Python(パイソン)とは?読み方と何ができるかを簡単に解説
結論
Python(パイソン)とは、コンピューターに「この順番でこの仕事をして」と伝えるための言葉(プログラミング言語)の一つです。英語に近い短い書き方で読みやすく、AIを作ったり使ったりするための便利な部品が多くそろっているため、AI開発や、集計・転記・ファイル整理といった業務の自動化でよく使われています。経営者がPythonを書けるようになる必要はありませんが、意味を知っておくと、委託先の説明や見積もりを理解しやすくなります。
株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、Python(パイソン)の意味と、AIづくりや業務の自動化で使われる理由、よく一緒に出てくる言葉、委託先から「Pythonで作ります」と言われたときに確認することについて解説します。AIの導入を相談していると、「この仕組みはPythonで作ります」「毎朝Pythonのプログラムが動いて集計します」といった説明を耳にすることがあります。名前は聞いたことがあるけれど、何をするものなのか、なぜみんながPythonを使うのか、よくわからない。そう感じている経営者や管理職の方も多いのではないでしょうか。この記事では、Pythonとは何かを、たとえ話を使って専門用語をできるだけ使わずに説明します。あわせて、Pythonで仕事が自動で動く仕組み、どんな場面でこの言葉が出てくるか、よく一緒に出てくる言葉、委託先から「Pythonで作ります」と言われたときに確認しておきたいことをまとめます。
ひとことで言うと:Pythonは、コンピューターに仕事の手順を伝えるための「言葉」
Python(パイソン)とは、コンピューターに仕事の手順を伝えるための言葉の一つです。このような言葉をまとめて「プログラミング言語」と呼び、Pythonのほかにも、Java(ジャバ)、JavaScript(ジャバスクリプト)、Excelのマクロで使うVBA(ブイビーエー)など、たくさんの種類があります。名前は英語でニシキヘビを意味する言葉と同じですが、ヘビとは関係なく、作者が好きだったテレビ番組から名づけられたと言われています。
料理のレシピにたとえると
Pythonは、料理のレシピにたとえるとわかりやすくなります。レシピには「玉ねぎを切る」「フライパンで5分いためる」「塩をひとつまみ入れる」と、手順が上から順番に書いてあります。レシピさえあれば、作る人が変わっても同じ料理ができます。
コンピューターも同じです。「このフォルダの請求書ファイルを全部開く」「金額の欄を読み取る」「合計を表にまとめる」と手順を書いておけば、コンピューターはその通りに何度でも、同じように仕事をしてくれます。この手順書のことを「プログラム」と呼び、Pythonはそのプログラムを書くための言葉です。
| 料理のたとえ | Pythonの世界 |
|---|---|
| レシピの書き方(言葉) | Python(プログラミング言語) |
| 書き上がったレシピ | プログラム(仕事の手順書) |
| 作る人 | コンピューター |
| 市販の合わせ調味料 | ライブラリ(よく使う処理をまとめた便利な部品集) |
| できあがった料理 | 集計表・AIの答え・作られたファイルなどの結果 |
ポイント
Pythonは「道具の名前」ではなく「書き方の名前」です。「Pythonで作る」とは、「Pythonという言葉で手順書(プログラム)を書いて仕組みを作る」という意味です。
読み方と名前の由来
Pythonは、日本では「パイソン」と読みます。英語の発音に近づけて「パイサン」と書かれることもありますが、仕事の場では「パイソン」で通じます。名前の由来は、作者であるオランダ出身のプログラマー、グイド・ヴァン・ロッサムさんが好きだったイギリスのコメディ番組「空飛ぶモンティ・パイソン」です。ロゴにはヘビが描かれていますが、名前のもとはヘビではなく番組名です。最初の版は1991年に公開され、いまも改良が続けられています。現在ふつうに使われているのは「Python 3(パイソン スリー)」と呼ばれる版です。
もう少しくわしく:Pythonで仕事が自動で動くまでの4ステップと、よく使われる理由
Pythonで書いたプログラムが仕事をするまでの流れは、次の4つのステップです。
- 手順を書く:人(またはAI)が、やってほしい仕事の手順をPythonで書き、ファイルとして保存します
- 部品を借りる:表計算ファイルを読む、AIに質問を送る、といったよくある処理は、ライブラリ(便利な部品集)を使って短く書きます
- 動かす:パソコンやサーバー(会社やインターネット上で動き続けるコンピューター)でプログラムを動かします。毎朝9時など、決まった時刻に自動で動かすこともできます
- 結果を受け取る:集計表ができる、メールの下書きが作られる、システムにデータが登録される、といった結果が残ります
AIや自動化でPythonがよく選ばれる理由
| 理由 | どういうことか |
|---|---|
| 読みやすい | 英語に近い短い書き方なので、作った人以外も中身を追いやすい |
| AI向けの部品が多い | AIを作る・使うためのライブラリが多く公開されている |
| 表やファイルの扱いが得意 | Excel・CSV(表形式の文字データ)・PDFなど、事務で使うファイルを読み書きしやすい |
| 使う人が多い | 使い方の情報や、作れる技術者が見つけやすい |
| 無料で使える | Pythonそのものは誰でも無料で使える形で公開されている |
ほかの言葉でも同じことはできますが、「AIを使う」「事務のファイルを扱う」という2つがそろう場面では、Pythonが選ばれることが多くあります。
Pythonで何ができる?——仕事での具体例と、ほかのプログラミング言語との違い
Pythonでできることは幅広いですが、中小企業の仕事に近いものに絞ると、次のような例があります。どれも「人が毎回同じ手順でやっているパソコン作業」を、プログラムに代わりにやらせるものです。右の列は、そこにAIを組み合わせた場合の例です。
| できること | 仕事での具体例 | AIと組み合わせると |
|---|---|---|
| 表・ファイルの集計 | 拠点ごとのExcelの売上表を1つにまとめ、月別・担当者別に集計する | 集計結果から「先月と比べて目立つ点」の説明文をAIが下書きする |
| 書類の読み取りと転記 | メールで届いたPDFの注文書から品名・数量を取り出し、受注の一覧表に書き込む | 書式がばらばらな注文書でも、AIが項目を読み取る |
| ファイルの整理 | 請求書のファイル名を「日付_取引先_金額」にそろえ、取引先ごとのフォルダに振り分ける | AIがファイルの中身を読んで、どの取引先の書類かを判断する |
| メール・チャットの自動送信 | 毎朝、前日の問い合わせ件数をチャットに送る。期限が近い案件を担当者に知らせる | AIが問い合わせの内容を分類し、返信の下書きを作る |
| システム同士のデータの受け渡し | 予約システムのデータを、顧客管理の表に毎日写す | AIが入力内容の抜けや食い違いを見つける |
| データの分析・グラフ化 | 過去の販売データから、曜日別・季節別の傾向をグラフにする | AIが傾向を文章で説明し、仕入れの目安づくりを手伝う |
| Webからの情報集め | 公開されている情報を決まった時間に確認し、変化があれば知らせる(相手のサイトの利用ルールを守ることが前提) | 集めた文章をAIが要約する |
| AIの仕組みづくりそのもの | 社内の規程やマニュアルを読み込ませ、社員の質問に答えるAIを作る | AIが中心で、Pythonはその土台になる |
反対に、Pythonがあまり選ばれない場面もあります。スマートフォンのアプリそのものを作る、Webページの画面の動きを作る、ゲームのように速い動きが必要なものを作る、といった場面では、ほかの言語が選ばれることが多くあります。
ほかのプログラミング言語との違い
プログラミング言語には、それぞれ得意な分野があります。「どれが一番すごいか」ではなく、「何を作るのに向いているか」で使い分けられています。代表的なものをざっくり比べると、次のようになります。
| 言語など | 主に使われる場面 | Pythonとの違い(ざっくり) |
|---|---|---|
| Python(パイソン) | AI、データの集計・分析、事務作業の自動化 | 読みやすさと、AIや表を扱う部品の多さが強み |
| JavaScript(ジャバスクリプト) | Webページの動き、Webサービスの画面 | Webの画面まわりが中心。Pythonは裏側の処理や自動化で使われることが多い |
| Java(ジャバ) | 大きな会社の業務システムなど、規模の大きい仕組み | 決まりごとが多く大規模向け。Pythonは短く書けて小さく始めやすい。なお、JavaとJavaScriptは名前が似ていますが別の言語です |
| VBA(ブイビーエー) | ExcelやAccessなど、Officeソフトの中の自動化 | Officeの中だけなら手軽。Office以外のファイルやAI、システムをまたぐ自動化はPythonのほうが向いている |
| C言語・C++(シープラスプラス) | 機械の制御、とても速く動く必要があるソフト | 動作は速いが書くのが難しい。Pythonは速さより書きやすさを優先している |
| RPA(言語ではない) | 画面のクリックや入力をまねて、決まった操作をくり返す | プログラムを書かずに、画面の操作を記録して動かす道具。くわしくはRPA(アールピーエー)とは?で説明しています |
ポイント
委託先がどの言語を使うかは、作るものとの相性、作れる技術者の集めやすさ、あとから直しやすいかで決まります。経営者が言語を選ぶ必要はなく、「なぜその言語なのか」「作った人以外も直せるか」を聞いておけば十分です。
どんなときに出てくる?——AIを使う場面とAIを作る場面
AIを使う場面
対話型のAI(ChatGPTなど)にExcelファイルを渡して「月別の売上をグラフにして」と頼むと、画面に「分析しています」「コードを実行しています」と表示されることがあります。このとき裏側では、AIが自分でPythonのプログラムを書き、それを動かして集計やグラフづくりをしている場合があります。AIは計算そのものが得意ではないため、正確な計算が必要なところをPythonに任せているわけです。
また、「この作業を自動にするPythonのプログラムを書いて」とAIに頼むと、プログラムを書いてくれることもあります。ただし、そのまま動かしてよいかを判断するには、ある程度の知識が必要です。
AIを作る場面
システム会社やAIの会社に業務の自動化を相談すると、次のような言い回しを耳にします。
- 「受注メールを読み取ってAIで整理する部分は、Pythonで作ります」
- 「Pythonのスクリプト(短いプログラム)を毎朝動かして、前日分を集計します」
- 「社内のサーバーにPythonが入っていれば、そこで動かせます」
いずれも、「Pythonという言葉で手順書を書き、どこかのコンピューターで自動で動かす」という意味です。どこで動かすのか(社員のパソコンか、社内のサーバーか、インターネット上のサービスか)は、仕組みの止まりにくさや費用に関わるので、確認しておきたい点です。
よく一緒に出てくる言葉——ライブラリ・スクリプト・APIなど
Pythonの話をしていると、次のような言葉もよく出てきます。ここでは名前と関係だけを押さえておきましょう。
| 用語 | ひとこと説明 | Pythonとの関係 |
|---|---|---|
| プログラミング言語 | コンピューターに手順を伝えるための言葉の総称 | Pythonはその中の一つ |
| ライブラリ | よく使う処理をまとめた、借りて使える部品集 | Pythonは、AIや表の処理に使えるライブラリが多い |
| スクリプト | 決まった作業を自動でこなす、短めのプログラム | 「Pythonスクリプト」と呼ばれることが多い |
| API(エーピーアイ) | ソフト同士がデータをやり取りするための決まった窓口 | PythonからAPIを通じて、AIや社内システムに頼みごとをする |
| GitHub(ギットハブ) | プログラムの置き場所と変更の記録を共有するサービス | 書いたPythonのプログラムを保管・共有するのによく使われる |
| VBA(ブイビーエー) | Excelなどのマクロ(自動の操作)を書くための言葉 | Excelの中だけの自動化ならVBA、もっと広い自動化ならPythonと使い分けられることがある |
仕事ではどう関係する?——「Pythonで作ります」と言われたときに確認すること
中小企業でPythonが関わるのは、主に「人が毎日くり返している、決まった手順のパソコン作業」を自動にするときです。たとえば、メールで届いた注文書の内容を読み取って表にまとめる、複数の拠点から届く日報を集計する、請求書のファイル名をそろえてフォルダに振り分ける、といった作業です。ここにAIを組み合わせると、「読み取る・判断する」ところまで自動にできる場合があります。
仕事でPythonに関わる場面
中小企業の経営者や管理職が「Python」という言葉に出会うのは、たとえば次のような場面です。
| 場面 | よくある言い回し | 押さえておくこと |
|---|---|---|
| 委託先の提案書・見積書を読むとき | 「開発言語:Python」「Pythonで自動化スクリプトを作成」 | 言語より、どこで動かすか・誰が保守するかを確認する |
| 社内のシステムとつなぐ話が出たとき | 「PythonからAPIで連携します」 | つなぐ先のシステムに窓口があるかを確かめる。API連携とは?も参考になります |
| 社員が自分で自動化を始めたとき | 「Pythonを勉強して集計を自動にしました」「AIにPythonのコードを書いてもらいました」 | 便利になる一方、その社員しか直せない状態になりやすい。置き場所と説明書を残してもらう |
| 前任者が作った仕組みが止まったとき | 「Pythonのプログラムがエラーで動きません」 | 直せる人がいるか、手作業に戻す方法があるかを先に決めておく |
| 採用や研修を考えるとき | 「Python経験者歓迎」「Python研修」 | 社内で作るのか、外に任せるのかを先に決めると、必要な人材や研修が見えてくる |
経営者や管理職がPythonを書けるようになる必要はありません。ただ、Pythonで作られた仕組みは、作った人がいなくなったときや、動かしているパソコンが壊れたときに止まりやすい、という面があります。委託先や社内の詳しい人に頼むときは、次の点を確認しておくと安心です。
「Pythonで作ります」と言われたときのチェックリスト
- どのコンピューターで動かすのか(社員のパソコン・社内のサーバー・インターネット上のサービス)
- そのコンピューターが止まったとき、誰が気づいて、どう動かし直すのか
- 書いたプログラムの置き場所と、自社でも中身を受け取れるか
- 動かし方・直し方の説明書(手順のメモ)を残してもらえるか
- 作った人以外でも直せるか、直すのは誰か(保守の担当)
- パスワードやAPIキー(APIを使うための合言葉)を、プログラムの中にそのまま書いていないか
- 動かなかったときに、手作業で業務を続ける方法があるか
つまり大切なのは、Pythonという言葉そのものより、どの業務のどの手間をなくしたいかと、作ったあと誰が面倒を見るかです。
当社の「AI社員」は、会社ごとの業務に合わせてAIの仕組みを作り、運用まで支える月額のサービスです。仕組みづくりにはPythonなどを使いますが、お客様がプログラムを書いたり読んだりする必要はありません。止まったときの対応や手直しは保守として当社が行います。料金は初期費用+月5万円で、保守・相談・メンテナンスは回数の制限なくご利用いただけます。初期費用は業務の内容をお聞きしたうえでお見積もりします。なお、AIの利用料は実費となります。「この作業は自動にできるのか」とお悩みでしたら、なくしたい作業を教えていただければ、どこまで任せられそうかを一緒に確かめることができます。
よくある質問
パイソン(Python)とは何ですか?
パイソン(Python)とは、コンピューターに仕事の手順を伝えるためのプログラミング言語の一つで、英語では「Python」と書きます。文が読みやすく、AIや表・ファイルを扱うための部品がそろっているため、AIづくりや事務作業の自動化でよく使われています。
パイソンとはどんなプログラミング言語ですか?
パイソン(Python)とは、英語に近い短い書き方で、読みやすく書きやすいことが特徴のプログラミング言語です。1991年に最初の版が公開され、AI開発、データの集計・分析、事務作業の自動化など幅広い仕事で使われています。
Pythonの読み方と、名前の由来は何ですか?
日本では「パイソン」と読みます。名前は、作者が好きだったイギリスのコメディ番組「空飛ぶモンティ・パイソン」から付けられたもので、英語でニシキヘビを意味する言葉と同じですが、ヘビが由来ではありません。
Pythonとは簡単に言うと何ですか?
コンピューターに仕事の手順を伝えるための言葉(プログラミング言語)の一つです。読みやすく、AIや表・ファイルを扱う部品が多いため、AI開発や業務の自動化でよく使われます。
PythonとExcelのマクロ(VBA)の違いは何ですか?
VBAは主にExcelなどの中で操作を自動にするための言葉で、PythonはExcelに限らず、ファイル・メール・AI・社内システムなどをまたいだ自動化に使える言葉です。Excelの中だけで完結する作業ならVBAで足りることもあります。
Pythonは難しいですか?経営者や社員が覚える必要はありますか?
プログラミング言語の中では読みやすいと言われますが、仕事で使える仕組みを作るには学習が必要です。経営者が書けるようになる必要はなく、何を自動にしたいかと、作ったあと誰が面倒を見るかを決められれば十分です。
Pythonを使うのにお金はかかりますか?
Pythonそのものは無料で使えます。ただし、仕組みを作る人の費用、動かすコンピューターやサービスの費用、AIを使う場合はAIの利用料などが別にかかることがあります。各サービスの料金は変わるため、最新の情報は公式サイトで確認してください。