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文章作成AIで仕事の文書を下書きするには?——お知らせ・依頼メール・報告書・お詫び文をAIに任せるコツと、人が確認する範囲

結論

仕事の文章作成をAIに任せるには、社内でよく使う文例と言い回しの型をそろえてAIに渡し、「目的・相手・伝える事実・期限」を材料として与えて下書きさせ、事実・宛先・数字・約束にかかわる部分は人が確認する、という分担にするのがいちばん確実です。文章作成AIは、文の組み立てや敬語の調整、長さの調整が得意な一方で、社内の事情や正しい数字は知りません。「書くのはAI、中身の責任は人」と線を引いておけば、お知らせ・依頼メール・報告書・お詫び文といった日常の業務文書の作成時間を大きく減らせます。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、お知らせ・依頼メール・報告書・お詫び文などの日常の業務文書を、文章作成AIで下書きするコツと、人が確認すべき範囲について解説します。社内へのお知らせ、取引先への依頼メール、上司への報告書、お客様へのお詫び文。管理職の仕事には、毎日のように「ちょっとした文書」を書く時間が入り込んでいます。一つひとつは短くても、言い回しに迷ったり、失礼がないか読み直したりしているうちに、気づけば1日の多くを文書づくりに使っていた、ということも少なくありません。「文章作成 AI」で調べてみたものの、実際に仕事の文書を任せてよいのか、どこまで任せてよいのか迷っている方も多いはずです。この記事では、文章作成AIに向く業務文書と向かない文書、下書きの質をそろえるための文例と型の整え方、AIへの頼み方、人が必ず確認する範囲とチェックリスト、文書の種類ごとのコツ、そして社内に広める手順を説明します。SNSやブログ、提案書、問い合わせへの返信ではなく、社内外でやりとりする「日常の業務文書」に絞ってお伝えします。

文章作成AIに向く業務文書は「型があり、中身は人が持っている」文書

文章作成AIがもっとも役に立つのは、書き方の型がある程度決まっていて、伝える中身(日時・金額・決まったことなど)は書き手がすでに持っている文書です。AIは文の組み立て、敬語の使い分け、長さの調整、箇条書きへの整理が得意です。一方で、社内で何が決まったのか、正しい数字はいくつか、といった中身はAIにはわかりません。

日常の業務文書を、AIに任せやすい部分と人が決める部分に分けると、次のようになります。

文書の種類AIに任せやすい部分人が決める部分
社内のお知らせ(休業日、制度変更、行事など)見出しと要点の整理、読みやすい箇条書き、長さの調整日付、対象者、変更の中身、問い合わせ先
依頼メール(社内・取引先)依頼の背景と内容の伝え方、相手に合わせた敬語依頼する内容、期限、条件、誰に送るか
報告書(業務報告、事故・トラブルの報告など)メモや箇条書きを文章に整える、時系列の整理、要約起きた事実、原因の判断、今後の対応
お詫び文(納期遅れ、誤送付、ミスの連絡)謝罪の表現、経緯の説明の順番、丁寧さの調整何が起きたか、どこまで認めるか、補償や対応の約束
お礼・あいさつ文(異動、年末年始、来社のお礼など)季節や場面に合った言い回し、文の長さ宛先、具体的なお礼の中身

反対に、文章作成AIに任せにくいのは、中身そのものを考えることが仕事の中心になる文書です。たとえば、人事評価の結果を本人に伝える文書や、法的な判断が必要な通知文、取引条件を変える正式な通知などは、文章の形を整える手伝いはできても、内容は人がしっかり決める必要があります。

ポイント

「文章を書くのに時間がかかっている」のか、「何を書くか決めるのに時間がかかっている」のかを分けて考えると、AIに任せる場所がはっきりします。前者はAIで大きく減らせます。後者は、決めるべきことを先に決めておく必要があります。

下書きの質は、社内の文例と言い回しの型をそろえることで決まる

文章作成AIを使い始めた会社でよく聞くのが、「それらしい文章は出てくるが、うちの会社の文書っぽくない」という声です。AIは何も指示しなければ、一般的でやや硬い、どこにでもある文章を書きます。自社らしい文書にするには、社内で実際に使ってきた文例と、言い回しの決まりごとをAIに渡すことが欠かせません。

そろえておきたい「型」の例

  • 宛名と書き出し:社内は「各位」か「皆さん」か、取引先は「いつもお世話になっております」で始めるか
  • 敬語の度合い:社内は「です・ます」で十分か、取引先には「〜いただけますと幸いです」まで使うか
  • 結び:「よろしくお願いいたします」で終えるか、問い合わせ先を必ず入れるか
  • 使わない言葉:社内で避けている表現(あいまいな「なるはや」、強すぎる「至急」など)
  • 形式:件名の付け方(【ご依頼】【ご報告】など)、日付や金額の書き方、箇条書きにするかどうか
  • 署名:部署名・氏名・連絡先の並べ方

文例集のつくり方

  1. 過去に送ったお知らせ・依頼メール・報告書・お詫び文の中から、「よく書けている」と思うものを種類ごとに3〜5通ずつ集める
  2. 社外秘の情報や個人名、取引先名は、伏せ字や「〇〇様」に置き換える
  3. 種類ごとに「使う場面」「必ず入れる項目」「言い回しの決まり」を短く書き添える
  4. 上で挙げた「型」の決まりごとを1枚にまとめ、文例集の先頭に置く
  5. AIに下書きを頼むときに、この文例集と決まりごとを一緒に渡す

文例集は立派なものである必要はありません。まずは種類ごとに数通そろえるだけでも、AIの下書きは驚くほど「自社の文書」に近づきます。また、文例を集める過程で、部署や担当者ごとに書き方がばらばらだったことに気づくこともあります。型をそろえることは、AIのためだけでなく、会社として出す文書の質をそろえることにもつながります。

AIへの頼み方:目的・相手・伝える事実・期限・トーンの5つを渡す

文章作成AIに「取引先に納期の相談メールを書いて」とだけ頼むと、日付や理由が空欄だったり、AIが勝手に想像した理由が書き込まれたりします。AIが中身を作り話で埋めないようにするには、書くための材料を先に渡すことが大切です。次の5つを渡すと、ほとんどの業務文書は1回で使える下書きになります。

渡す材料内容例
目的この文書で相手に何をしてほしいか納期を1週間延ばすことに了承してもらう
相手誰に送るか、関係の深さ長く取引のある取引先の購買担当の方
伝える事実日時・数量・金額・理由など、文書に入れる事実当初の納期は11月10日、部品の入荷遅れにより11月17日になる見込み
期限・お願い相手にいつまでに何をしてほしいか11月5日までにご返答いただきたい
トーン・長さ丁寧さ、文の長さ、形式丁寧に、ただし長すぎず、メール1画面に収まる程度

この5つに加えて、「材料にないことは書かない。わからない部分は【要確認】と書いて空けておく」と指示しておくと安全です。AIは文章を自然につなげようとして、渡していない数字や理由をそれらしく補ってしまうことがあるためです。

頼み方の違いで、下書きはこれだけ変わる

頼み方出てくる下書き手直しの量
「納期の相談メールを書いて」だけ日付や理由が空欄か、想像で埋まった一般的な文章ほぼ書き直し
5つの材料を渡す必要な事実が入った、目的のはっきりしたメール言い回しを少し直す程度
5つの材料+社内の文例集を渡す自社の書き出し・結び・署名がそろったメール事実の確認だけで送れることが多い

毎回5つの材料を書き出すのが面倒であれば、種類ごとに「記入欄つきの頼み方のひな形」を用意しておくと便利です。たとえば「お詫び文」のひな形には「起きたこと」「相手への影響」「原因(わかっている範囲)」「今後の対応」「再発防止策」の欄を設けておき、担当者は欄を埋めてAIに渡すだけにします。

線引き:言い回しはAIに任せ、事実・宛先・数字・約束は必ず人が確認する

文章作成AIを業務で使うときに、いちばん大切なのが「どこまでをAIに任せ、どこを人が確認するか」の線引きです。文書の失敗の多くは、文の上手下手ではなく、日付の誤り、宛先の取り違え、言ってはいけない約束の書き込みといった中身の誤りから起こります。そして、こうした誤りはAIが自然な文章で書くほど見落としやすくなります。

項目AIに任せてよい人が必ず確認する
文の組み立て・順番任せてよい読みやすいかを軽く見る
敬語・言い回し任せてよい相手との関係に合っているか
日付・曜日・時刻材料どおりに書かせるカレンダーと照らして確認する
金額・数量・品番材料どおりに書かせる元の資料と一つずつ照合する
宛先・宛名・敬称任せない送信前に人が入れる・確かめる
約束・条件(補償、値引き、納期の保証など)任せない決裁した内容だけを人が書く
原因・責任の書き方表現の案は出させてよいどこまで認めるかを人が決める

AIで下書きした文書を送る前のチェックリスト

  • 日付・曜日・時刻が正しく、曜日と日付が食い違っていない
  • 金額・数量・品番・件数が、元の資料と一致している
  • 宛先のメールアドレス、宛名、会社名、敬称が正しい
  • CC・BCCに入れる人が正しく、入れてはいけない人が入っていない
  • 材料として渡していない事実や理由が、書き加えられていない
  • 決裁していない約束(補償、値引き、期限の保証など)が書かれていない
  • 【要確認】などの空欄や、AIへの指示文が消し忘れで残っていない
  • 社外秘の情報や、他の取引先の情報が混ざっていない

特にお詫び文では、AIが丁寧さを優先して「全額を補償いたします」「二度と起こらないことをお約束します」のように、会社として決めていない約束を書き込むことがあります。約束にあたる表現は、人が決めた内容以外は使わないように、頼み方の時点で指示しておきましょう。AIの出力を人が確認する仕組みの全体像は「AIの間違いを防ぐ『人の確認』はどう組み込むか」の記事でも説明しています。

お知らせ・依頼メール・報告書・お詫び文、種類ごとの下書きのコツ

社内のお知らせ

お知らせは「最後まで読まれない」ことを前提に書くのがコツです。AIには「冒頭の2行で、誰に・何が・いつから変わるかがわかるように」と頼み、詳しい説明は後ろに回させます。長い規程の改定内容などを渡して「社員向けに要点を3つにまとめて」と頼むと、伝わりやすいお知らせになります。対象者や日付を取り違えると混乱が大きいので、その部分は人が必ず確認します。

依頼メール

依頼メールは、相手が「何を・いつまでに・どうすればよいか」をすぐに理解できることが大切です。AIには「件名に依頼の内容と期限を入れる」「本文の最初に依頼の結論を書く」と指示します。同じ依頼を複数の相手に送る場合は、相手ごとに敬語の度合いを変えた下書きを一度に作らせると手間が省けます。ただし、宛名や個別の条件の差し替えは人が確かめてください。

報告書

報告書は、現場のメモや箇条書き、日報などをそのまま渡し、「事実・原因・対応・今後」の順に整理させると早く仕上がります。AIは時系列を整えたり要点をまとめたりするのが得意です。一方で、メモに書かれていない原因を推測して書き足してしまうことがあるため、「メモにない原因は書かない。推測が必要な部分は【要確認】とする」と指示しておきます。原因の判断と今後の対応は、必ず人が決めて書き入れます。

お詫び文

お詫び文は、言い回しの丁寧さよりも「何が起きたか」「相手にどんな影響があったか」「何をするか」が正確に書かれていることが大切です。AIには謝罪の表現と説明の順番を任せ、事実と対応は人が決めた内容だけを渡します。何度も繰り返す内容になりやすいので、「同じお詫びの言葉は2回まで」「言い訳に聞こえる表現は避ける」といった指示も効果があります。お客様からの苦情そのものへの対応の流れは「お客様からのクレーム・苦情対応をAIで効率化するには?」の記事で扱っています。

ポイント

どの種類の文書でも、AIの下書きをそのまま送るのではなく、「AIが書いた文を人が直す」ことを前提にします。直した箇所を文例集に反映していくと、次からの下書きがさらに自社の文書に近づきます。

文章作成AIを社内で使い始める手順と、気をつけること

文章作成AIを部署やチームで使い始めるときは、次の順番で進めるとつまずきにくくなります。

  1. よく書く文書を洗い出す:この1か月に書いたお知らせ・依頼・報告・お詫びなどを種類ごとに数え、時間がかかっているものから選ぶ
  2. 文例集と型をそろえる:選んだ種類について、よく書けた文例と言い回しの決まりごとをまとめる
  3. 頼み方のひな形を作る:種類ごとに「目的・相手・伝える事実・期限・トーン」の記入欄を用意する
  4. 確認のルールを決める:送る前のチェックリストを決め、社外に出す文書は誰が最終確認するかを決める
  5. 少人数で試して直す:2〜3人で2週間ほど使い、手直しが多かった部分を文例集やひな形に反映してから広げる

気をつけたいこと

  • 社外秘や個人情報の入力ルールを決める:お客様の氏名や取引条件などをAIに入れてよいか、会社として決めておきます。業務で使うなら、入力した内容がAIの学習に使われない設定や法人向けのサービスを選ぶことをおすすめします
  • 責任は送った人と会社にある:AIが書いた文書でも、社外に出した時点で会社の文書です。誤りがあったときに「AIが書いたので」は通用しません
  • 法令や契約にかかわる文書は専門家に確認する:解約の通知や契約条件の変更など、法的な意味を持つ文書は、AIの下書きをもとに担当者や専門家が確認してください
  • 使いっぱなしにしない:文例集やひな形は、使いながら月に1回程度見直すと、下書きの質が保たれます

当社のAI社員では、御社の過去の文書から文例集と言い回しの型を整え、社内チャットやメールの画面から種類を選んで材料を入れるだけで下書きが出てくる仕組みを、確認のルールまで含めてつくることができます。料金は初期費用+月5万円で、初期費用はヒアリング後にお見積もりします。文例やひな形の見直し、運用後の相談には回数の制限なく対応しています。「管理職が文書づくりに追われて本来の仕事に手が回らない」と感じている方は、まずはよく書く文書の洗い出しから一緒に始めてみませんか。お気軽にご相談ください。

よくある質問

文章作成AIで作った仕事のメールや文書は、そのまま送っても大丈夫ですか?

そのまま送るのはおすすめしません。言い回しはAIに任せてよいですが、日付・金額・宛先・約束にかかわる部分は、送る前に必ず人が元の資料と照らして確認してください。

文章作成AIに自社らしい文章を書かせるにはどうすればよいですか?

過去に送ったよく書けた文書を種類ごとに数通集めて文例集にし、書き出し・結び・敬語の度合いなどの決まりごとと一緒にAIに渡します。手直しした箇所を文例集に反映していくと、さらに自社の文書に近づきます。

お詫び文を文章作成AIに書かせても失礼になりませんか?

表現の丁寧さはAIが得意とするところなので、失礼な文になることは少ないです。ただし、起きた事実や補償・対応の約束は人が決めた内容だけを書かせ、決めていない約束が入っていないかを必ず確認してください。

報告書の作成に文章作成AIを使うときの注意点は?

現場のメモや日報を渡して整理させると早く仕上がりますが、メモにない原因をAIが推測で書き足すことがあります。「メモにないことは書かない」と指示し、原因の判断と今後の対応は人が書き入れてください。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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