AI(人工知能)とは?——人が考えてやっていたことの一部を、コンピューターがまねしてできるようにした仕組み
結論
AI(エーアイ)とは、文字を読む・見分ける・予想する・文章を書くといった、これまで人が考えてやっていたことの一部を、コンピューターがまねしてできるようにした仕組みのことです。正式には「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」といい、日本語では「人工知能」と呼ばれます。AIはたくさんの例からパターン(よくある決まった形)を学んで動くため、得意な作業では人より速く進められる一方、まちがえることもあるので、人の確認と組み合わせて使うのが基本です。
株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、AI(人工知能)の意味と何の略か、AIが動く仕組み、できること・注意点、生成AI・機械学習・LLMなど一緒に出てくる言葉との関係について解説します。テレビやニュース、取引先との会話で「AIを使えば」「AIに任せれば」という言葉を聞かない日はないほどになりました。なんとなく「かしこいコンピューター」のことだとは思っていても、何ができて何ができないのか、生成AIや機械学習とどう違うのかを聞かれると、うまく説明できないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、AIとは何かを身近なたとえ話で説明し、仕組み、よく出てくる場面、一緒に出てくる言葉、仕事で使うときの注意点を順にまとめます。文章や画像を新しく作る「生成AI」については別の記事「生成AIとは?」でくわしく解説しているため、この記事ではAIという言葉全体の意味を中心に扱います。
ひとことで言うと:AIとは、人の「考える作業」の一部をコンピューターがまねする仕組み
AI(エーアイ)とは、人が考えてやっていたことの一部を、コンピューターがまねしてできるようにした仕組みのことです。英語の「Artificial Intelligence」の頭文字で、Artificialは「人の手で作った」、Intelligenceは「知能(考える力)」という意味です。そのため日本語では「人工知能」と呼ばれます。
部活の新入部員にたとえると
サッカー部に入ったばかりの新入部員を思い浮かべてください。最初は、どこにパスを出せばよいか分かりません。でも、先輩の試合の映像をたくさん見て、「この場面ではこう動くことが多い」というパターンを覚えていくと、だんだん自分で判断できるようになります。
AIもこれと似ています。たくさんの例(データ)を見て、「こういうときは、こう答えることが多い」というパターンを学びます。学んだあとは、初めて見るものに対しても、それらしい答えを出せるようになります。
| 新入部員のたとえ | AIの世界 |
|---|---|
| 先輩の試合の映像 | 学習に使うデータ(文章・画像・数字など) |
| 映像を見てパターンを覚えること | 学習(データからパターンを見つけること) |
| 試合で自分で判断すること | 新しいデータに対して答えを出すこと |
| ときどき判断をまちがえる | AIもまちがえることがある |
ポイント
AIは「何でも分かる機械」ではありません。学んだパターンをもとに「それらしい答え」を出す仕組みです。だからこそ、得意なことと苦手なことがあります。
もう少しくわしく:AIが動く流れと、できることを表で整理する
AIが仕事で使えるようになるまでの流れは、おおむね次のとおりです。
- データを集める:文章、画像、過去の数字など、学ぶための例をたくさん用意する
- 学習させる:コンピューターがデータの中から「よくあるパターン」を見つける
- 使う:新しい文章や画像を渡すと、学んだパターンをもとに答えを出す
- 人が確かめる:出てきた答えが正しいかを人が見て、必要なら直す
ふだん会社でAIを使うときは、1と2はAIを作った会社がすでに終えていることがほとんどです。使う側は、3と4を自社の業務に合わせて組み立てることになります。
AIができることを、大きく分けると次のようになります。
| できること | どんな作業か | 仕事での例 |
|---|---|---|
| 読み取る | 文字や画像の中身を読んで、データにする | 紙の注文書や請求書の文字を読み取る |
| 見分ける・分ける | 内容を見て、種類ごとに仕分ける | 問い合わせメールを「見積もり」「苦情」などに分ける |
| 予想する | 過去の数字から、この先の数字を見積もる | 来月よく売れそうな商品の数を予想する |
| 作る | 文章や画像などを新しく作る | 返信メールや報告書の下書きを作る |
| 要約する | 長い内容を短くまとめる | 会議の記録から要点と次にやることを抜き出す |
どんなときに出てくる?:身近な道具の中のAIと、仕事でAIを使う場面
AIを使う場面
AIは、気づかないうちに身近な道具の中で使われています。スマートフォンの顔認証(顔を見て本人かどうか見分ける機能)、迷惑メールの自動振り分け、地図アプリの渋滞予測なども、AIの仕組みが使われている例です。最近は、チャット画面で質問を打ちこむと文章で答えてくれるAIのサービスも広く使われています。
AIを仕事に組みこむ場面
会社でAIを使うときは、次のような言い回しでよく出てきます。
- 「この問い合わせ対応、AIに一次回答(最初の返事)を任せられないか」
- 「紙の帳票をAIで読み取って、手入力をなくしたい」
- 「AIの答えは必ず担当者が確認してから送る決まりにしよう」
このように、AIは「人の代わりに全部やる」というより、人の作業の一部を受け持ち、人は確認や判断に集中するという形で使われることが多い言葉です。
よく一緒に出てくる言葉:生成AI・機械学習・ディープラーニング・LLM
AIと一緒に出てくる言葉を、ひとことずつ整理します。くわしい説明はそれぞれ別の記事で扱います。
| 用語 | ひとこと説明 | AIとの関係 |
|---|---|---|
| 機械学習 | コンピューターがデータからパターンを学ぶ方法 | 今のAIの多くを支える、学び方の土台 |
| ディープラーニング(深層学習) | 人の脳のつくりをまねた仕組みで、より複雑なパターンを学ぶ方法 | 機械学習の中の1つのやり方。画像や言葉を扱うAIで広く使われる |
| 生成AI | 文章・画像などを新しく作るAI | AIの中の1つの種類 |
| LLM(大規模言語モデル) | たくさんの文章から言葉のつながりを学んだAIの部品 | 文章を扱う生成AIの「エンジン」にあたる |
| AIエージェント | 目的を伝えると、手順を考えて自分で作業を進めるAI | AIを使った仕組みの1つの形 |
大きさの順に並べると、「AI」がいちばん広い言葉で、その中に「機械学習」があり、さらにその中に「ディープラーニング」があります。「生成AI」は、AIの中でも「作る」ことが得意な種類を指す呼び方です。
仕事ではどう関係する?:AIを使うときの注意点と、導入前に確認すること
AIは、うまく使えば毎日のくり返し作業を大きく減らせます。一方で、使い方を決めずに始めると、思わぬ失敗につながることもあります。
AIを仕事で使うときの注意点
- AIもまちがえる:それらしい答えでも事実とちがうことがあります。社外に出すものや金額にかかわるものは、人が確認してから使います。
- 入れる情報に気をつける:顧客の個人情報や社外秘をAIのサービスに入れる前に、そのサービスのデータの扱いと社内のルールを確かめます。
- 学んだことしか分からない:自社の商品や社内の決まりは、そのままではAIは知りません。必要な資料を渡す仕組みが要ります。
- 任せる範囲を決める:下書きまでか、送信まで任せるかなど、AIに任せる範囲を先に決めておきます。
AIの導入・依頼をする前のチェックリスト
- AIに手伝ってほしい業務を、作業の名前で書き出したか
- その作業に使う資料やデータ(紙・メール・表など)がどこにあるか分かるか
- 個人情報や社外秘が含まれるか、扱いのルールを決めたか
- AIの答えをだれが確認するか決めたか
- AIが止まったときに、手作業で続ける方法を用意したか
当社の「AI社員」は、会社ごとの業務に合わせてAIの仕組みを作り、運用まで支える月額のサービスです。料金は初期費用+月5万円で、初期費用はヒアリング後にお見積もりします。従業員15名規模の不動産会社では、問い合わせへの初回の返信が半日から10分になった事例があります。大切なのはAIという言葉を覚えることより、どの業務のどの手間をなくしたいかです。「この作業をAIに任せられないか」というものがあれば、お気軽にご相談ください。
よくある質問
AIとは簡単に言うと何ですか?
人が考えてやっていたことの一部を、コンピューターがまねしてできるようにした仕組みです。たくさんの例からパターンを学び、文字を読む、見分ける、予想する、文章を作るといった作業を行います。
AIと生成AIの違いは何ですか?
AIは人の考える作業をまねする仕組み全体を指す広い言葉です。生成AIはその中で、文章や画像などを新しく作ることが得意な種類のAIを指します。
AIは難しくて、詳しい人がいないと使えませんか?
チャット画面に文章を打ちこむだけで使えるAIのサービスも多く、使うだけなら特別な知識はいりません。ただし、自社の業務やシステムに組みこむ場合は、作り方や運用を外部に相談したほうが早く進むことがあります。
AIを使うのにお金はかかりますか?
無料で使えるサービスもありますが、仕事で使う場合は月額の料金や、使った量に応じた利用料がかかることが多くあります。料金や条件は変わることがあるため、最新の情報は各社の公式サイトで確認してください。