AI用語・基礎知識公開日

デプロイとは?——作ったプログラムを、実際に使える場所に置いて動かせる状態にすること

結論

デプロイとは、作ったプログラムやAIの仕組みを、実際に使える場所に置いて、いつでも動かせる状態にすることです。作っている人のパソコンの中で動くだけでは、社員やお客様は使えません。サーバー(ほかのパソコンからの頼みに応えるコンピューター)などに置いて初めて、みんなが使えるようになります。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、デプロイの意味と手順、リリース・公開との違い、AIの仕組みづくりで出てくる場面、よく一緒に出てくる言葉、仕事で知っておきたい確認ポイントについて解説します。システムやAIの仕組みづくりを外部に頼むと、「本番環境にデプロイしました」「明日の朝にデプロイします」といった連絡が来ることがあります。リリースや公開とは違うのか、デプロイ中は何に気をつければよいのか、よくわからない。そう感じている経営者や管理職の方も多いのではないでしょうか。この記事では、デプロイとは何かを、たとえ話を使って専門用語をできるだけ使わずに説明します。あわせて、デプロイの流れ、リリース・公開との違い、どんな場面でこの言葉が出てくるか、仕事で知っておきたい確認ポイントをまとめます。

ひとことで言うと:デプロイは、家で作った料理をお店のカウンターに並べること

デプロイ(deploy)とは、作ったプログラムを、実際に使える場所に置いて動かせる状態にすることです。英語の「deploy」には「配置する」「展開する」という意味があります。

文化祭の模擬店にたとえると

文化祭でクレープ屋を出すとします。家の台所で何度も試作して、おいしいレシピができました。でも、家の台所にあるうちは、お客さんは食べられません。材料と道具を学校の模擬店に運び、鉄板を温め、いつ注文が来ても焼ける状態にして、初めてお客さんに出せます。この「家から模擬店に運んで、焼ける状態にする」ことが、デプロイにあたります。

模擬店のたとえデプロイの世界
家の台所での試作作る人のパソコンでの開発(作ってためすこと)
レシピと材料プログラムと、動かすのに必要な設定
学校の模擬店本番環境(社員やお客様が実際に使う場所。サーバーなど)
運んで鉄板を温めるデプロイ(置いて、動かせる状態にする)
「開店です」と呼びこむリリース・公開(使ってもらい始める)

ポイント

デプロイは「置いて動かせるようにする作業」、リリースや公開は「使ってもらい始めること」です。多くの場合は同時に行うので、ほぼ同じ意味で使われることもあります。

もう少しくわしく:デプロイの流れと、リリース・公開との違い

デプロイは、おおむね次の5つのステップで進みます。

  1. 手元で作って確かめる:作る人が自分のパソコンでプログラムを作り、正しく動くかを確かめます
  2. ためしの場所に置く:本番そっくりの「検証環境(ためし用の場所)」に置き、関係者が使って確かめます
  3. 本番に置く:問題がなければ、本番環境(実際に使う場所)にプログラムを置き、設定を入れます
  4. 動いているか確かめる:画面が開くか、AIが答えを返すかなど、本番で正しく動いているかを確認します
  5. 困ったら元に戻す:不具合が見つかったら、前の状態に戻します(ロールバック)

デプロイ・リリース・公開の違い

言葉意味たとえ
デプロイプログラムを使える場所に置いて、動かせる状態にする作業模擬店に材料を運び、鉄板を温める
リリース新しい機能や新しい版を、使う人に提供し始めること「新メニュー始めました」と出す
公開誰でも見たり使ったりできる状態にすること店の入口を開ける

たとえば、デプロイはしたけれど、まだ一部の社員にしか見せていない、ということもあります。この場合は「デプロイ済み・リリース前」です。言葉の使い分けは会社や人によって少しずつ違うので、迷ったら「もう社員が使える状態ですか?」と聞くのが確実です。

また、デプロイ先は自社の建物の中にあるサーバーとは限りません。最近は、クラウド(インターネット越しに借りるコンピューター)に置くことが一般的です。どこに置くかによって、費用の払い方や、社外から使えるかどうかが変わります。

どんなときに出てくる?——AIを使う場面とAIを作る場面

AIを使う場面

AIのサービスを使っていると、「新しいモデル(AIの頭脳にあたる部分)を順次デプロイしています」といったお知らせを見ることがあります。これは、サービスを提供している会社が、新しい版を自分たちのサーバーに置き換えている、という意味です。使う側は何もしなくても、ある日から答え方が少し変わることがあります。

AIを作る場面

業務用のAIの仕組みを作ってもらうと、次のような言い回しを耳にします。

  • 「検証環境にデプロイしたので、触ってみてください」
  • 「金曜の夜に本番へデプロイします。その間の数分は使えません」
  • 「デプロイ後に不具合が出たので、前の版にロールバックしました」
  • 「AIへの指示文を直したので、再デプロイします」

AIの仕組みでは、プログラムだけでなく、AIへの指示文や参考にする資料を直したときにもデプロイが必要になることがあります。「直した」と「使えるようになった」は別、と覚えておくと話がわかりやすくなります。

よく一緒に出てくる言葉——本番環境・検証環境・ロールバックなど

デプロイの話をしていると、次のような言葉もよく出てきます。ここでは名前と関係だけを押さえておきましょう。

用語ひとこと説明デプロイとの関係
サーバーほかのパソコンからの頼みに応えるコンピューターデプロイ先になることが多い
本番環境社員やお客様が実際に使う場所最終的なデプロイ先
検証環境(ステージング)本番そっくりに作った、ためし用の場所本番の前に一度デプロイして確かめる
ロールバック前の状態に戻すことデプロイで不具合が出たときの戻し方
CI/CD(シーアイ・シーディー)確かめと届ける作業を自動でくり返す仕組みデプロイを自動で行うために使われる

仕事ではどう関係する?——「デプロイします」と言われたときに確認すること

中小企業でデプロイが関わるのは、主に、システムやAIの仕組みを外部に作ってもらうときや、手直しをしてもらうときです。デプロイの間は、仕組みが少し止まったり、動きが変わったりします。業務の忙しい時間に重なると、現場が困ることがあります。

経営者や管理職がデプロイの作業をする必要はありません。ただ、次の注意点は知っておきましょう。

  1. 時間帯:止まる時間がある場合は、業務への影響が少ない時間に行ってもらいます
  2. 確かめ方:本番に置く前に、検証環境で確かめる手順があるかを確認します
  3. 戻し方:不具合が出たとき、どれくらいで前の状態に戻せるかを聞いておきます
  4. 知らせ方:何が変わったのかを、使う社員に伝える手段を決めておきます

「デプロイします」と言われたときのチェックリスト

  • いつ行うか、その間に止まる時間はあるか
  • 検証環境で確かめてから本番に置くか
  • 何が変わるのか(変更内容)を一覧でもらえるか
  • 不具合が出たら前の版に戻せるか(ロールバックの手順)
  • デプロイ後に正しく動いているかを、誰が確かめるか
  • サーバーなど置き場所の費用は誰が払うか(料金は変わるため、最新の情報は公式サイトや見積もりで確認)

つまり大切なのは、デプロイという言葉そのものより、どの業務のどの手間をなくしたいかと、作った仕組みを止めずに使い続けられるかです。

当社の「AI社員」は、会社ごとの業務に合わせてAIの仕組みを作り、運用まで支える月額のサービスです。デプロイや手直し、止まったときの対応は保守として当社が行うため、お客様が作業をする必要はありません。料金は初期費用+月5万円で、保守・相談・メンテナンスは回数の制限なくご利用いただけます。初期費用は業務の内容をお聞きしたうえでお見積もりします。なお、AIの利用料は実費となります。

よくある質問

デプロイとは簡単に言うと何ですか?

作ったプログラムやAIの仕組みを、サーバーなど実際に使える場所に置いて、いつでも動かせる状態にすることです。作る人のパソコンの中だけで動いている状態から、みんなが使える状態にする作業です。

デプロイとリリースの違いは何ですか?

デプロイは、プログラムを使える場所に置いて動かせる状態にする作業です。リリースは、新しい機能や版を使う人に提供し始めることです。同時に行うことが多いため、ほぼ同じ意味で使われる場合もあります。

デプロイ中はシステムが使えなくなりますか?

仕組みによっては数分ほど止まることがありますが、止めずに切り替える方法もあります。業務への影響が気になる場合は、事前に時間帯と止まる時間を確認しておくと安心です。

デプロイにお金はかかりますか?

デプロイの作業そのものより、置き場所であるサーバーやクラウド(インターネット越しに借りるコンピューター)の利用料がかかることが一般的です。料金は変わるため、最新の情報は公式サイトや委託先の見積もりで確認してください。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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