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DX(ディーエックス)とは?——デジタルの力で仕事のやり方そのものを変えること

結論

DX(ディーエックス)とは、パソコンやインターネット、AIなどのデジタルの道具を使って、仕事のやり方や会社の仕組みそのものを変えることです。正式には「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」といい、「Trans(横切る・変える)」を英語圏の習慣で「X」と書くため、DTではなくDXと略します。紙を画面に置き換えるだけの「デジタル化」や、道具を入れる「IT化」とちがい、DXは「仕事の流れや成果がどう変わったか」までを指す言葉です。

株式会社MEDISITE 執行役員・AI事業責任者の吉村聡一郎が、DX(ディーエックス)の意味と何の略か、なぜ「X」と書くのか、IT化・デジタル化との違い、よく出てくる場面と関連用語について解説します。ニュースや取引先との会話で、「DXを進めましょう」「うちもDX化しないと」といった言葉を耳にすることがあります。なんとなく「デジタルを使うこと」だとは感じていても、何の略なのか、なぜXなのか、IT化とどう違うのかを聞かれると、うまく答えられないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、DXとは何かを身近なたとえ話で説明し、IT化・デジタル化との違い、よく出てくる場面、一緒に出てくる言葉を順にまとめます。中小企業がDXを何から進めればよいかという具体的な手順は、別の記事「中小企業のDX化(DX推進)は何から進める?」で解説しているため、この記事では言葉の意味を中心に扱います。

ひとことで言うと:DXとは、デジタルを使って「仕事のやり方」を変えること

DX(ディーエックス)とは、デジタルの道具を使って、仕事のやり方や会社の仕組みそのものを変えることです。英語の「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」を短くした言葉で、日本語にすると「デジタルによる変革(大きく作り変えること)」という意味になります。

なぜ「DT」ではなく「DX」なの?

Digital Transformationの頭文字をそのまま取ると「DT」になります。しかし英語では、「Trans(トランス)」という部分を「X」と書く習慣があります。Transには「横切る・越える」という意味があり、横切る形を表す「X」の字で代わりに書くのです。そのため、日本でも海外でも「DX」と書かれるのが一般的です。

学校の文化祭にたとえると

文化祭の出し物の受付を思い浮かべてください。これまでは、紙の名簿に手で名前を書いてもらい、あとで先生が人数を数えていました。

  • 名簿を紙からタブレットの入力画面に変える。これは「デジタル化」です。
  • 入力された人数が自動で集計され、混んでいる時間がひと目で分かる。そこで、混む時間に係の人を増やし、整理券の配り方も変える。ここまで来ると「DX」です。

つまり、道具を新しくするだけでなく、その道具で分かったことをもとに、動き方そのものを変えるのがDXのポイントです。

ポイント

DXは特定の機械やソフトの名前ではありません。「デジタルを使って、仕事の流れや成果を変えること」という、取り組みの目的を表す言葉です。

もう少しくわしく:IT化・デジタル化・DXの違いを表で比べる

DXとよく混ざって使われる言葉に「IT化」と「デジタル化」があります。この3つは、別々のものというより、段階のちがいとして考えると分かりやすくなります。

言葉ひとことで言うと会社での例変わるもの
IT化パソコンやソフトなどの道具を入れること会計ソフトを入れる、社員にパソコンを配る使う道具
デジタル化紙や手作業の情報を、データ(パソコンで扱える形)にすること紙の請求書をPDFにする、手書きの日報を入力フォームにする情報の形
DXデータとデジタルの道具を使って、仕事の流れや成果を変えること受注データから請求書を自動で作り、担当者は確認だけにする仕事のやり方・成果

DXは、おおむね次のような順番で進みます。

  1. 今の仕事を知る:どんな作業に、どれくらいの手間がかかっているかを書き出す
  2. 紙や手作業をデータにする:入力フォームや共有ファイルに置き換える(デジタル化)
  3. データをつなぐ:別々のソフトに入っている情報を、行き来できるようにする
  4. やり方を作り変える:自動でできる作業はまかせ、人は判断や確認に集中する

このように、IT化やデジタル化はDXの「途中の段階」にあたります。道具を入れただけで止まってしまうと、「パソコンは増えたのに、仕事は前と同じ」ということが起こりがちです。

どんなときに出てくる?:経営の話・AIの話・国の取り組みの場面

AIを使う場面

最近は「AIを使ったDX」という言い方がよく聞かれます。AIは、文章を読んだり、下書きを作ったり、データの中から気になる点を見つけたりする作業が得意です。そのため、デジタル化までは進んだけれど、そのあとの「判断」や「作成」に人の手がかかっている業務で、DXを一歩進める道具として出てきます。

  • 「紙の注文書はPDFになったけど、入力は手作業のまま。AIで読み取ってDXを進めたい」
  • 「問い合わせメールの返信をAIが下書きすれば、対応の流れそのものが変わる」

会社の方針や国の取り組みの場面

経営計画や社内の会議で「DX推進」「DX担当」「DX戦略」といった言葉が出てくることがあります。また、国や自治体もDXを後押ししており、経済産業省がDXの考え方や進め方をまとめた資料を公開しているほか、DXにかかわる補助金や認定の制度が用意されている場合があります。制度の内容や条件は変わることがあるため、最新の情報は各省庁や自治体の公式サイトで確認してください。

よく一緒に出てくる言葉:IT化・デジタル化・ペーパーレス・AI・RPA

DXと一緒に出てくる言葉を、ひとことずつ整理します。くわしい説明はそれぞれ別の記事で扱います。

用語ひとこと説明DXとの関係
デジタイゼーション紙などの情報をデータにすることDXの最初の段階。「デジタル化」とほぼ同じ意味で使われる
デジタライゼーション1つの業務の流れをデジタルで効率よくすることDXの手前の段階。会社全体の変化まで行くとDXと呼ばれる
ペーパーレス紙を使わずに仕事をすることDXを進める中でよく取り組む具体策の1つ
AI(エーアイ)人が考えてやっていたことの一部を、コンピューターがまねしてできるようにした仕組みDXを進めるための道具の1つ。特に判断や文章作成の手間を減らす
RPA(アールピーエー)パソコン画面の決まった操作を自動でくり返させる仕組みDXの中で、くり返しの入力作業を減らす道具として使われる

DXは「目的」、AIやRPAやペーパーレスは「手段」と考えると、言葉どうしの関係を整理しやすくなります。

仕事ではどう関係する?:DXでできることと、始める前に確認すること

「DX」と聞くと大きな会社の話に思えるかもしれませんが、中小企業でも、毎日のくり返し作業から取り組めます。DXで変えられることの例を整理します。

業務これまでDXのあと(例)
受注の入力FAXや紙の注文書を見て手で入力するAIが注文書を読み取り、人は確認だけする
問い合わせ対応担当者が1件ずつ調べて返信を書くAIが返信の下書きを作り、人が直して送る
日報・報告紙の日報を集めて上司がまとめる入力フォームで集め、要点の一覧が自動でできる

DXを進めるときの注意点

  1. 道具を入れることを目的にしない:ソフトを入れても、仕事の流れが同じなら手間は減りません。
  2. 一度に全部を変えない:小さな業務から始めて、うまくいったら広げるほうが失敗しにくくなります。
  3. 使う人の声を聞く:現場が使いにくいと感じると、元の紙や手作業に戻ってしまいます。
  4. 止まったときの決まりを作る:システムが動かないときに、手作業で続ける方法を用意しておきます。

DXの相談・依頼をする前のチェックリスト

  • 手間がかかっている業務を、作業の名前で書き出したか
  • その業務に、だれが、どれくらいの時間をかけているか分かるか
  • 紙・FAX・手入力など、データになっていない情報はどれか
  • 今使っているソフトやシステムの名前を一覧にしたか
  • まず1つ変えるなら、どの業務から始めるか決めたか

当社の「AI社員」は、会社ごとの業務に合わせてAIの仕組みを作り、運用まで支える月額のサービスです。料金は初期費用+月5万円で、初期費用はヒアリング後にお見積もりします。従業員30名規模の製造業では、受注書の入力が1日2時間から15分になった事例があります。大切なのはDXという言葉を覚えることより、どの業務のどの手間をなくしたいかです。「この作業をなんとかしたい」というものがあれば、お気軽にご相談ください。

よくある質問

DXとは簡単に言うと何ですか?

パソコンやAIなどのデジタルの道具を使って、仕事のやり方や会社の仕組みそのものを変えることです。道具を入れるだけでなく、仕事の流れや成果が変わるところまでを指します。

DXは何の略ですか?なぜXなのですか?

Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略です。英語では「Trans」を「X」と書く習慣があるため、DTではなくDXと略されます。

DXとIT化の違いは何ですか?

IT化はパソコンやソフトなどの道具を入れることで、DXはその道具とデータを使って仕事のやり方や成果を変えることです。IT化やデジタル化は、DXに向かう途中の段階と考えると分かりやすくなります。

小さな会社でもDXは必要ですか?

会社の大きさにかかわらず、紙や手作業に時間をとられている業務があれば、DXで手間を減らせる場合があります。会社全体を一度に変える必要はなく、1つの業務から始めることができます。

執筆・監修

吉村 聡一郎の写真

株式会社MEDISITE 執行役員/AI事業責任者

吉村 聡一郎

株式会社アシロ(東証グロース市場)で営業統括責任者・新規事業開発責任者を経験。2022年、株式会社MEDISITEの創業メンバーとして参画し、AI事業・営業支援事業を統括。

  • AI導入・AI研修
  • 営業・新規事業

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