サーバーとは?——頼まれたデータや画面を、ほかのパソコンに届けるコンピューターのこと
結論
サーバーとは、ほかのパソコンやスマホから頼まれたデータや画面を返す役目のコンピューターのことです。ホームページ、メール、社内の共有フォルダ、そしてAIも、どこかのサーバーの上で動いています。AIを使うときは、入力した文章やファイルがどこのサーバーに送られ、どう扱われるかを確かめておくことが大切です。
株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、サーバーの意味と仕組み、AIの仕組みを動かす場所としてのサーバー、社内サーバーとクラウドの違い、AIを社外のサーバーで動かすときの情報の扱いと確認することについて解説します。AIの導入を考えていると、「AIはどこのサーバーで動きますか」「社内サーバーに置きますか、クラウドにしますか」といった言葉を耳にします。なんとなく大事そうだけれど、サーバーが何なのか、自社のパソコンと何が違うのか、よくわからない。そう感じている経営者や管理職の方も多いのではないでしょうか。この記事では、サーバーとは何かを、たとえ話を使ってできるだけやさしく説明します。あわせて、サーバーの仕組み、AIの話でサーバーが出てくる場面、社内サーバーとクラウドの違い、AIを社外のサーバーで動かすときに確認しておきたいことをまとめます。
ひとことで言うと:サーバーは、頼まれたものを出してくれる「図書館のカウンター」
サーバーとは、ほかのパソコンやスマホから頼まれたデータや画面を返す役目のコンピューターのことです。英語の「serve(サーブ)」は「料理を出す」「仕える」という意味で、サーバーは「頼まれたものを出す係」と考えるとわかりやすくなります。反対に、頼む側のパソコンやスマホのことは「クライアント(頼む側)」と呼びます。
図書館のカウンターにたとえると
サーバーは、図書館のカウンターにたとえられます。利用者は「この本を借りたい」とカウンターで頼みます。係の人は奥の書庫から本を探して渡してくれます。利用者は書庫に入らなくても、頼めば本が手に入ります。
コンピューターの世界も同じです。スマホでホームページを開くと、スマホは「このページを見せてください」とサーバーに頼みます。サーバーはページのデータを探して、スマホに返します。
| 図書館のたとえ | コンピューターの世界 |
|---|---|
| 利用者 | クライアント(パソコンやスマホ) |
| カウンターの係の人 | サーバー |
| 「この本を借りたい」 | リクエスト(頼みごと) |
| 奥の書庫 | サーバーの中に保存されたデータ |
| 図書カード | ログインやパスワード(使ってよい人かを確かめる仕組み) |
ポイント
サーバーは特別な形の機械とは限りません。「頼まれたら返す」という役目を持っていれば、ふつうのパソコンでもサーバーになります。
もう少しくわしく:頼んでから画面が出るまでの4ステップと、サーバーの置き場所
サーバーとのやり取りは、おおむね次の4ステップで進みます。
- 頼む:パソコンやスマホが、インターネットや社内の回線を通じて、サーバーに頼みごとを送ります
- 確かめる:サーバーは、頼んできた相手が使ってよい人かを、ログインの情報などで確かめます
- 用意する:サーバーは、保存しているデータを探したり、計算したりして、返すものを用意します
- 返す:用意したデータや画面を、頼んできたパソコンやスマホに送り返します
サーバーは、たくさんの人から同時に頼まれても止まらないよう、一日中電源を入れたまま動かすのがふつうです。
社内サーバーとクラウドの違い
サーバーをどこに置くかには、大きく2つの考え方があります。自社の中に機械を置く「社内サーバー(オンプレミスとも呼びます)」と、専門の会社が持つサーバーをインターネット越しに借りる「クラウド」です。
| 比べる点 | 社内サーバー | クラウド |
|---|---|---|
| 機械の持ち主 | 自社 | クラウドを提供する会社 |
| 置き場所 | 自社の事務所やサーバー室 | 提供会社のデータセンター(サーバーを集めた建物) |
| 始めるまでの手間 | 機械を買って設定する必要がある | 申し込めばすぐ使える場合が多い |
| 故障や停電への備え | 自社で対応する | 主に提供会社が対応する |
| データの置き場所 | 社内にとどまる | 社外に置かれる。扱いは契約や規約による |
どちらが正しいということはありません。扱うデータの重さや、管理できる人がいるかで選びます。
どんなときに出てくる?——AIを使う場面とAIを作る場面
AIを使う場面
ChatGPTのような文章を作るAIを使うとき、AIそのものは手元のパソコンではなく、提供会社のサーバーで動いています。画面に質問を打ちこむと、その文章がサーバーに送られます。サーバーの上のAIが答えを作り、画面に返します。つまりAIに入力した文章やファイルは、いったん社外のサーバーに届いているということです。
このため、AIの利用規約や設定画面には、次のような言い回しがよく出てきます。
- 「入力されたデータを、AIの学習に使わない設定にできます」
- 「データは〇〇の地域のサーバーで処理されます」
- 「サーバーが混み合っています。しばらくしてからお試しください」
AIを作る場面
自社の業務に合わせたAIの仕組みを作るときは、「その仕組みをどのサーバーで動かすか」を決めます。たとえば、毎朝メールを読んで返信の下書きを作る仕組みなら、一日中動いているサーバーに置いておく必要があります。担当者のパソコンに置くと、電源を切った間は止まってしまうからです。
よく一緒に出てくる言葉——クライアント・クラウド・データセンターなど
サーバーの話をしていると、次のような言葉もよく出てきます。ここでは名前と関係だけを押さえておきましょう。
| 用語 | ひとこと説明 | サーバーとの関係 |
|---|---|---|
| クライアント | サーバーに頼みごとをする側のパソコンやスマホ | サーバーと対になる言葉 |
| クラウド | インターネット越しに借りて使うサーバーやサービス | サーバーを自分で持たずに借りる形 |
| オンプレミス | サーバーを自社の中に置いて使う形 | クラウドと対になる置き方 |
| データセンター | たくさんのサーバーを集めて管理する専用の建物 | クラウドのサーバーが置かれている場所 |
| API(エーピーアイ) | ソフト同士がデータをやり取りするための決まった窓口 | AIのサーバーに仕組みから頼みごとを送るときに使う |
仕事ではどう関係する?——AIを社外のサーバーで動かすときの情報の扱い
中小企業でサーバーが話題になるのは、主に「AIに社内の情報を入れても大丈夫か」を考えるときです。サーバーを知っておくと、何を確かめればよいかがわかります。
サーバーを知っているとできること
| 場面 | できること |
|---|---|
| AIを選ぶとき | 入力した情報がどこに送られ、どう扱われるかを比べられる |
| 社内ルールを作るとき | 社外のサーバーに送ってよい情報と、送らない情報を分けられる |
| 仕組みづくりを頼むとき | 「どこで動かすか」「止まったら誰が直すか」を最初に話し合える |
| トラブルのとき | 自社のパソコンの問題か、サーバー側の問題かを切り分けやすくなる |
注意点
- 入力した情報の行き先:AIに入れた文章は社外のサーバーに届きます。学習に使われない設定かどうかを確かめます
- 個人情報の扱い:顧客や従業員の個人情報を送る場合は、社内ルールや法令に沿った扱いが必要な場合があります。最新の情報は公式サイトや専門家に確認してください
- 止まることがある:サーバーが混雑や故障で止まると、AIも使えなくなります。止まったときに手作業で続ける方法を決めておきます
- 鍵の管理:サーバーに入るためのパスワードやAPIキー(合言葉)が漏れると、データを読まれるおそれがあります
AIの仕組みを依頼・導入する前のチェックリスト
- AIの仕組みが、どこのサーバー(社内・クラウド・AIの提供会社)で動くか説明を受けたか
- 入力した情報がAIの学習に使われない設定になっているか
- 社外のサーバーに送ってよい情報と、送らない情報を社内で決めたか
- サーバーが止まったときの連絡先と、手作業での代わりの方法を決めたか
- パスワードやAPIキーを誰が管理するか決めたか
- サーバーの利用料が、仕組みの料金とは別にかかるか確認したか
大切なのは、サーバーという言葉を覚えることより、どの業務のどの手間をなくしたいかをはっきりさせることです。目的が決まれば、どんな情報を送るか、どこで動かせば安心かも自然と決まります。
当社の「AI社員」は、会社ごとの業務に合わせてAIの仕組みを作り、運用まで支える月額のサービスです。仕組みを動かすサーバーの用意や、止まったときの対応は保守として当社が行います。料金は初期費用+月5万円で、保守・相談・メンテナンスは回数の制限なくご利用いただけます。初期費用は業務の内容をお聞きしたうえでお見積もりします。なお、AIの利用料は実費となります。「この情報をAIに入れても大丈夫か」といったご相談も、お気軽にお寄せください。
よくある質問
サーバーとは簡単に言うと何ですか?
ほかのパソコンやスマホから頼まれたデータや画面を返す役目のコンピューターです。ホームページやメール、AIも、どこかのサーバーの上で動いています。
サーバーとクラウドの違いは何ですか?
サーバーは「頼まれたものを返すコンピューター」そのものです。クラウドは、専門の会社が持つサーバーをインターネット越しに借りて使う形のことで、サーバーの置き方・使い方の一つです。
AIに入力した内容は、サーバーに保存されますか?
AIの種類や契約、設定によって扱いが違います。入力した内容が保存される期間や、AIの学習に使われるかどうかは、利用規約や設定画面で確認してください。
AIを使うために自社でサーバーを買う必要はありますか?
多くの場合は必要ありません。AIの提供会社やクラウドのサーバーを借りて使うのが一般的です。社外に出せない情報を扱う場合など、社内にサーバーを置くことを検討する場面もあります。