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月次の経営会議資料(売上・粗利・資金繰りの報告)をAIで作るには?——集計・前月比のコメント案・気になる変化の指摘まで任せる方法

結論

月次の経営会議資料は、会計や販売のデータをAIに集計させ、前月・前年同月との比較のコメント案と、気になる変化の指摘まで下書きさせることで、早く作れるようになります。経理や管理部門の担当者は、AIが作った資料の数字を元のデータと照らし合わせて確かめ、経営者は会議で「この変化をどう受け止め、何をするか」の議論に時間を使えます。数字の最終確認と経営の判断は人が行います。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、月次の経営会議資料(売上・粗利・資金繰りの報告)をAIで作る方法について解説します。月初の経営会議の前になると、経理の担当者が会計の仕組みや販売の表から数字を集め、表計算に貼り付け、グラフを作り、前月との違いを説明する文章を書く。資料ができあがるのは会議の直前で、経営者が数字をじっくり見る時間はほとんどない。中小企業の経営者の方から、こうしたお話をよく伺います。この記事では、月次の経営会議資料のうち、AIに任せられる作業と人が持つべき確認・判断を分け、売上・粗利・資金繰りの報告をAIで作る進め方を説明します。

月次資料づくりで時間がかかるのは「集める・そろえる・説明する」作業

月次の経営会議資料づくりは、次のような作業の積み重ねです。

  • 集める:会計の仕組みから売上や費用を、販売や受注の表から得意先別・商品別の数字を、銀行の明細から入出金を取り出す
  • そろえる:取り出した数字を、毎月同じ形の表に貼り付け、部門や得意先の名前の表記をそろえ、前月・前年同月の数字と並べる
  • 説明する:「売上が前月より減ったのは、〇〇の得意先の注文が来月にずれたため」のように、数字の動きの理由を文章にする
  • 見つける:粗利率が下がった商品、支払いが遅れている得意先、予定より出ていく資金など、経営者に伝えるべき変化を拾い出す

このうち「集める」「そろえる」は、毎月同じ手順の繰り返しです。「説明する」「見つける」も、決まった観点で数字を比べ、目立つ動きを言葉にする作業で、下書きまではAIに任せられます。

一方で、「なぜ数字が動いたのか」の本当の理由は、現場や営業の事情を知っている人にしか分からないこともあります。AIの下書きを、人が確かめて直し、経営者が判断する。この分担にすると、資料づくりにかかる時間を減らしながら、資料の中身も濃くできます。

AIに任せられる作業と、人が確かめること

経営会議資料でAIに任せられる作業と、人が持つ作業は、次のように分けられます。

資料の中身AIに任せること人がすること
売上の報告部門別・得意先別・商品別の集計、前月・前年同月との比較表とグラフ集計の数字が会計の数字と合っているかを確かめる
粗利の報告粗利と粗利率の集計、率が大きく動いた商品や得意先の抜き出し原価の計上のずれなど、動きの理由を確かめる
資金繰りの報告月末の預金残高、入金と支払いの予定の一覧、翌月以降の見込みの表入金の遅れの理由や、大きな支払いの予定を確かめる
前月比・前年比のコメント数字の動きを文章にした下書き(「〇〇が前月より△%増えた」など)現場の事情を足し、誤った説明を直す
気になる変化の指摘社内で決めた基準を超えた動きの一覧(売上が大きく減った得意先、支払いが遅れている得意先など)経営者に伝えるかどうか、どう伝えるかを決める
打ち手の決定任せない経営者と幹部が会議で決める

ポイント

AIが書くコメントは、あくまで「数字の動きを言葉にしたもの」です。数字の動きの理由についてAIが推測した部分は、推測であることがわかるように書かせ、人が確かめるようにします。理由が分からないものは「理由を確認中」と書いておくほうが、間違った説明を会議に出すよりも安全です。

作り方の手順:資料の型を決め、データの出し方をそろえる

月次の経営会議資料をAIで作るときは、次の順番で進めます。

  1. 今の資料の型を決める:今使っている会議資料をもとに、毎月載せる表とグラフ、コメントの欄を決めます。資料の型が毎月変わると、AIに任せにくくなります
  2. データの出し方をそろえる:会計の仕組み、販売や受注の表、銀行の明細から、毎月同じ形でデータを取り出せるようにします。自動で取り出せない場合は、担当者が月初に決まった場所に置く運用から始めます
  3. 名前の表記をそろえる表を作る:得意先や商品、部門の名前が仕組みごとに違う場合は、名前を対応させる表を作ります。これがあると、AIの集計がずれにくくなります
  4. 気になる変化の基準を決める:「得意先の売上が前月より何割以上減ったら挙げる」「粗利率が何ポイント以上動いたら挙げる」「支払期日を過ぎた入金があれば挙げる」など、拾う基準を決めます
  5. AIに資料の下書きを作らせる:表、グラフ、コメント案、気になる変化の一覧を作らせます
  6. 人が確かめて仕上げる:担当者が、合計の数字を会計の数字と照らし合わせ、コメントに現場の事情を足して仕上げます

最初の2〜3か月は、今までの方法で作った資料とAIで作った資料を見比べ、数字やコメントにずれがないかを確かめます。ずれがなくなってきたら、AIの資料を確かめて仕上げる形に切り替えます。

数字は必ず元のデータと照らし合わせる

AIは、文章を書くことは得意ですが、データの取り込み方や表の読み方を誤ると、もっともらしい数字を出してしまうことがあります。とくに経営会議の資料は、判断のもとになるものです。売上合計、粗利合計、月末の預金残高など、要となる数字は必ず会計の仕組みや銀行の残高と照らし合わせてください。集計そのものは計算の仕組みに任せ、AIには集計結果を読んで文章にする役割を持たせると、数字の誤りを防ぎやすくなります。

AIの指摘を経営の議論に生かす使い方

AIで資料を作る一番の価値は、作業時間が減ることだけではありません。資料が早くできれば、経営者が会議の前に数字を読み、気になる点を考えておく時間が生まれます。

AIによる気になる変化の指摘は、次のように使うと議論に生かしやすくなります。

  • 会議の議題の候補にする:AIが挙げた変化の中から、経営者が「今月話し合うこと」を選びます。毎月同じ報告を聞くだけの会議から、変化について話し合う会議に変わります
  • 幹部に事前に理由を聞く:売上が大きく減った得意先があれば、担当の営業責任者に会議の前に理由を確かめておきます
  • 資金繰りの先読みに使う:入金と支払いの予定から、数か月先の預金残高の見込みを並べておくと、借入や支払い条件の相談を早めに始められます
  • 前月の打ち手の結果を確かめる:前月の会議で決めたことが数字にどう表れたかを、翌月の資料で確かめる流れを作ります

会議の進め方まで変える必要はありませんが、「資料を読む時間」と「話し合う時間」が増えることは、多くの経営者が実感しやすい変化です。

導入前と導入後で、月初の流れはこう変わる

経営会議資料の作成をAIに任せると、月初の流れは次のように変わります。経理・管理部門の担当者と経営者のそれぞれの動きを、導入前と導入後で比べます。

場面導入前導入後
月末の締めの後担当者が複数の仕組みから数字を取り出し、表計算に貼り付ける決まった場所に置いたデータから、AIが表とグラフの下書きを作る
会議の数日前担当者が前月との違いを調べ、説明の文章を書くAIが前月・前年との比較のコメント案と、気になる変化の一覧を作る。担当者は数字を確かめ、現場の事情を足す
会議の前日資料がやっとできあがり、経営者は当日に初めて目を通す経営者が資料を読み、気になる点を幹部に事前に確かめておける
会議の当日数字の報告を聞くことに時間の多くを使う報告は短く済ませ、気になる変化と打ち手の議論に時間を使う

担当者にとっては、数字を集めて貼り付ける作業が減り、数字の意味を確かめる作業に時間を使えるようになります。経営者にとっては、資料を読む時間と、変化について考える時間が増えます。

よくあるつまずきと対策

  1. データの形が毎月変わる:取り出すデータの列の並びや名前が月ごとに違うと、AIの集計がずれます。データを取り出す手順を決めて、毎月同じ形にそろえます
  2. 気になる変化が多すぎる:基準を厳しくしすぎると、毎月たくさんの変化が挙がり、結局どれも見なくなります。数か月の結果を見て、本当に話し合うべきものだけが挙がるように基準を調整します
  3. コメントの推測をそのまま載せてしまう:AIのコメントの中で、理由を推測している部分は必ず人が確かめます。確かめられなかったものは「確認中」として載せ、会議で担当者に聞くようにします

どれも、最初の数か月で手順と基準を整えれば防げるものです。資料の型とデータの出し方が決まれば、その後は毎月ほとんど同じ手間で資料ができあがるようになります。

注意点と、始める前のチェックリスト

経営会議の資料には、売上や利益、資金の状況など、社外に出してはいけない情報が多く含まれます。AIで扱うときは、次の点に気をつけます。

  • 外部のAIサービスを使う場合は、入力した内容が学習に使われない設定や契約になっているかを確かめる
  • AIが作った資料を見られる人を、会議の出席者と担当者に限る
  • 役員報酬や個人の給与など、会議資料に不要な情報はAIに渡さない
  • 会計や税務の判断(計上の時期、税金の扱いなど)はAIに任せず、税理士などの専門家と相談する

始める前に確認すること

  • 毎月の会議資料の型(載せる表・グラフ・コメント)が決まっているか
  • 会計・販売・銀行のデータを、毎月同じ形で取り出せるか
  • 得意先・商品・部門の名前の表記をそろえる表があるか
  • 気になる変化として挙げる基準が言葉で決まっているか
  • AIの資料の数字を確かめる担当者が決まっているか

当社自身も、社内の業務をAIの仕組みに置き換え、月に約480時間の作業を減らしてきました。毎月決まって発生する資料づくりは、置き換えの効果が見えやすい業務です。自社の経営会議資料をどこまでAIで作れるか知りたい経営者の方は、月5万円のAI社員の無料相談でお気軽にご相談ください。

よくある質問

経営会議の資料はAIで自動作成できますか?

会計や販売のデータの集計、前月・前年との比較表やグラフ、数字の動きを説明するコメント案、気になる変化の一覧までは、AIで下書きできます。要となる数字の確認と、経営の判断は人が行います。

AIが作った数字は信用できますか?

データの取り込み方を誤ると、もっともらしい誤った数字が出ることがあります。売上合計や預金残高など要となる数字は、必ず会計の仕組みや銀行の残高と照らし合わせてください。集計は計算の仕組みに任せ、AIには文章化を担わせると誤りを防ぎやすくなります。

資金繰りの見込みもAIに作らせられますか?

入金と支払いの予定のデータがあれば、数か月先の預金残高の見込みを表にすることはできます。入金の遅れや大きな支払いの予定は、担当者が確かめて反映させてください。

会計ソフトを変えないとAIで資料は作れませんか?

多くの場合、変える必要はありません。毎月同じ形でデータを取り出せれば、その後の集計や資料づくりはAIの側で行えます。自動で取り出せない場合は、担当者が月初にデータを置く運用から始められます。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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