CI/CDとは?——プログラムを直すたびに、自動で確かめて、自動で使える場所に届ける流れのこと
結論
CI/CD(シーアイ・シーディー)とは、プログラムを直すたびに、正しく動くかの確かめと、実際に使える場所への届けを、人の手ではなく自動で行う流れのことです。CIはContinuous Integration(継続的インテグレーション)、CDはContinuous Delivery / Deployment(継続的デリバリー/デプロイ)の略です。手作業のうっかりミスが減り、小さな手直しを早く安全に届けられるようになります。
株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、CI/CD(シーアイ・シーディー)の意味と仕組み、AIの仕組みづくりで出てくる場面、よく一緒に出てくる言葉、経営者・管理職が知っておきたい効果と確認ポイントについて解説します。システムやAIの仕組みづくりを外部に頼むと、「CI/CDを整えてあるので、修正はすぐ反映できます」「CIが落ちたので直してから出します」といった説明を受けることがあります。品質に関係する話らしいけれど、自社にとって何が良いのか、どこまで気にすればよいのか、よくわからない。そう感じている経営者や管理職の方も多いのではないでしょうか。この記事では、CI/CDとは何かを、たとえ話を使って専門用語をできるだけ使わずに説明します。あわせて、CI/CDの流れ、どんな場面でこの言葉が出てくるか、よく一緒に出てくる言葉、仕事で知っておきたい確認ポイントと、最後に少し専門的な補足をまとめます。
ひとことで言うと:CI/CDは、パン工場の「自動検品ラインと自動配送」
CI/CD(シーアイ・シーディー)とは、プログラムを直すたびに、自動で確かめて、自動で使える場所に届ける流れのことです。CIが「確かめる」部分、CDが「届ける」部分を受け持ちます。
パン工場にたとえると
あるパン工場では、職人がレシピを少し変えるたびに、ベルトコンベアに乗ったパンが自動で検品機を通ります。重さ・焼き色・形が決まりどおりかを機械が調べ、1つでも外れたらラインが止まり、職人に知らせます。合格したパンだけが自動で箱づめされ、トラックでお店に届きます。
もし検品も配送も人の手だけでやっていたら、忙しい日に確認を忘れたり、古いパンを届けてしまったりするかもしれません。CI/CDは、この「毎回同じ検品」と「合格品だけを届ける」をプログラムの世界で自動にしたものです。
| パン工場のたとえ | CI/CDの世界 |
|---|---|
| 職人がレシピを変える | 作る人がプログラムを直す |
| 自動の検品機 | CI(直すたびに、自動でテスト〈正しく動くかの確かめ〉をする) |
| 検品で外れたらラインが止まる | テストに失敗したら、先に進めず作る人に知らせる |
| 合格品の自動箱づめ・配送 | CD(合格したプログラムを、自動で使える場所に届ける) |
| お店の棚 | 本番環境(社員やお客様が実際に使う場所) |
ポイント
CI/CDの目的は「速さ」だけではありません。毎回同じ手順で確かめるので、人によって確認の質がばらつかないことが大きな価値です。
もう少しくわしく:CI/CDでプログラムが届くまでの5ステップ
CI/CDの流れは、おおむね次の5つのステップで進みます。ここで大切なのは、2つ目より後が人がボタンを押さなくても自動で進むことです。
- 直して置き場所に送る:作る人がプログラムを直し、共有の置き場所(GitHubなど)に送ります
- 自動で組み立てる:送られたことをきっかけに、プログラムを動かせる形に自動でまとめます(ビルド)
- 自動で確かめる:前もって用意した確認項目(テスト)を自動で実行します。ここまでがCIです
- 自動で届ける:テストに合格したら、ためし用の場所や本番環境に自動で置きます(デプロイ)。ここがCDです
- 結果を知らせる:成功・失敗をチャットやメールで関係者に知らせます。失敗したら、届けずに止まります
手作業の場合との違い
| 比べる点 | 手作業で確かめて届ける | CI/CDで自動にする |
|---|---|---|
| 確認の質 | 担当者や忙しさで変わる | 毎回同じ項目を同じように確かめる |
| 直してから届くまで | まとめて出すことが多く、間があく | 小さな直しをこまめに届けられる |
| 不具合の見つけ方 | 使い始めてから気づくことがある | 届ける前にテストで止まりやすい |
| 属人化(特定の人しかできないこと) | 手順を知る人がいないと出せない | 手順が仕組みとして残る |
どんなときに出てくる?——AIを使う場面とAIを作る場面
AIを使う場面
プログラムを書く手伝いをするAIが増え、AIが書いたプログラムをそのまま使う場面も出てきました。AIの書いたプログラムは、一見正しそうでも細かいところが間違っていることがあります。そのため、「AIが書いたものもCIのテストを通してから使う」というやり方が広がっています。CI/CDは、AIの書いたものを人が全部読まなくても、最低限の品質を守るための関所の役割をします。
AIを作る場面
業務用のAIの仕組みを作ってもらうと、次のような言い回しを耳にします。
- 「CI/CDを整えてあるので、修正は当日中に反映できます」
- 「CIが落ちた(テストに失敗した)ので、原因を直してから出します」
- 「AIへの指示文を変えたときも、決まった質問への答えを自動で確かめています」
最後の例のように、AIの仕組みでは、プログラムだけでなくAIへの指示文や参考資料を変えたときに、答えがおかしくならないかを確かめることも大切です。これをCIの中で自動で行う会社もあります。
よく一緒に出てくる言葉——テスト・ビルド・デプロイ・パイプラインなど
CI/CDの話をしていると、次のような言葉もよく出てきます。ここでは名前と関係だけを押さえておきましょう。
| 用語 | ひとこと説明 | CI/CDとの関係 |
|---|---|---|
| テスト | プログラムが決まりどおりに動くかを確かめること | CIの中心。自動で実行される |
| ビルド | プログラムを動かせる形にまとめること | テストの前に自動で行われる |
| デプロイ | プログラムを使える場所に置いて、動かせる状態にすること | CDで自動化される作業 |
| パイプライン | 組み立て→確かめ→届けの一連の流れ | CI/CDの流れ全体をこう呼ぶことが多い |
| GitHub(ギットハブ) | プログラムを変更の記録と一緒に共有するサービス | ここにプログラムが送られたことがCI/CDのきっかけになる |
仕事ではどう関係する?——経営者が知っておきたい効果と確認ポイント、専門的な補足
中小企業でCI/CDが関わるのは、主に、システムやAIの仕組みを外部に作ってもらい、その後も手直しを続けてもらうときです。CI/CDが整っていると、「この言い回しを直してほしい」「項目を1つ足してほしい」といった小さな頼みごとが、早く、壊れにくく届くようになります。反対に、確かめが手作業だけだと、直したら別のところが動かなくなった、ということが起きやすくなります。
経営者や管理職がCI/CDを組み立てる必要はありません。ただ、次の注意点は知っておきましょう。
- テストの中身:CI/CDがあっても、確認項目が少なければ見逃しは出ます。大事な業務の流れが確認項目に入っているかが大切です
- 自動で本番に届く範囲:どこまで自動で、どこから人の承認をはさむかを決めておきます
- 失敗したときの知らせ先:テストに失敗したとき、誰が気づいて、誰が直すかを決めておきます
- 手順の持ち主:委託先が変わっても、その仕組みを引き継げるかを確認します
委託先にCI/CDについて聞いておきたいこと
- 直したプログラムは、自動でテストしてから届けているか
- テストには、自社の大事な業務の流れが入っているか
- AIへの指示文を変えたときも、答えを確かめる仕組みがあるか
- 本番に届ける前に、人が承認する段階はあるか
- 失敗したら届けずに止まり、元に戻せるか
- CI/CDの道具の利用料はかかるか(料金は変わるため、最新の情報は公式サイトや見積もりで確認)
専門的な補足:CDの2つの意味
CDには2つの意味があります。継続的デリバリー(Continuous Delivery)は、テストに合格したプログラムを「いつでも本番に出せる状態」まで自動で用意し、最後の本番反映は人が承認して行うやり方です。継続的デプロイ(Continuous Deployment)は、合格したら人の承認なしで本番まで自動で届けるやり方です。業務への影響が大きい仕組みでは、まず継続的デリバリーから始め、人の確認をはさむことが多くあります。また、CI/CDの流れを動かす道具には、GitHubに組みこまれた機能(GitHub Actions〈アクションズ〉など)や、専用のサービスがあります。
つまり大切なのは、CI/CDという言葉そのものより、どの業務のどの手間をなくしたいかと、その仕組みを壊さずに直し続けられるかです。
当社の「AI社員」は、会社ごとの業務に合わせてAIの仕組みを作り、運用まで支える月額のサービスです。手直しや確かめ、本番への反映は保守として当社が行うため、お客様がCI/CDを用意する必要はありません。料金は初期費用+月5万円で、保守・相談・メンテナンスは回数の制限なくご利用いただけます。初期費用は業務の内容をお聞きしたうえでお見積もりします。なお、AIの利用料は実費となります。
よくある質問
CI/CDとは簡単に言うと何ですか?
プログラムを直すたびに、正しく動くかを自動で確かめ(CI)、合格したものを自動で使える場所に届ける(CD)流れのことです。手作業のうっかりミスを減らし、小さな手直しを早く届けられます。
CIとCDの違いは何ですか?
CI(継続的インテグレーション)は、直したプログラムを自動で組み立てて、テストで確かめる部分です。CD(継続的デリバリー/デプロイ)は、合格したプログラムを使える場所まで自動で届ける部分です。
継続的デリバリーと継続的デプロイの違いは?
継続的デリバリーは、いつでも本番に出せる状態まで自動で用意し、最後の反映は人が承認するやり方です。継続的デプロイは、テストに合格したら人の承認なしで本番まで自動で届けるやり方です。
小さな会社でもCI/CDは必要ですか?
自社で作業をする必要はありませんが、仕組みを外部に作ってもらい、手直しを続けるなら、委託先にCI/CDがあるかは品質の目安になります。料金のかかる道具もあるため、最新の情報は公式サイトや見積もりで確認してください。