面接官が当日そのまま使える形にします。

  1. 面接シートにする:評価項目・質問・深掘りの質問・評価の目安・メモ欄を1枚にまとめる。AIに表の形で整えさせると早い
  2. 応募者ごとの確認点を足す:応募書類を読んだうえで、その人に特に確かめたい点(経歴の空白、転職の理由など)を採用担当が書き足す
  3. 面接官への事前の説明を1枚にする:面接の目的、時間配分、聞いてはいけない質問、評価のつけ方をAIに短くまとめさせ、面接官に渡す
  4. 面接後は同じ項目で評価する:面接官全員が同じ項目・同じ段階で評価し、理由を一言ずつ書く

同じ項目で評価がそろうと、面接官どうしで評価が分かれたときも、「どの項目で、なぜ分かれたか」を話し合えます。面接後のメモ整理や評価のまとめは、別の記事「面接の評価メモ・選考記録の整理をAIで効率化するには?」で詳しく説明しています。

場面型がない場合型がある場合
面接の準備採用担当が毎回質問を考える職種ごとのシートに確認点を足すだけ
面接中話が流れて確かめるべき点が抜ける項目ごとに質問するので抜けが減る
評価「なんとなく合いそう」項目ごとの評価と理由がそろう
新しい面接官不安で引き受けてもらえないシートと事前の1枚で始められる

注意点:聞いてはいけない質問と、合否をAIに任せないこと

採用面接では、本人の適性や能力と関係のないことを聞かないよう気をつける必要があります。たとえば、本籍や出身地、家族の職業、思想・信条、支持する政党などは、公正な採用の観点から聞くべきでないとされています。AIが作った質問にも、そうした内容が紛れ込むことがあるため、必ず人が確かめてください。考え方の詳細は、厚生労働省の「公正な採用選考」に関する案内など、最新の公式情報で確認することをおすすめします。

AIで作った面接の質問を使う前に確認すること

  • 本人の適性・能力と関係のない事柄(家族、出身地、思想・信条など)を聞く質問が入っていないか
  • 性別や年齢によって答えやすさが変わる質問になっていないか
  • 求人票に書いた条件と、質問で確かめる内容が食い違っていないか
  • 評価の目安が、現場の責任者の考えと合っているか
  • 合否を決めるのは人であり、AIには下書きと整理だけを任せる形になっているか

また、応募者の個人情報をAIに入れる場合は、入力した内容を学習に使わない設定・契約のサービスを使い、社内で扱いのルールを決めておきましょう。質問と基準づくりそのものには応募者の個人情報は要らないので、まずは個人情報を入れずに始められます。

始める手順:採用中の1職種から型を作る

面接の質問と基準づくりは、採用中の1職種から始めると負担が小さく、効果もすぐ確かめられます。

  1. 職種を1つ選ぶ:面接の件数が多い、面接官によって評価が分かれやすい職種を選ぶ
  2. 情報を集める:仕事の中身、求める人物像、活躍している社員の特徴、早く辞めた人の理由、求人票をそろえる
  3. AIに下書きさせる:評価項目・質問・深掘りの質問・評価の目安を作らせる
  4. 現場と30分で直す:配属先の責任者と読み合わせ、自社の言葉に直す
  5. 数回の面接で使ってみる:答えにくかった質問、評価が分かれた項目を記録して直す
  6. ほかの職種に広げる:できた型を手本に、ほかの職種もAIで下書きする

当社が提供する「AI社員」では、こうした質問と基準の下書きに加え、応募者対応や日程調整、面接後の評価のまとめまで、採用の事務をつなげて任せる形も組み立てられます。人が採れるまでのあいだ、採用担当の手を少しでも空けたいという会社に向いています。料金は初期費用+月5万円で、初期費用はヒアリング後にお見積もりします。

よくある質問

採用面接の質問をAIに作らせても大丈夫ですか?

下書きとして使うのであれば役立ちます。仕事の中身と求める人物像を渡すと、評価項目ごとの質問案を短時間で作れます。ただし、聞いてはいけない質問が紛れ込んでいないか、自社に合っているかは必ず人が確かめてください。

面接官によって評価がばらつくのを防ぐにはどうすればよいですか?

評価項目・質問・評価の目安を職種ごとに決め、面接官全員が同じ面接シートを使うことです。AIを使うと、この型の下書きを短い時間で作れます。

AIに応募者の合否を判断させることはできますか?

当社では、合否の判断はAIに任せず人が行うことをおすすめしています。AIは質問づくりや評価の整理を手伝う役割にとどめ、最終的な判断と説明の責任は会社が持つ形にします。

面接に慣れていない現場の社員でも、AIで作った質問で面接できますか?

できます。質問と深掘りの質問、評価の目安が1枚にまとまっていれば、慣れていない社員でも確かめるべき点を順に聞けます。事前に面接の目的と聞いてはいけない質問を短く説明しておくと安心です。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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